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公開 2021年12月03日  

ち、ちょっと待った…!娘が選んだクリスマスプレゼントに戸惑っちゃうワケ

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娘の欲しいもの、それは母が苦手な”アレ”だった。


娘の「これほしい!」に、絶句…!?

去年の、冬。

「娘ちゃんはクリスマス何が欲しいのかな〜?」

探りを入れる日々を過ごしていた。

「むすめちゃんはこれ!これほしいの!!」

お〜、どれどれ?

アニメの合間に流れる、テレビCMに目を向けた。


おおおおん!?

TV画面の中には子どもに大人気、お世話人形がキラキラの光を放ちながら、鎮座しておられたのである。

何を隠そう、私は文字通り、人の形をした「人形」が得意ではない。

他のオモチャに比べて魂の宿り具合がハンパない。


そんな折、ママ友のお宅にお邪魔する機会があったので相談をしてみた。

「ゴニョゴニョ……というわけなんだけど、どう?みんなは平気?」


ママ友Aさん「あー私は大丈夫!うちにもいるよ!娘の2歳のプレゼントだったよ〜」

ママ友Bさん「私は、一緒だなぁ。怖いんだよね〜」


良かった〜。

私は仲間を見つけて、そっと胸を撫で下ろした。

こんな親は自分だけじゃないかと危惧していたのだ。

そういえばBさんの家のお子さんは3姉妹だけど、お世話人形がない。

その代わりに着せ替え人形が沢山あった。

「着せ替え人形はOKなの?」と聞くと

「万が一、夜中に歩いてても見なかったことに出来るサイズ!!」と言って、グッと親指を立てた。

私は彼女のこういうところが好きだ。

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迫るタイムリミット、母の決心

3歳の移り気に期待をしてみたのだけれども、肝心のクリスマスが近くなっても娘の「お世話人形推し」は変わる様子はなく、むしろ一層思いが強くなっている。

「あした、くりすます?」

「サンタさん、お人形ちゃん、くれる?」

圧倒的期待の眼差しッ……!!


その眼差しにやられた母は、ついに腹を括ることにしたのである。

おもちゃ屋でもらってきたパンフレットを広げ、「どれが欲しいの?」と聞いてみた。

「これとー、これ!」

「はじめてのお世話セット」に加えて「ワンちゃんニャンちゃんお世話セット」も欲しいというではないか。

はじめてのお世話が上手くいくとも限らないのに、犬と猫まで世話しちゃうの!?

「サンタさん、1つしかプレゼントくれないかな~。2つは無理かもな~」と布石を打ち、私は1人の時におもちゃ屋さんへ向かった。

いつもはもっぱらネットショッピング派の私だが、人の形をしたものを迎えるにあたって、自分の目で見て買いたいと思ったのである。

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ニガテ意識の”正体”は?

店内に陳列された商品を見て改めて「うーん、人の形だなあ……」と腕組みをする。

そう、人形って「人の形」をしているのである。

娘がすぐに飽きてしまって、裸で放り出されている人形を想像し、肝を冷やす。

あくまで個人的にだけれども、ブロックがそこらへんに転がっているのと、人形が転がっているのだと、ワケが違う。

それに今すぐでないにしろ、娘は成長すれば、いずれこの人形で遊ばなくなる。

でも可燃ごみに捨てるのもどうなのよって、押し入れの奥にスッと追いやられて、それが何年後かにゴロンと出て来て「ギャー!!」となるのもまた不安材料である。

気が付くと私はお世話人形コーナーで20分も立っていた。

そしてスマホを取り出し、検索した。

「人形 処分 どうする」

するとスマホは私の求めていた結果を導き出してくれた。

「ご葬儀屋さんで人形供養をやってくれるところがあります」


心の中で、スタンディングオベーションが出た。

目の前の霧が少しずつ晴れていく感覚。

とどのつまり、私の胸にずっとつかえていたのは、娘の相棒となるであろう“人形“との別れであったらしい。

気を取り直し「はじめてのお世話セット」を小脇に抱え、勇んでレジへと向かった。


「クリスマス、お世話人形にしたよー」

後日、ママ友AさんとBさんにも報告。

すると、すでにお世話人形と暮らしているAさんからこんなアドバイスをもらった。

「こっちのほうが良いかも!と思って髪を切っちゃうと、とんでもないことになるからそこだけは注意してね〜!」


……すでにちょっと考えていて、心の中ではハサミを構えていた私。

あぶない。

こういうとき、仲間ってありがたい。

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娘と人形の生活が始まる

クリスマス当日。

冬の娘はスリーパーを着て、愛おしいもっさり感に包まれている。

そのもっさりの塊がお世話人形を抱きしめ、「やった〜うれしいー!」と喜びをジャンプで表現した。

その日から娘は部屋の中を縦横無尽に、相棒と駆け回っている。

ある日は、抱っこ紐を使って前だっこ。

また別の日は「こっち、いくよー」とラグビーボールのように小脇に抱えて。

そしてまた別の日は「あーいそがしい~」と大胆に髪の毛を鷲掴みして移動。(オイオイ)


小さい子が、更に小さい子を抱えるとこんなに尊いのね、と毎日目を細めて眺めている。

選んでよかった、お世話人形。

そして時折、娘と人形とのおしゃべりでこんな声が聞こえてくる。


「そんなのダメにきまってるでしょ!もう!」

(え?)

「なんで、いうこと、きかないの!」

(ん?)

「はいはい、もうねるじかんでーす。はやく、ねたひとが、かちでーす」


いやいや、それ私がよく子ども達に言っちゃうやつ!!

侮りがたし……お世話人形!


そして去年の冬から早1年。

いそいそとおもちゃ屋に、ワンちゃんニャンちゃんを迎えに行く私がおります。

メリークリスマス!

※ この記事は2024年11月16日に再公開された記事です。

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