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公開 2021年02月19日  

今さら産後大反省会!ナメちゃいけない「乳腺炎」と、押さえておきたい2つのこと

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妊娠、出産、産後の育児。
「こんなに大変なんて聞いてないよ……!」が大渋滞。


その日は突然やってきた


6年前の話。

息子を産んで3ヶ月。

不慣れながらなんとか赤ちゃんのいる生活のペースを掴んできたころだった。夜21時。

私の身体にマンガみたいな出来事が起こったのだ。

悪寒が目に見える様に、足の爪先から膝、腰、首とどんどん上ってきて、最後に顔に来た時。

自分の意志とは関係ナシに、上の歯と下の歯が震えてガチガチガチとすごい音を立てた。

「さっむ(寒)!!」

これが私の乳腺炎の始まりのサインだったのである。


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乳腺炎をご存知?


恥ずかしながら私は「乳腺炎」という言葉を、出産するまで知らなかった。

妊娠中はまだ経験したことのない「出産」に対する怖さが強すぎて、出産後のことはそこまで深堀りして情報を集めていなかったような気がする。

出産し、授乳指導を受けている時に「乳腺炎にならないように〇〇しましょうね~」とか、「乳腺炎になったら大変だからね~」という助産師さんとの会話にふと出て来るアイツ、みたいな認識であった。

なんでそんなスープの冷めない距離にいたアイツ(乳腺炎)の情報をひとつも集めずにここまで来てしまったのだろう。

とにかく大変なのは分かっていたのだが、こんなにもツライとは!!


まず、歩くと痛い。

振動が胸に響いて悶絶する。

そして、腕を動かそうとしても痛い。

腕と胴体が繋がっていることを改めて認識する。

極めつけは、なんと何もしなくても激痛。

もう胸が張り裂けそうなのである。

熱い恋をする以外にこんなに胸が張り裂けそうなことってあります?というくらいだ。


私の乳腺炎の症状は、乳房の痛みを筆頭に、発熱(39度台)、悪寒。

翌日、病院に行って判明したのだが、私は乳腺炎の中で分類されるうち、「化膿性乳腺炎」という乳腺炎に罹ってしまっていた。

乳腺炎へのオーソドックスな対処法は「授乳」だそうだ。

とにかく頻回授乳をして母乳の流れを促すようにと指導を受けた。

ところが、息子もだいたいいつも飲んでいる量を飲み終えると、「もう、満腹ですので」という顔をして寝る体勢に入ってしまう。

悲しいかな、胸のガチガチ加減は少しも解消されていない。

とにかく、乳房が異常な熱を持っていることが感じられたので、冷やさねばと思ったけれど、私は家に適当な冷却グッズを常備してなかった。

(※冷やし方にも色々やり方があるようですので、必ず専門家にご相談ください)


夫に助けを、と思ったが、その日夫は滅多に行かない、飲み会の日であった。

こういう日に限って……!のパターンだ。

とりあえず夫に電話し、「乳腺炎で熱がすごいからコンビニでなんか冷やすの買ってきて!」とお願いをしてみた。

すると、「うん?うん!?分かった!すぐ帰るから!」との返答。


―1時間後、夫が帰宅した。

急いで来たのだろう。

弾む息と共に肩を上下させて、「あのさ、ところでさ、にゅーせーえん…って何??」


ほんとですよね。

出産した私がこの程度の知識ですから、夫はどういう漢字を書くのが正しいのかもわからないです、といった感じだった。

急いで帰って来た夫の手には、だいふくアイスが2つ入った袋が握られていた。


んんんん……?


コンビニで冷えピタを探したけどなくて、でもなんか買っていかないとマズイと思って私の好きなだいふくアイスをチョイスしたらしい。

ありがたいけど、今はそれじゃないぞ!

そういうとこだぞ!


一方私は、夜の間中、高熱と激痛がおさまらず、出来る限りの頻回授乳で眠れぬ夜を過ごした。

寝返りの度に激痛なので、壁にもたれて、負けたボクサーみたいな体勢で本当にツラかった。

朝になったら病院に行く。

そしたらこの激痛から逃れられる。

それだけが心の支えだった。

私は里帰り出産だったため、分娩でお世話になった病院は自宅から遥か遠くにあった。

そんな訳で、今回は妊婦検診でお世話になっていた徒歩5分の産婦人科にお世話になることにした。


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不幸中の、幸い


不眠の夜を越え、朝が来た。

先述の産婦人科へ向かう。

歩くだけで激痛だったので、5分の道のりをそろ~りそろ~りと亀の歩みで病院へ向かった。

あまりのゆっくりさに不審げに振り返って見る人もいたが、背に腹はかえられない。


そして、待ちに待った診察。

「これは大変。このパターンは放っておくと切開手術になる場合もあるから、今日来られてよかったよ~」と先生。

続けて看護師さんに「獅子えもんさん、ラッキーだったね」と言われた。

あの……今の私の、どこらへんにラッキー要素があるのでしょうか?

そんな涙目の訴えを感じてか、看護師さんはこう続けた。

「うちの先生、乳腺が専門だから。

乳腺炎って産婦人科、どこでも診られるわけじゃないの」


なんと......!!

それは、知らなかった。

そしてこの事は、できれば出産前に知っておきたかった情報だった。


後に、同じく乳腺炎を経験した友達とこの話をした。

彼女は、妊娠確定→妊婦検診→出産を、一貫して同じ病院でお世話になった。

ところが、いざ乳腺炎になった時に病院に電話したら「申し訳ないけれど、今日は予約がいっぱいで診られない」と断られてしまったそう。

(※慌ててインターネットで調べた個人助産院にお願いし、幸いその日に無事に診てもらうことが出来たそうです)



ともあれ、授乳とスープの冷めない距離にいる「乳腺炎」。

あの時、もしかかりつけの産婦人科が近くになかったら。

かかりつけの先生が乳腺の専門医でなく、診察を断られてしまっていたら。

それを考えると、怖くて今でも身震いをしてしまうほど。

乳腺炎は甘く見てはいけない、と身に沁みて感じた出来事だった。


◆指示を仰げる病院、相談先

◆実際に症状を診てもらえる病院、助産院(里帰り出産の方は特に)


この2点を、出産前にしっかり確保しておくのは大事なこと。

平常時ではない現在の医療状況を鑑みても、備えておいて損はないかな、と思う次第です。

これからご出産の方の、少しでもお役に立てますように……!


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※ この記事は2024年10月24日に再公開された記事です。

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