手足口病を予防するために知っておきたい正しい手洗いの仕方のタイトル画像
公開 2015年08月28日  

手足口病を予防するために知っておきたい正しい手洗いの仕方

26,561 View

乳幼児に流行する手足口病ですが、今夏も徐々に患者数が増えてきており流行が懸念されています。上手に対処するためにも、どんな病気か、そして予防するためにできることをお伝えします。

出典:https://www.flickr.com/photo.gne?id=8022964483

手足口病とは

手足口病とは、その名の通り手や足、口の皮膚に多数の水疱病変が現れ、また口の中(粘膜)では口内炎ができます。口内炎によって食事摂取に痛みを伴うため食欲がなくなってしまうことが多いです。発熱を伴うのは約3分の1程度で、あまり高熱にはなりません。それらの症状は数日間のうちに直ることがほとんどです。



しかしながら稀に、髄膜炎、脳炎、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、重篤な症状が出ることがあり注意を要します。5歳未満に見られることが多いですが、成人でもかかりますので、乳幼児をお持ちのパパママも要注意です。

手足口病の原因は?

手足口病は、ウイルス感染によって生じます。主にコクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71(EV71)が原因となります。手足口病に罹った患者の接触すること、具体的に言うと咳などを介した飛沫感染や、便を介した糞口感染により、ウイルスが移って症状をきたします。

手足口病の予防は、まず手洗い習慣から!

手足口病の予防は患者から排出されるウイルスが体内に入らないようにすることです。多くの場合、自分自身の手指に付着したウイスルが口に入ることによって感染します。それを防ぐためには手洗いが大切です。



清潔や不潔の概念がない乳幼児は手当たり次第に物をなめます。また他人と濃密に接触しがちです。手足口病だけに限った話ではありませんが、感染性疾患を防ぐためには、子ども自身にこまめに手洗いをさせることはもちろんですが、おむつ替えの時に保護者・保育者がその都度手洗いを適切に行うことが重要になります。



特に乳幼児が保育園や幼稚園などで集団生活をしている場合、より感染の機会が多くなり、病気をもらいやすいです。家庭内でも蔓延させないように、自宅内でも手洗い習慣を徹底しましょう。なお手足口病の皮膚症状が改善しても、1週間~4週間程度は便からウイルスが排出され続けているということも分かっていますので、油断せずに手洗いを励行することが大切です。

正しい「手洗い」の方法、理解できてますか?

「手洗い」くらい分かっています!という方がほとんどだと思いますが、実は感染を防ぐ意味での「ホンモノの手洗い」ができている方はごく少数なのです。もう一度謙虚になって手洗いを見直してみましょう。

チェックポイントは以下の5つ。あなたは守れていますか?



1)流水を使っていますか?

2)石けんを使っていますか?

3)指先、手の甲、親指、指の間も洗っていますか?

4)1回の手洗いにつき20秒から30秒時間をかけていますか?

5)手拭きタオルは他人(家族)と共用でないものですか?

手足口病の治療

残念ながら手足口病に特効薬はなく特別な治療薬はありません。多くの場合は重篤な状態にはならず自然経過で治癒しますので、症状に応じた対処療法のみとなります。



しかし髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症などが起こる場合が稀にあるため保護者の注意が必要です。高熱が続いたり、嘔吐、頭痛があったり、視線が合わない、呼びかけに対する反応が鈍い、ぐったりしているなどの症状が見られたら早急に医療機関で診てもらいましょう。

2015年は流行の兆しがあり注意です。

 毎年夏に流行する手足口病ですが、2015年はやや早い時期から患者が報告されてきており、例年以上の流行が懸念されています。国立感染症研究所(東京)によると、全国に約3000ある定点医療機関の患者報告数を集計した調査で2015年4月13~19日の患者数の全国平均が0.77人となり、前年の同じ週0.12の6倍超となったと報告されています。



都道府県別では、最多の島根(5.22人)に次いで、2位が佐賀(2.74人)、3位が熊本(2.5人)で、このほか、5位沖縄、6位福岡などと九州・沖縄各県が上位に並んでいるため、同地域の方は特に早めに注意しましょう。

Share!