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公開 2022年01月07日  

生きた心地がしなかった…はじめての迷子!その時、誰に助けを求めたらいい?

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今までなかったのに、この月齢で!?


プチ反抗期の小1

我が家の子ども達。

息子(7歳)、小学校1年生。

娘(4歳)、幼稚園年少。


これまでの二人のケンカと言えば、だいたい息子が作ってたブロックを娘が壊したとか、息子が使っていたおもちゃを娘が奪ったとか。

明らかに娘が悪いですね……というものが多かったのが、ここ数ヶ月で真逆になりつつある。

娘がご機嫌で歌っている歌を、息子が替え歌でかき消したり、娘が「おもしろいね~」というものを「そんなの全然おもしろくな~い!」と言ってみたり。

俺はもう小学生だから、“物事をナナメに見ることができるんだぜ感“を随所で出してきて、妹とケンカになっている様子。

そんなわけで、すごく生産性のない喧嘩を息子が原因で量産してくれており、それが母の近頃の悩みのタネにもなっている。

事件当日も午前中にその類のケンカをし、息子に「そんなのただのイジワルでしょ!!」の雷を落としたのだった。

が、これが後々の迷子事件の種になろうとは、その時は誰も知る由もなかったのである。

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不機嫌な息子

その日はお昼ご飯を食べたらショッピングモールに行こう、と朝から話していた。

3階建てのコンパクトなショッピングセンターで、各々の階に専門店が入っているのだけれど、子どもたちのお目当てはガチャガチャ。

1階、2階にそれぞれにかなりの数のガチャガチャが陳列されており、子どもには魅力的なのだ。

母は3階の本屋に用事があるから、まず3階に行って用事を済ませてから、下の階のガチャガチャやって帰ろうか、と話していた。

しかし前述のケンカが原因で息子はムスッとした顔でお昼ご飯を食べ、出かけるよー、と言うと乱暴にジャケットを着て玄関に向かった。

ショッピングセンターに向かう車の中で、気分を変えようと息子に聞く。

「息子は何のガチャがあるといいな〜、って思ってるの?」

「……」

「ポケモン?好きなキャラのガチャがあるといいね〜!」

「……」


無視、されてます。

息子は一回スネると、直るまでの時間がまあ~長い。

3時間くらいムスッとしている。

今日もそのモードに入ってしまっているので、こっちがどう懐柔しようにも取り付く島もない。

もう、放っておくしかなかったのだった。

迷子のはじまり

無事、ショッピングセンター3階の本屋に辿り着き、色々見て回る。

息子も好きな本をパラパラとめくり、口元を綻ばせ、機嫌も直ってきたかのように見えた。

すると娘が明らかに足をクロスしてるので、君も本屋マジック(=本屋に行くとトイレに行きたくなるアレ)にかかってしまったのだろうと、娘にトイレ行こうね、と促す。

「息子、妹ちゃんとトイレ行ってくるから、ここにいてね」

「……」

また無視!

この至近距離で絶対聞こえているだろうに、まだまだ不機嫌モードが続行中のご様子。

息子も一緒に連れていきたいのだけれど、そうこうやっている余裕もなさそうな娘。

ええい、背に腹は変えられぬ!!

いよいよ漏れそうな娘とトイレに向かった。



3分後。


はて。

売り場に戻って来たのに、そこにいるはずの息子が見当たらないのである。

え?え?と静かにパニックになりつつ、娘の手を引いて本屋を縦横無尽に探してみたものの、いない。

どこ行った、息子!?

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息子の捜索

慎重で怖がりな息子が一人でエスカレーターに乗るのは考えにくいので、十中八九、この本屋のフロアにいるはず。

しかしワンフロア丸ごと本屋であるがゆえ、結構広い。

そのフロアを何周もしたのだけれど、息子が見つからない。

「迷子になった時は店員さんに言うんだよ!」

いつだったか交わした約束を、息子が覚えていることに賭けてレジカウンター辺りをウロウロしているのだけど、一向に出会えない。


これはいよいよマズイのでは……。

連れ去り、とか。

本当にどこに行ったんだ、息子!

口の中が渇いて、指先の冷えすら感じたその時である。

2階から上ってくるエスカレーターに、息子の姿があった。


(エ、エスカレーター乗ってる!!)

「ちょっ!息子!!!」

娘と駆け寄る。

視界に母を捕らえた息子は、安心した反動で、声を上げてわんわん泣いた。

ベンチに座り、息子も少し落ち着いてきた頃、事の顛末を聞いてみた。


「置いて行かれたと思った。

午前中から妹ちゃんにイジワルして怒られたし、車の中でお母さんの話に返事しなかったりしたから」


「トイレ行ってくるね、って言ったじゃん」

「本読んでたから聞こえなかった……」


どうやら息子は本に熱中しすぎて、本当に私の声が聞こえていなかったようだ。

確かに我が家の男達(夫と息子)はそういう節がある。

私もちゃんと息子の肩を叩いて話すべきだったと、猛省した。

小学生になり、一人でできることはなるべく本人に任せ、あまり過保護にしすぎないように……と心がけていた矢先の出来事だった。

この時期、親子ともこのあたりの塩梅が本当に難しい。

オヨヨヨヨ、と泣きすがる息子と3人で、気を取り直してエスカレーターで下の階へ行く。

「グスッ、グスッ……ガチャはポケモンにする」

そこはしっかり忘れないあたり、小1らしさ全開である。

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助けを求めるべき人は?

帰りの車内で息子に聞く。


「迷子の時は店員さんに助けてって言うの、忘れてたかな?」

「分かってたけど、店員さんどこにいるか分からなかった」


そうか。

確かに本屋は息子の身長よりずっと高い本棚がびっしり並んでいるため、レジカウンターはこっちだなと、大人のように目星をつけるのは難題だっだ。

「じゃあ店員さんが見当たらない時は、『子どもを連れている大人』に助けてください、って言えるようにしよう。

きっと力になってくれるよ!」



息子も小学生になり、行動範囲が広くなった。

これから先も、親がいない所で困った状況に出くわすこともあるだろう。

悲しいかな、世の中には善人ではない人もいて、それを見分けなさい、と言うのは実際問題、とても難しいこと。

今回は運良くすぐに迷子になった息子に出会えたけれど、そうでなかった場合を考えるとやはりゾッとしてしまう。


「『子どもを連れている大人』のキーワードを、忘れないでね」

「分かった!」


ともあれ、今回の件に関しては親である私に大いに反省点があるので、この事件以来、大事なことは息子の前に自分の顔を突き出して話すようにしている。

今回の一件でも十分生きた心地がしなかったけれど、こういった緊急事態に面した時のルールを再確認できたことはせめてもの救いだった。

ぬっと顔を出して話しかけるとまあまあ嫌がられるけれど、「聞こえなかった」となる心配はない。

こういったことを繰り返さないように自分への戒めとしても心に留めておきたい出来事だった。

少しでもどなかたのお役に立てば幸いである。

※ この記事は2024年10月25日に再公開された記事です。

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