子どもがいる場合、大切なのは防災グッズをそろえることに加え、そのときに冷静に避難行動をとれるかどうかです。
参考になるのが、保育園や幼稚園、学校などの避難訓練や防災教育で近年、防災キーワードとなっている「 お・か・し・も・ち」です。
お…押さない(前の人を押してはいけません)
か…駆けない(周りの人にぶつかってしまうので駆け出してはいけません)
し…しゃべらない(避難指示が聞けなくなるのでしゃべってはいけません)
も…戻らない(忘れ物があっても避難してきた場所に戻ってはいけません)
ち…近づかない(危ない場所に近寄ってはいけません)
自宅で災害に見舞われたときは家族で声を掛け合いながら避難するので「しゃべらない」は当てはまりませんが、他のスキルは必要です。
子どもが楽しく覚える!災害時に体が動く避難遊び
1,313 View災害に遭遇したときに、わが子は適切な避難行動をとることができるでしょうか。
今回は、家の中や自宅周辺でできる「避難遊び」を4つ紹介します。
遊びを通して災害時に子どもがとっさに体を動かすことができるよう、お子さんと一緒に遊んでみてください。
子どもに覚えさせたい合言葉「お・か・し・も・ち」
子どもと一緒に楽しむ 避難遊び4つ
そこで遊びながらこれらのスキルを習得できるよう、家の中や自宅周辺でできる避難遊びを4つ紹介します。
安全なところはどこだ? 鬼ごっこ
この遊びでは、地震や火災、水害などの災害を想定して、家の中で逃げる練習をします。
対象年齢は4歳〜小学校中学年。
1.災害が起こったとき、家の中でどこに避難すればよいかを話し合う
(例:地震なら机の下、火災なら発生場所から遠いところ)
2.鬼役の人が「地震だー!」「〇〇で火事発生!」などと声をかけてから、5秒待つ
3.鬼以外の人は状況に合わせて歩いて安全なところへ逃げる(落ち着いて行動する練習)
4.逃げ遅れた人か間違ったところに逃げた人にタッチして鬼を交代する
適切な場所に逃げることも大切ですが、1で安全な避難場所を考えるプロセスが特に重要です。
自宅以外で被災したときに「地震だからここへ逃げよう!」などと自分で判断をする練習にもなります。
防災知育カードゲーム「ぼうさいダック」
いざというときに一番はじめにとる行動「ファーストムーブ」を素早く実践できることを目的に開発されたカードゲームです。
対象年齢は、幼児から小学校低学年です。
表面は災害を表す絵、裏面はそのときにとるべき行動が動物の絵で描かれています。
例えば地震のときは「ダック」でアヒルのように身を抱えるポーズをとります。
友だちや親族たちで集まった際、大人数で遊ぶのもよいですね。
暗くても慌てない! 懐中電灯遊び
夜間の停電がおきても慌てたり、怖がったりしないよう、暗がりのなかで遊びます。
幼児から小学生まで楽しむことができます。
懐中電灯やヘッドライト、LEDランタンなど、明かりを準備して電気を消せば、自宅が非日常的な空間に。
真っ暗な中で絵本を読んだり、おもちゃで遊んだり、部屋を探検したりして遊びます。
また夕食を食べるなど、普段していることを暗がりのなかで行うと、遊びに変わります。
定期的に行えば、懐中電灯などの置き場所を家族全員が把握でき、停電時に慌てず冷静に行動できます。
一番近くの避難所はどこ? マップを持って避難所散歩
特に、行動範囲の広がる小学生以上と一緒にしておきたい遊びです。
子どもと一緒に地域の避難所まで行ってみましょう。
急な階段や坂道といった子どもが歩きにくい場所や、移動時間などを事前に知ることができます。
避難マップを眺めながら歩けば、探検隊気分を味わうことができます。
避難所近くの公園や広場など、避難時に子どもが遊べる場所もチェックしておきましょう。
そこで遊んでおけば親しみのある場所になり、長く滞在するとなったときにも緊張がほぐれます。
家族が離れた場所で災害に遭遇した場合でも、子ども自身が最寄りの避難所を把握していることが役立ちます。
遊びの中で自ら判断するトレーニングを
防災に関わる遊びを通して、災害に備えることは重要です。
また、一見関係のないように見える普段の遊びも災害対策につながっています。
災害はいつどこで起こるかわからないため、自分一人で判断して動かなければならない可能性があるためです。
自分で考える経験を積むことで、判断力が鍛えられます。
まとめ
家庭でできる避難遊びを4つ紹介しました。
災害はいつ起こるかわからないからこそ、子どもが遊びの中で経験をたくさん積み、自ら冷静に行動できるよう日頃から準備しておきましょう。
<執筆者プロフィル>
相原里紗(あいはらりさ)
保育士・のあそびっこプロジェクト 主宰
早稲田大学国際教養学部卒。
(株)オールアバウトを経て国家試験で保育士に。
親子×のあそび×地域を軸とした「のあそびっこプロジェクト」他、親子向けイベントを多数企画・運営している。
1歳、3歳の男子育児に奮闘中。
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