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公開 2021年01月12日  

【医師監修】赤ちゃんの体重が増えない原因とは?平均体重や対処法を解説

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赤ちゃんが生まれてから受ける1ヶ月健診や3~4ヶ月健診では、体重増加をはじめとする発育状態を診察します。母乳育児の場合は体重の増加が緩やかなこともあるので、時に健診で医師や看護師から厳しい言葉をかけられてしまうこともあるようです。体重増加と母乳育児についてお伝えします。<監修:工藤 あき医師>


目次 赤ちゃんの体重増加の目安
赤ちゃんの体重が増えない原因とは?
赤ちゃんの体重が増えない時の対処法
乳児健診について
母乳育児の体重増加について
健診は、自分の育児に自信をもつ日であってほしい!

赤ちゃんの体重増加の目安

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赤ちゃんは生まれてから1歳になるまでに体重が約3倍に成長するともいわれており、人生で最も成長する時期です。

しかし、成長には個人差がありますので、パパやママが赤ちゃんの発育状況を心配してしまうこともあるでしょう。

赤ちゃんの体重増加の目安は、増えた体重を日割りにして、1日当たり何グラム増えているかを参考にしています。

<赤ちゃんに期待される体重増加の目安>
・0~3ヶ月は1日当たり25~30g
・3~6か月は1日あたり15~20g
・6~12ヶ月は1日あたり10~15g

一般的には生後6ヶ月までの発育が急で、その後は横ばいに緩やかになっていきます。

赤ちゃんの成長には個性がありますので、最初は食が細く、離乳食が始まるころに急に成長が追いつく場合などもあります。

出生体重や出生週数、母乳かミルクかなど、赤ちゃんの状態によっても左右されますので、目安の体重はあくまでも指標のひとつです。

目安体重と違うからと言って、ミルクを飲ませすぎたり、逆に減らしすぎたりと、心配しすぎないようにしましょう。

もし赤ちゃんの発育に心配がある際は受診の際に相談をするといいですね。


赤ちゃんの体重が増えない原因とは?

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赤ちゃんの体重が増えない場合、大きく分けて3つの原因が考えられます。

・栄養が足りない(母乳・ミルク)
・運動量が多い(心配ない)
・病気

母乳やミルクなどの赤ちゃんが必要とする栄養が、何らかの原因で不足している場合があります。
授乳頻度は適切か、おっぱいやミルクを欲しがって泣くまでにどのくらい時間が空いているか、ミルクであれば飲む量をチェックすると良いでしょう。

活発でよく赤ち手足を動かす赤ちゃんはエネルギー消費量が多く、体重が増えにくい場合もあります。

哺乳量が十分で、機嫌がよく、うんちやおしっこもしっかり出ていれば気にしすぎなくても大丈夫です。

母乳やミルクを飲んだ後に噴水のような吐き戻しがある場合には「肥厚性幽門狭窄症」を疑う場合も。

また、嘔吐を繰り返し、発熱や下痢が伴う場合にはウイルスや細菌による感染の場合もあるため、すぐに受診するようにしましょう。


赤ちゃんの体重が増えない時の対処法

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赤ちゃんの体重が増えないときの対処法をご紹介します。

・母乳のやミルクの回数、授乳姿勢を増やす
・病院に相談する

母乳が足りていないときには、一時的にミルクを足して混合栄養育児にする方法があります。

ただし、母乳を与える回数が減るとおっぱいが出る量が減ってしまうことがありますので、母乳を飲ませた後にミルクを足してあげると良いですね。

母乳不足については授乳姿勢や、赤ちゃんの吸い方等、専門家からの指導で改善できる場合もありますので、「母乳が足りてないのでは?」と感じたら母乳専門外来や、産院に相談してみましょう。


乳児健診について

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赤ちゃんが生まれてから受ける乳幼児健康診査(以下、乳児健診)には、1ヶ月、3~4ヶ月、1歳6ヶ月、3歳健診があります。

