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公開 2021年06月04日  

華麗なる手のひら返し!出産前後で見方が変わった、夫の「ある食習慣」

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目にも止まらぬ夫の食べっぷり。
活躍の場がついに来た!


気になる…!夫の習慣


さかのぼること10年以上前。

結婚前、夫と付き合いだした頃、多くの社会人カップルがそうであるように私たちも仕事終わりによく一緒に食事に行っていた。

私が好きだという料理を、俺も好きだよーと言い、食の趣味も合うな〜!なんて喜んだのも束の間。

食事の回数を重ねるうちに、私はとある事に気付いてしまった。


夫(となるこの男)、召し上がるのがとてもスピーディでいらっしゃる。

要するに、とにかく「早食い」なのである。


提供された料理が、ものの数分でスルスルっと彼の口に吸い込まれていく。

いわゆる大飯喰らいの食べ方ではないのだが、「ま、丸飲みしてます?」と不思議になるくらい、早い。

付き合いたての頃は遠慮していたものの、付き合いが長くなってきたある日、思い切って聞いてみた。


「前から思ってたんだけど……食べるの、超早くない?」

「あーそうなんだよね。会社でもみんなに言われちゃって」


あ、良かった、思っているの私だけじゃなかった。


いや、違う違う。良くない。

早食いは良くないぞ。

さて、どうする?私。

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一緒に「食」を楽しみたい!


数年後、私達は結婚。

これからずっと3食を共にしていくならば!と彼に提案してみる。


「もうちょっと、こう、よく噛んでみるとか?健康にもイイらしいし」

「いや、でも軍隊入ったらさ、どこの国でもそうだよ〜早食いしないとなんだよ〜!」


あ、そうか、軍隊入ったらそうなんだ!

実は彼、某国で名を挙げた腕利きの傭兵なのだ……いやそんなわけあるかい。

夫は腰痛と眼精疲労がお友達、ゴリゴリのデスクワーカー。

全然早食い求められるフィールドにいないはずなんですけど。


そんな私たちなもんで、クリスマスコースディナーに出掛けても19時スタートで20時前にはコーヒーをすすっている。

12月なのに夫はアイスコーヒーを選択。

理由は早く飲み干したいから。


もう、お手上げである。


と言うことは、夫はさぞかしせっかちなのでは?となりそうなもの。

ところがどっこい、せっかちなのはこの私である。

結婚後、鬼軍曹さながらに「ほら行くよ!」、「靴早く履いて!」とまくし立てるのは、いつだって他ならぬ私なのだ。

彼は真逆の、おっとり穏やかタイプ。

「息子くぅん、靴が逆じゃない?それでいいの?そうかそうか」


食事のスピードだけが、異様に早い。

それが我が夫。

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まさかの「早食い」に助けられる日が!


それからも折に触れて、「よく噛みましょうね!」と早食いを注意する私。

そんな時、夫はというと、某有名お菓子屋さんのキャラクターのようにペロッと舌を出し、ピースサインをこめかみに当てて、ゴマかす。

やれやれ。


しかし大きく潮目が変わったのは、長男坊が離乳食を食べるようになった頃だ。

家でご飯作りを担当する者なら誰しも経験する


「今日はご飯作りたくない」

「人の作った物が食べたい」

「後片付けとかマジ勘弁」


この心の叫び達を優しく包んでくれるのが、「外食」である。

でも子連れでの外食は、ご存知のとおり、まったくゆっくり出来ないものでもある。

ところが、である!

何を隠そう、実は私には、この外食の場で夫の早食いに随分助けられた時期があるのだ。


レストランで料理が提供されると、夫はいつも通り、スルスルとご飯を食べ始める。

私は息子に食事用エプロンをつけたり、ウェットティッシュを用意したり、息子分の食事の取り分けをする。

息子に一口、二口、ご飯をあげ始める私。

ちょうどその頃。

「ご馳走さま〜席替わるよ!」

「早っ……じゃよろしく!」


そう。ここからは私のターン。

私は夫が息子に離乳食をあげるのを見ながら、人の作ってくれたご飯を、ゆっくり食べられるのだ。

し、至福〜!!

育児中、数えるほどしかないマイペースな食事がそこにはある。

夫が早食いで良かったと、初めて思った瞬間だった。


息子は食べ終わると動きたがるので、夫は息子を連れて店の周りを散歩してくるという。

とは言うものの、もう体重も10キロを超えている息子、重くない?

「全然!しかも時々、”たかいたか〜い”を挟むと、上腕筋も鍛えられるし良い筋トレだよ!」

……やっぱり傭兵出身なのかな。

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食事は大切。だからこそ…


そろそろ結婚10年目になる私たち夫婦であるが、最近夫の早食いを見ていて、分かってきたことがある。

それは、彼の人生の中で「食事」の優先度や重要度が突出して、低いということ。

おそらく、夫にとっての食事はあくまで消耗したエネルギーを補給するための、いわば「ガソリン」のようなもの。


個人的には、人生において「食」ってとっても大事なものじゃありませんの?と、思う。

だけれども、こればかりは人それぞれの価値観で、たとえ家族であってもどうこうできるものでもない。

食事のスピードにしたってそう。

30ウン年かけて彼の身体に刻まれた「咀嚼のリズム」は、もはや無意識領域に分類されているのだろう。


それに、私自身が彼のその性質に助けられてきた部分が大いにある。

前述の外食時以外でも、料理をする側の立場として、夫には「有り難い!」と手を合わせたくなる場面がいくつもあった。

端的にいえば、夫は何を出しても食べてくれるし、文句も言わない。

産後は特に食事作りが辛かったけれど、出来合いのお弁当でも嫌な顔一つしなかった。

「なんか今日ごはんショボいな……」と我ながら思う日も、「まあどうせ、(夫は)すぐ食べ終わるしな~」と思うと、こちらも気が楽だったことも、また事実。


もちろん健康の為にも、夫にはよく噛んで、将来的には食事を楽しむ心を持ち、長生きしてもらいたいものだとしみじみ思う。

一方で、私からの指摘に「誰にも迷惑かけてないだろ!ご飯くらい好きに食べさせてよ」と反論することもできるのに、そうはしない夫。

これは、不毛な言い争いを避けるための彼の優しさでもあるんだよな〜と捉えることもできる。

毎日繰り返す「食事」の時間がギスギスしていては、それこそ不健康ってものだ。


そんなわけで、懲りずにまた早食いの理由を夫に聞いてみた。


「早くお腹いっぱいになって遊びたい!」

……小学生かな?


まあ、おそらくこれからもずっと一緒にいる家族なので。

私としても引き続き保育士の先生のように「よく噛んで食べようね!健康にイイからね!」と伝えていく次第である。

※ この記事は2024年09月29日に再公開された記事です。

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