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公開 2015年05月23日  

とにかく「褒めればいい」と思っていませんか?教育研究者が教える3つの褒め方ポイント

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インクルーシブ教育研究者として、数多くの子どもの指導と、指導員の育成に携わってきた野口あきな先生が、ポジティブに子どもとかかわり、子どもの個性をぐんと伸ばす子育て方法を伝授!

今回は「子どもの可能性を伸ばす褒め方ポイント」を紹介します。


褒めることで伸びるって本当?

私たち大人が、「子どもにはこうして欲しい!」と思っている行動。そのほとんどが私たちにとっては簡単でも、子どもたちにとっては難しいということがあります。そんな時に、「こんなことはできて当然なのに」と思ってしまいがちですが、それを丁寧に褒めていくことで、子どもたちは同じことを繰り返したり、もっと難しいことにも挑戦してみたいと考えたりするようになります。



家事を任されているママは多いと思いますが、例えばそれが「ママだから炊事するのは当然!」と言われてしまうと、嫌になりませんか?ご飯を作っても誰も「おいしい」と言ってくれないと、つらくはありませんか?できて当たり前、やって当たり前と周囲に思われること自体が、本人のやる気を低下させることにつながります。



それは子どもたちも同じ。

「できて当たり前、やって当たり前だから」と誰にも反応をもらえないと、その行動をしたくないと思ってしまいます。褒めるということは、その行動を促進することになり、子どもが自信を持つことで、次のチャレンジにもつながっていきます。

褒める時の3つのポイント!

「褒めることが良いことというのは分かったけど、実際どんな風に褒めると良いの?」



そんな疑問をすっきり解決します!具体的なポイントは3つあります。

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1.すぐに褒める!

お母さんたちもご飯を作って家族が食べている時、「この肉じゃが、とってもおいしい!」と言ってもらえると、また作りたくなりますよね。

それと同じで、子どもたちもその場で「片付けができたね」と褒められると、また片付けをしたくなるのです。

2.具体的に褒める!

「ちゃんとできたね、すごいね」などの曖昧な言葉だけではなく、何がちゃんとできたのか、何がすごいのかを伝えることで、子どもは「どういう行動が褒められたのか」を具体的に知ることができます。「勉強してえらかったね」だけではなく、「苦手な算数のドリルを頑張ってえらかったね」と伝えられると良いですね。

3.その子どもに合った褒め方をする!

子どもによって嬉しい褒められ方は違います。大げさに褒められることが好き、頭をなでたり、ハイタッチをしたりすることが好き、言葉での賞賛が好き、本当に様々です。

まずは「この子にあった褒め方はどれかな?」と、試してみてください。おそらく褒め方によって、褒められた時の表情や、その後の行動が変わってくるでしょう。



お子さんによってはお菓子やゲームなどのご褒美がある方が頑張れる子もいます。その場合には、お勉強ができたら5分ゲームをするなどのご褒美を設定するのも良いでしょう。

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叱りすぎ!褒めすぎ!その判断ってどうすればいい?

何でもかんでも褒めていると、「今のままで十分」と子ども自身が満足してしまい、向上心がなくなるのではないかと心配する方もいらっしゃいます。



それは、大丈夫!

成功体験をしっかり積むことで、子どもは次のチャレンジをするための心の準備を始めていきます。しっかり褒めた後には、次の挑戦を促すための声かけをしていきましょう。



例えば、「お母さんと一緒に片付けをすること」を頑張っているお子さんには、まず「お母さんと一緒に片付けができたね。頑張ったね」と伝えます。

次のステップとして、「今日は一人でやってみる?」などと声かけをし、一人でできた時には今まで以上にオーバーに褒めてみたり、ご褒美を準備したりしてみましょう。

繰り返すうちに、ご褒美がなくても「やれた!」ということの満足感や達成感が自分自身へのご褒美になっていき、ゲームやお菓子といったご褒美がなくても、新しいチャレンジができるようになっていきます。



これは大人も同じですよね。

例えば、「給料を稼ぐために働く」という人が、働いていくうちに仕事そのものが楽しくなり、「働くこと」が目的となって、給料はあくまで付随するもの、という感覚に変化する人も多いのではないでしょうか。

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褒め方一つで子どもたちの成長は変わっていきます。ぜひ3つのポイントを実践し、子どもの可能性を伸ばしていってください!

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