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公開 2020年08月05日  

「心で覚えてるの」スマホで撮り逃した大きな虹と、消えない記憶

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子ども達がうまれてから、ほぼ毎日スマホで写真を撮っています。ある日、外を歩いていると空に大きな虹が!でも、スマホの電源が切れていて……。


いつでもシャッターチャンス


子どもが生まれてから、スマホで写真を撮ることが増えました。

特別なことがなくても、日常の風景や、子ども達の笑顔・泣き顔・後ろ姿・ブロックの作品まで、ことあるごとに写真を撮り、毎月フォトアルバムにしています。

そんな私を見て育った子ども達は、気に入ったものがあるとすぐに「ママ、写真撮って!」と言うようになりました。

「パズルが完成したよ!」

「オムライスのケチャップが上手にかけられた!」

「このお花が綺麗だから!」

など、とにかく少しでも残しておきたいものは、写真に残して欲しがるように。

私も子ども達も、「撮っておけば記録に残っているから安心」という気持ちがあったように思います。

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空に大きな虹が…!


ある日、子ども達と私の3人で出かけた時のこと。

その日は少し前まで雨風が強かったのですが、ちょうど止んだところでした。

雨上がりに3人で歩いていてふと空を見上げると、大きな虹が消えかかっている……!


「わ~!!大きな虹!!」と言っている間にも、強風のためか虹がみるみる薄れていきます。

「ママ!消えちゃう!!写真とって!!」と子ども達は大騒ぎ。


私も慌ててスマホを鞄から取り出して撮ろうとしたのですが、こんな時に限って充電切れ!

この時すでに携帯の電源はオフになってしまっていました。

「わ~!!スマホの充電が無いから写真撮れない!」と言うと、子ども達も「え~!!」と、とても残念そうです。


そうこう言っている間にも、虹はみるみる薄れていきます。

とっさに私は「2人とも、しっかり見て心に覚えておこう!!」と言いました。

すると、「うん!!心のカメラで撮っとく!!」と空の虹を食い入るように見つめる2人。

正直虹よりも、必死でこの景色を覚えておこうと空を見つめる2人の姿がかわいくて、写真に残しておきたかったというのは、ここだけの話。

いまこの瞬間は、私も心で覚えておこうと胸に焼き付けました。


「わ~!!もう消えちゃう~!!」

「大丈夫?ちゃんと覚えておいた!?」など3人で騒いでいるうちに、虹は消えて雨上がりの青空が広がりました。

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「ママ、覚えてる?」


スマホが使えなかったことで「心に覚えておいて~!」ととっさに口から出たのですが、これが子ども達に大ヒット!

仕事から帰ってきた夫に、子ども達は嬉しそうに報告していました。

「パパ!今日すごい大きな虹が出てたんだよ!携帯の電池が無かったから写真には撮れなかったけど、心で覚えてるんだよ~!!」

すると夫も興味津々で「いいなぁ!どんな虹だったの?」と質問。

これに対し子ども達は、次のように詳しく説明していました。

「運動場からマンションくらいまでつながる大きな虹で、ピンクとか黄色とかいろんな色があった!」


ほんの一瞬の出来事だったのに、とても詳しく虹の色や大きさを覚えていて驚きました。

この時、子ども達は本当に心のフィルムに焼き付けていたんだなと感心したのです。


翌朝起きると「ママ、虹のことまだ覚えてる?」と4歳の息子。

また次の日も「ママ、まだ覚えてる~?」と代わるがわる確認してきます。

そのたびに「うんうん、綺麗だったね。ちゃんと覚えてるよ。」と伝えると満足そうな顔をする子ども達。

数ヶ月たった今でも、虹を見た場所を通るたびに「虹のこと覚えてる?」と嬉しそうに聞いてきます。

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心に焼き付けたい記憶


スマホで写真を撮ると、撮ったこと自体に満足してしまい、あとで見返すと何の写真なのか忘れてしまっているようなことも多々あります。

この虹のことは、写真としては残っていませんが、子ども達の心にも私の心にも鮮明な記憶として残っています。

ふとした拍子に「虹のこと覚えてる?」と聞かれるので、忘れっぽい私でもそうそう忘れることはないでしょう。


写真に撮れなかったからこそ、心にしっかりと焼き付けられた虹。

今でも、「写真に撮るのもいいけれど、こうやって心にしっかり覚えておくのもいいね~」と子ども達と話しています。

子ども達の成長をスマホでパシャパシャ手軽に撮るのも好きだけれど、きちんと心にもとどめておきたいと改めて強く感じた出来事でした。


※ この記事は2024年11月05日に再公開された記事です。

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