我が家には小学生2年生の男女の双子がいます。
先日、双子を連れて郊外の少し大きな公園に遊びに行きました。
そこで、松の木を見つけた双子たちは、急に思い出したように「おすもうしよう!」と地面に落ちている松葉を探し始めたのです。
それぞれ「これなら勝てる気がする!」「負けないからね!」と言いながら、自分の選んだ松葉を手に取り、二人で松葉ずもうをはじめました。
その姿を見て、私は急に双子の小さい頃を思い出したのです。
私の知っている双子家庭の友達の中には、とってもアクティブで、出かけていないと息が詰まると、幼い双子がいるなんてもろともせずに車でどこまででも出かける人もいます。
かと思えば、「双子を連れて家を出るなんて、それだけでストレスが増える」と自宅で過ごすタイプの人もいて、子育てはいろんな向き合い方があるな〜と感じています。
我が家では、双子が小学生になった今でこそ、放課後自分たちで公園に遊びに行くようになりましたが、双子が1〜2歳の頃は、2人を連れて外出するというのは私にとってとても勇気のいることでした。
近場の公園に行くにしても、双子を着替えさせ、二人分の荷物をもって、双子ベビーカーに乗せる。
ここまでで大仕事です。
さらには重たいベビーカーを押す、もしくは2人と手をつないで歩く……
行った先でも2人から目が離せないし、双子のおむつ替えは?私がトイレに行きたくなったらどうする?双子ベビーカーのまま移動できる場所はある?
色々考えると、双子連れの公園はハードルが上がっていくばかりでした。
子育てをする上で私がモットーとしてきたのは、“母親が無理をしない”ということ。
だから、当時の私の中で、自分1人で双子を公園に連れていくという選択肢はありませんでした。
でも、心のどこかには「外遊びの経験が少ないと、双子にとってマイナスなのではないか?」と心配になる気持ちもありました。
それに、日中に運動することで夜はしっかり寝て欲しいという気持ちもありました。
そこで、できるだけ安全に、私1人で双子を外で遊ばせる方法はないかと探していました。
そんな中、無理なく外遊びをさせる方法として取り入れていたのが、自宅の裏の緑道沿いの散歩でした。
なにかあったときにはすぐに自宅に帰れる距離の範囲で、双子をベビーカーに乗せ、必要最小限の荷物だけを持って散歩をしていました。
遊歩道になった緑道には、自転車も入ってくることが少なく、途中休憩スペースのベンチもあったりと、ちょうどいい環境でした。
2歳というとイヤイヤ期真っ只中で、ベビーカーに乗りたくない!となることもしばしば。
その場合は、2人にベビーカー押させることで、安全に歩かせることもできました。
いつもの道でノラネコを見たり、アリの行列を観察したり、ベンチでおやつを食べたり。
日常の些細な1コマでしたが、散歩に行った日は「自分一人で双子を連れて外に出ることができた」と気持ちが軽くなり、自宅を出ることでリフレッシュできていたように思います。
当時私は、おもちゃではなく身の回りにあるものを使って遊ぶ方法を探しては、双子に教えていました。
その中の一つが「松葉ずもう」だったのです。
これは、加古里子さんの「日本伝承のあそび読本」という本にかかれていた、昔ながらの日本の草あそびです。
落ちている松葉を拾い、松葉と松葉をからませて、左右からひっぱりっこ。
どちらかがちぎれたら勝負がつきます。
双子たちは小さい手で松葉を握り、「はっけよいのこった!」と引っ張り合いをしていました。
2歳の小さい指では、細い松葉を広げるのも一苦労。
手の力加減も難しく、最初は苦戦していましたが、そのうちに自分たちで遊べるようになりました。
その他、「葉っぱさがし」も双子は大好きでした。
「小さい葉っぱ」「大きい葉っぱ」「ギザギザの葉っぱ」など、テーマを決めて、葉っぱをさがすゲームです。
紅葉の季節には、「赤い葉っぱ」「黄色い葉っぱ」「緑の葉っぱ」と色探しも楽しめます。
秋から冬にかけては、落ち葉の上をザクザクと音を立てて歩くだけでも双子は喜んでいました。
もう1つよくやったのが「足じゃんけん」
立ったまま足を閉じてグー、足を前後に開いてチョキ、足を横に開いてパー。
単純にじゃんけんゲームをするもよし。
飽きてきたら、全員で同じポーズであいこを目指そう!とルールを変えたりもしました。
今思い返すと、公園に連れていけないからこそ、遊具なしで一緒にできる遊びを探していたように思います。
その後、双子は保育園に入園、そして小学校に入学。
お友達や先生と過ごす時間が増え、自分たちで新しい遊びを覚えてくるようになりました。
久しぶりに、松葉ずもうで遊んでいる双子の姿を見て、小さい頃に教えた遊びを今も覚えていてくれたんだな〜と思うと、懐かしくも嬉しい気持ちになりました。
当時は公園に連れて行ってあげることができず、不甲斐ない思いをしていたけど、あの緑道の散歩道で過ごした日々は、私たち親子の時間としては有意義だったんだな。
そう思うことができました。