乳児健診では、赤ちゃんの発育、栄養状態、先天的な病気などの診察を受けます。

各市町村や出産した施設によっては、2週間健診、6ヶ月健診、10ヶ月健診が実施されることもあります。

たとえば1ヶ月健診では、身長や体重、胸囲や頭囲の計測以外に「おへそが乾燥しているか」「うんちの色や形状」「泣き方や音や光に対する反応」「心臓の診察」「股関節脱臼がないか」などの診察を受けます。


母乳育児の体重増加について


続いて、母乳で育っている赤ちゃんの体重増加について、お伝えしていきます。


母乳育児中は体重がゆっくり増えることもある


母乳育児の場合には、体重の増え方がゆっくりの赤ちゃんもいます。

よく「1ヶ月健診で1kgの増加」と言われますが、これは「おおよそ1日あたり30gぐらい増えたら1ヶ月で1kgくらいになる」という考えに基づいています。

「1kg増えなければ異常」という意味ではありません。

1ヶ月健診の体重増加については、「1日あたりの体重増加」で判断するのが一般的です。

そのため、退院(もしくは生理的体重減少で体重が最も減った日)から1ヶ月健診までの体重を日割り計算し、25g~30g増えていたらOKなのです。

こんなエピソードがあります。


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Aちゃんのママは「母乳で育てたい」と熱心に取り組み、退院直後はにじむ程度だった母乳が噴水のように出るようになりました。

Aちゃんは生理的体重減少が10日目まで続き体重増加は少なめでしたが、母乳がよく出てゴクゴクと飲めているため、ママも「次第に体重が増えるだろう」と特に不安は感じていなかったそうです。

しかし、1ヶ月健診で医師から言われた言葉はびっくりするものだったのです。

「この子は栄養を与えられていない。親としてどうなの?」
「2週間後にもう1回来て。来なければ児童相談所に連絡することもあるから」……と。

「1日あたりの体重増加」で算出すると、Aちゃんの体重は退院から1日28g。

1日25~30gの範囲なのでOKです。

しかし、「生まれた時から1㎏増えていない」という側面から判断をされてしまったようなのです。


自分のせいで赤ちゃんの体重が足りていないんだ、と自信をなくしてしまいますよね。

別のママでも、

「この子は低栄養」
「こんな枯れたおっぱいではかわいそう」
「母乳育児はママのエゴ」

などと言われた経験がある方も。

まるで「ミルクを追加していないママは悪い」とでも思われているかのように……。


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母乳育児で育っている赤ちゃんの中には、体重の増え方がゆっくりの子もいるのです。

体重増加が少ない=母乳が出ていないとは限りません。

吸う力が弱いかもしれないし、うんちがたくさん出て体重の増え方がゆっくりかもしれない。

体重だけを見て「母乳が足りない」とは、一概に言えないのです。

母乳育児中の体重増加の目安


WHOやユニセフのガイドラインによると、母乳だけで育つ赤ちゃんの体重増加として、

・生後6ヶ月までは、1日の体重増加が18~30g。1週間の体重増加は125g以上。
・生後5~6ヶ月で出生体重の2倍、1年で3倍
・生後6ヶ月までは1ヶ月で500g体重増加していれば母乳が足りている

とされています。

また体重だけではなく、手足の動きや表情、またおしっこの回数が1日6回以上あるかなどをみて、最終的に母乳が足りているかを判断します。

もしも健診で「体重の増え方が少ない」と指摘されて自信をなくしそうになっても、上記のような体重増加であれば心配ないこともある、と覚えておくと安心です。


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健診は、自分の育児に自信をもつ日であってほしい!


生まれたその日から、大切に大切に大切に毎日24時間赤ちゃんに向き合ってきたママ。

その日々の節目としての乳児健診でもあるわけです。

1ヶ月健診だとしたら、24時間×30日間。4ヶ月健診だとしたら、24時間×120日間…。

この愛あふれる膨大な時間のうち、乳児健診はほんの3分か5分だけ。

その健診の時間は、ママが自分の育児に自信をもつ日であってほしいなと思います。

もし、「体重が増えていない」と不安になったときは、体重だけではなく、体重の増え方も一緒にみてみてくださいね。


監修

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工藤 あき先生の書籍はこちら

※ この記事は2024年10月29日に再公開された記事です。

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