8月の終わり頃、本来であれば夏休みが終わり、新学期が始まる予定でした。
しかし、新型ウィルスの影響による緊急事態宣言が延長。
これに伴い、分散登校の実施が決まりました。
「分散登校」
1年半ほど前までは聞きなれなかったこの言葉ですが、すでに経験している双子たちにとっては慣れたもの。
「僕たちのチームはいつ行くの?」
と、すぐに理解しました。
双子たちの学校ではクラスを半分に分けて登校。
学校へ行くのは2日に1回です。
住所によって登校日が指定され、2人は同じ日に学校へ行くことになりました。
登校日の分け方は学校によって様々で、出席番号の前半と後半で分けたり、奇数と偶数で分けるなどの話も聞きます。
その場合、きょうだいで登校日が異なってしまう場合も。
正直、2人の登校日が同じじゃなければ私は大混乱だったなーと、姉弟が同じ日に学校へ行けることに感謝でした。
そんな中、いざ学校がはじまると……
学校の準備をしながら
「国語の教科書って”上”だと思う?でも今日新しい教科書配られたから”下”を持っていけばいいのかな?」
と心配を口にする娘の姿がありました。
「先生はなんて言っていた?連絡帳に書いてないの?」
と聞いても、先生からの説明はなかったと言います。
先生方も突然の分散登校で忙しいでしょうし、3年生にもなると細かな説明はないのかもしれません。
「毎日の持ち物については学校からお知らせは来ないから、学校へ行った日に先生の話をよく聞くしかないね」
と伝えて様子を見ることにしました。
一方、同じく新しい教科書を配られた息子の様子をみると
「え?教科書、どっちがいるかわからないから……両方持っていく!」
と悩む様子もなく、両方の教科書をランドセルに入れている姿がありました。
たびたび感じるのですが、双子と言えど全く思考回路が違って、行動も違うのです。
息子のランドセルは他の教科も上下2冊入っているので、パンパンに膨れ上がっていました……。
そんなある日のこと。
双子たちがタブレット端末を持ち帰ってきました。
これは、小学校で1人1台配布されているものです。
タブレットを触っている双子たちの様子を見ていると、色んな教科のアプリが入っていました。
先生との会話もできるというのです。
便利だな~と関心していると、学校の準備をしている娘が
「明日の音楽ってリコーダーいるかな?いや、今は感染防止でリコーダーはできないから、いらないかな?」
と言い出しました。
連絡帳には書いてないのか聞いても、書いていないし、話もなかったと言います。
「だからそれは先生に聞くしかないんだよ……」
と言いかけた時、息子が
「先生に聞けるんじゃない?」
と言いました。
「あ、そっか!」
と、娘は息子と子供部屋に消えていき、自分でタブレットを通して先生に質問をして、解決したようでした。
タブレットを使えるようになったことで、こんな変化が訪れるとは。
その日を境に、必要な持ち物はタブレットでもお知らせしてもらえることになったようで、学校の準備がとてもスムーズになりました。
タブレットを家庭でも使うことに慣れてきたある日のこと。
今度は息子がこんなことを言い出しました。
「明日から、オンラインで朝の会やるんだって」
息子の話によると、登校チームと家庭学習チームをつないで、オンラインで朝の会をするそうなのです。
オンラインで朝の会?やり方わかるの?と私は不安になりましたが、息子は
「大丈夫、大丈夫、今日練習してきたから」
と余裕の表情。
「じゃぁ、場所がいるね。部屋も片付けないと……」と伝えると「大丈夫、後ろ宇宙にできるから!」と得意気でした。
翌朝のこと。
いよいよ初めてのオンライン朝の会当日。
息子はいつになく早起きで、朝からソワソワしていました。
緊張しているのか、部屋をウロウロしたり、やたらとタブレットを開いてみたり……。
すると、先生から「8:30開始」と案内が来ていました。
いざ、タブレットの準備をしてオンライン朝の会が始まると、子どもたちの元気な声が響いてきました。
先生の指示で、画面をONにして出席を確認。
こっそり息子の様子をのぞいてみると、昨日の練習の成果か、みんなしっかり参加できているようでした。
息子もちゃっかり背景を宇宙にしつつ、出席の返事をしていました。
ものの5分でオンライン朝の会は終了したのですが、その日以来、家庭学習の日は楽しそうに朝の会に参加している息子の姿があります。(1日遅れで娘のクラスも始まりました)
分散登校になったり、オンライン授業がはじまったり、変化の多い新学期となりました。
双子たちの学校では今、家庭学習の日はタブレットを使った勉強が中心。
楽しく勉強できていいな~という気持ちと、これで大丈夫なのだろうか?という気持ちと、なかなか複雑です。
子どもたちにとってこの経験は、大きくなったときにどんな影響があるかはわかりません。
でも我が家の2人の様子を見ていると、変化していくことを受け止め、未知のものに適応し、対応していく力は着実についていっているのではないかな。
そんなことを感じています。