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公開 2020年06月22日  

まずは「待ち合わせ」の説明から必要だった。休校生活明けに経験した“小1の壁”

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新型ウイルスの影響で長い休校生活を送りましたが、最近少しずつ小学校への登校が再開しました。すると「放課後の過ごし方」という、今までになかった悩みに直面したのです。


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今までになかった「放課後」の過ごし方


我が家には、小学校2年生になる男女の双子がいます。

新型ウイルスの影響でしばらく休校生活が続いていましたが、双子たちの通う小学校でも、6月から段階的に授業が再開しました。


休校前は、学校が終わったら学童に行って放課後を過ごしてきた双子たち。

でも、6月は午前中授業で給食がありませんし、私も在宅勤務で自宅にいるため、双子たちも学童には行かずに帰宅する生活を送っています。


そんなある日のこと。

学校から帰ってきた双子たちが「今日ね、学校でね、◯◯くんと遊ぶ約束をしたから、公園へ行ってもいい?」と言ってきました。

平日の午後に、公園で遊ぶ。

これは、今までの我が家にはなかった時間の過ごし方です。



でも、「何時に遊びに行くの?」と聞いてみても、「分からない」とのこと……。

戸惑ったのですが、我が家の基本方針は「自分のやるべきことをやっていれば、自由に過ごす」なので、「お昼ごはんを食べて、宿題をして、学校の準備が終わったら遊びに行ってもいいよ」と伝えました。

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初めての「友達との約束」に出かけて分かったこと


やるべきことを終わらせた双子は、張り切って公園へ出かけて行きました。

でも、10分もしないうちに帰ってきてしまったのです。

話を聞くと、約束していたお友達とは会うことができず、人が多くて遊具も使えないので帰ってきた……ということ。


この時、私はあることに気付きました。

双子たちはまだ「待ち合わせ」の経験がなく、その方法も知らない。

これは私にとっては盲点でした。


そこで私は、双子たちに「待ち合わせ」の説明をすることにしました。

学校から帰ってからお友達と遊ぶためには、いつ(何時に)、どこで遊ぶか(場所)を決めなければ、一緒に遊ぶことができないこと。

それをしっかり伝えたところ、「分かった。次からはそうする!」と理解した様子でした。


次の日、双子たちは早速「待ち合わせ」のリベンジをしてきました。

学校から帰ってくると、「今日は◯◯ちゃんと、14時に◯◯公園で遊ぶ約束したから行っていいよね?17時には家に帰ってくる!」と言うのです。

その日の待ち合わせは無事に成功したらしく、約束通り17時前に帰ってきたので、このルールならやっていけるかな……と思い始めました。

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遅れてやってきた「小1の壁」


こうして待ち合わせができるようになった双子たちは、自分たちで友達と約束をし、子どもだけで公園に遊びに行くようになりました。

でも、これもひとつの「成長」だと実感すると同時に、新たな不安が募るようになりました。


・そもそも、子どもたちだけで遊びに行かせて大丈夫か?

・行き先を告げているとは言え、位置情報を把握できた方が安心なのでは?

・子ども用携帯を持たせた方がよいか?

・遊び相手の保護者の連絡先が分からない場合は、どうすればいいのだろうか……。



考えれば考えるほど不安は尽きず、思い切って保育園時代のママ友グループに相談をしてみました。

すると、予想以上にみんな同じような悩みを抱えていることが分かったのです。


2年前まで同じ保育園に通っていたお友達の中には、子ども用携帯を持って公園に遊びに行っている子もいれば、まだ1人で公園に行くことはないという子もいました。

各家庭によって本当にいろんな考え方があり、それぞれに悩んでいる。

みんなそれぞれ子どもたちの自立を願い、子ども1人での行動を見守っていきたい反面、心配事が尽きない状況でもある。

小学校1年生の間を学童で過ごしていた私たちにとっては、これは「遅れてきた小1の壁」のようにも思えました。

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こうした葛藤をみんなで共有できただけでも、心が随分軽くなりました。

それと同時に、私の中にふとわき上がってきた“ある思い”もあります。


双子たちが「自分で約束し、遊びに行く」という自主性は尊重したい。

正直なところ、双子が遊びに行ってくれると、家の中も静かで仕事に集中できる。

でも、道中で事故に遭ったり、トラブルや犯罪に巻き込まれたりしたらどうしよう。

子どもだけで遊びに行かせるのは、まだ早い?

でも、何歳になったら「安全だ」と言えるのだろうか……。



そして、こうした葛藤の中には、さらに2つの気持ちが隠れていることに気づきました。

1つは、子どもたちだけで遊ばせている場合、周囲から「あの家は子どもだけで遊ばせている」と思われるのではないか。

でも逆に保護者が同伴していると、「あの家は過保護だ」と思われるのではないか。

このように、無意識のうちに他者の目線を気にしている自分に気付いたのです。


そしてもう1つは、万が一何か起きてしまったら、それを許容した私に全ての責任がのしかかるという不安。

「子どもの自主性」と言うと聞こえはいいかもしれませんが、これは実はそれくらい大きな決断なのだということにも気付きました。


こうした複雑な気持ちと向き合う中で、やはり自分たちなりの「家族ルール」を作ることが大切だと痛感しました。

我が家なりの「ルール」を決めてみる


子育てをしていると、日々が意思決定の連続。

そして、その一つ一つの決断に不安になったり、ストレスを感じたりすることがあります。

今回のことについては、私の一存で決めるのではなく、やはり家族で話合ってルールを決めることにしました。

①いつ(◯時〜◯時まで)
②どこで(場所は1ヶ所だけ、移動はしない)
③だれと遊ぶか(お友達の名前を確認)
④これらをはっきりとさせた上で、双子は2人で一緒に遊びに行く


これが、今のところの我が家のルールです。

それに加えて現在は、「公園でも、大人数で遊ぶことは避ける」などの配慮も必要。

もちろん、公園に行けば偶然お友達とも出会うこともあると思うので、その辺はある程度柔軟に考えていますが、あくまで2年生になりたての我が家のルールとして決めてみました。


これからも、双子たちの成長や環境に応じてルールは進化していくと思いますし、住んでいる地域や環境、家族構成など、各家庭ごとに全く判断が違うことだとも思います。

我が家は我が家なりのルールを活かして、子どもたちの安全に配慮した上で、自主性を育んでいきたいと思っています。

※ この記事は2024年11月15日に再公開された記事です。

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