時間をかけて料理をしたり、ガーデニングをしたり、洋服の素材にこだわったり…。
雑誌で紹介されているような暮らしぶり。
身の周りのモノを慈しみ、なんてことのない日常でさえ、手を抜かず大切に過ごしている暮らし。
憧れを抱くものの育児と家事に追われている私には無理な暮らしだなと思っていました。
しかし外出自粛要請により思わぬ時間の余裕ができたことで、「これを機に、私もチャレンジしてみよう」と決意!
部屋の模様替えや花壇の手入れをしてみました。
だけど続いたのは1週間ほど。
どうやら丁寧に暮らせない要因は忙しいからではなく、私の大雑把な性格にあったようです。
そんなとき、ふと娘の行動を見て気がついたのです。
「この子も、丁寧に暮らしているじゃないか!」と。
彼女は、普通の毎日でも一生懸命に、身の周りのモノすべてに愛情をもって生活しているように見えたのです。
丁寧な暮らしの本質は”心”だった!5歳娘が教えた、毎日を大切に過ごす心得は
9,538 View料理家や雑貨店のオーナーなどの「丁寧な暮らし」に憧れを抱きつつも、程遠い暮らしをしている私。
しかし、ふと娘に目をやると、娘の毎日がとても丁寧な暮らしに見えてきたのです。
流行りの「丁寧な暮らし」にチャレンジするも…
自分の作ったモノを、とことん愛する娘
工作やお絵かきが大好きな娘。
我が家のリビングにあるオモチャコナーは、紙くずのような作品でいっぱいです。
毎日「コレ捨てていい?」
「ダメ!」という母子の会話が繰り返されています。
ある朝、起きてきた娘が眠そうに目をこすりながらソファに直行しました。
「ご飯食べる?」という問いかけを無視し手にとったのは、お絵かき帳。
無言でページをめくりはじめたのです。
1ページ目をじっと見つめるとまた次のページ。
また次。
これまでに自分が描いた絵をチェックしているのです。
大切そうにページをめくるその姿を見て、私は自分の言動を反省しました。
先日、何度掃除をしても片付かないことにイライラして娘に説教をしたからです。
そして「工作を1つ作ったら、1つ捨てる」という約束をさせたのです。
最初は反論していた娘も厳しい口調で迫り続ける私に屈して、最後はぽろぽろと涙を流していました。
私にとっては紙くずでも娘にとっては丹精込めて作った世界に1つの作品。
全部を保管するのは無理だけれど、娘のお気に入りだけでも残しておけるよう工夫したいと考えを改めました。
ファッションへの情熱がすごい
2歳を過ぎたころからオシャレに目覚めた娘。
ピンク色やフリルなどの可愛い系のファッションから始まり、いまでは黒やブルーといったカッコいい系も取り入れるように。
毎日、制服から私服に着替えることはもちろん、お風呂上りにパジャマを着ることでさえ楽しみにしています。
家に帰ってきた瞬間から「今日は何着るか決めてるの!」と言ったり。
お風呂から上がると「どのパジャマにしようかな~」と悩んだり…。
着るものには一切手を抜きません。
ある日、幼稚園の帰りに寄り道をして帰った日のこと。
夕方遅くなってしまったので帰り道に「今日は帰ったらスグにお風呂入ろうね」と娘に言いました。
すると突然泣きだしたのです。
「どうしたの!?」
理由を聞くと帰宅後に着る服を決めていたといいます。
「すぐにお風呂に入ったらパジャマしか着られなくなるもん!」と、くしゃくしゃの顔で訴える娘。
結局、その日は入浴してから寝る直前まで洋服で過ごすことになりました。
「何を着るか」だけでワクワクしたり怒ったり、こんなにも情熱的になれたら毎日が楽しいだろうな。
私なんて3パターンくらいのコーディネートで回しているというのに・・・。
見習いたいものだと思いました。
目の前の料理を、心から楽しむ娘
外出自粛が解除され娘と二人でファミリーレストランでランチをすることになりました。
用事の合間に30分ほどしか時間がなかったため、私は最初に目についたランチセットを注文。
娘はお子様セットを頼みました。
配膳されるやいなや料理にありつく私。
対して娘は「おいしそう」と、お子様セットをニコニコ顔で眺めています。
ハンバーグ、ポテト、ブロッコリー、1つ1つを順番に見つめ、まずはポテトに手を伸ばします。
添えてあったケチャップをちょんっとつけてパクパク。
ポテトの次はブロッコリーを食べ、最後は大好きなハンバーグ。
残っていたポテト用のケチャップを満面の笑みでそろ~と慎重にハンバーグにかけます。
予定時間が迫っているなかの娘の行動に、私は少し苛立ちました。
けれど、一口ひと口を愛おしむように口のなかに入れていく様子を見ると急かすことはできません。
そこで思ったのです!
最近の私は娘のように食事を楽しんでいないなと。
ここ数年の夕食は時短メニューが中心。
食べるときも就寝までに残された時間を計算し、短時間でたいらげてしまいます。
娘を見習って、普段の料理でも味わう余裕を持ちたいなと感じました。
丁寧な暮らしはカタチじゃなかった
娘は、オモチャや服、らく描き、食事など、身の周りにあるモノやコト、すべてに愛情を注ぎ、毎日を全力で過ごしています。
きっと5歳の彼女の目には日常のあらゆるものが新鮮に映っているのでしょう。
だから目の前のモノの魅力を最大限に感じられるし、時間など気にせずじっくり向き合えるのです。
娘を観察しているうちに、丁寧に暮らすということは、決してカタチではなく、”心”なのだと気がつきました。
私はこれまで、丁寧な暮らしの単に素敵なインテリアやオシャレな料理といった生活の外見に憧れていただけなのです。
本質は”今日という一日を大切にする”ということ。
忙しいなら忙しいなりにでも、日常と新鮮に向き合いながら暮らしていきたいなと娘から教えられた出来事でした。
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