今後の見通しが不明確な社会の中で、子どもには「自分で考えて生きていける力」をつけてほしい、そんな風に考える親が増えていると言います。私自身も子どもが生まれたとき、「この子には自分自身で人生を切り開いていってほしい」と強く感じました。
その時考えたのは、そもそも「自分で考えることができる」とはどういうことなんだろう、ということ。結果、私は「自分で考える力」には2つの種類があるのではないかと思うようになりました。
それは、
(1)AをBに変える力
(2)A,B,Cから1つを選ぶ力
の2つです。分かりにくいと思いますので、少し説明させてください。
まず、(1)AをBに変える力とは、決められた状況の中から、自分で考え、新しいものを生み出す力のことです。
子どもが将来自分で働くようになったとき、自分が持っているもの(それは学校で学んだ知識・技術かもしれませんし、これまで築いた人とのつながりや、コミュニケ―ション能力かもしれません)を最大限に使って、新しいものを生み出す機会があると思います。
そんなときに、「どうしたらこのAをBにすることができるだろう」と自分の頭で考える必要があります。これがひとつめの(1)AをBに変える力です。
もうひとつの、(2)A,B,Cから1つを選ぶ力は、これとは少し違います。
将来の進路を選ぶとき、結婚するとき…人生ではさまざまな選択肢の中から1つを選ばなくてはいけないことがあると思います。
そんなとき、他者から言われたことをそのまま行動に移すのではなく、「自分で考えて」、意志を持って決定をしてほしい。この自己決定に必要なのが、(2)A,B,Cから1つを選ぶ力です。
こうした力を「自分で考える力」と呼ぶのかなと、私はそんな風に考えています。そんな私がこれらの力を伸ばすために、日ごろ気をつけていることをお伝えできたらと思います。
子どもの「自分で考える力」を育むために~親ができる4つのこと~
10 Viewみなさんは、お子さんが生まれたときにどのような子に育ってほしいと考えていましたか?私が日ごろから思っているのは、「自分でしっかりと考えて、人生を歩める子になってほしい」ということ。そのために、私が子どもにできることを書いてみたいと思います。
そもそも「自分で考えることができる」とは?
(1)AをBに変える力を磨く~自由な発想を促す遊び~
まずは、(1)AをBに変える力を育むために私が心がけていること。それは、遊ぶときに自由な発想を促すということです。
子どもが生まれたときによくやりがちなのが、高級なおもちゃや知育玩具を買ってあげるということ。たしかに、そういった玩具には多くの人の知恵と愛情が詰まっているので、けっして悪いといいたいわけではありません。
ですが、わたしはあえて創意工夫ができるものを手渡すようにしています。
ティッシュ箱、折り紙、ペットボトル、虫眼鏡…
そんな一見すればどのように遊んだらいいのか分からないものから、自分が楽しめる方法を見つけだす…自分で考える力はそうした遊びの中からも育まれるのだと思っています。
(1)AをBに変える力を磨く~料理を一緒に~
また、小さいころから料理を一緒にやるのも、自分で考える力を学ぶひとつの方法かなと思っています。料理は、そもそも決められたものの中から工夫をして新しいものを作るということ。
「今日はじゃがいもがあるけど、ここからどんなものが作れるかな?」
「このお皿にきれいに盛り付けるには、どうやって切ったらいいかな?」
時間があるときや余裕があるときには、こんな問いかけをしながら、一緒に料理をするのも「考える力」を磨くためにはいいのかなと思っています。
(2)A,B,Cから1つを選ぶ力を磨く~子どもに決定のバトンを渡す~
次に、もうひとつの「考える力」である(2)A,B,Cから1つを選ぶ力を伸ばすためにできること。
それはもう、幼いころから子どもに意思決定のバトンを渡すということかなと思っています。
例えば、外食に行ったときには、
「○○ちゃん、ハンバーグ好きだもんね。これにしたら?」
朝の支度をするときには、
「今日は、この洋服きたらどう?」
時間もない中で、親はこんな風に声をかけてしまいがちです。でも、そうではなくて、
「○○ちゃんは、何が食べたい?」
「今日はなんのお洋服が着たい?」
こんな風に日ごろの小さな問いかけを工夫し、子どもに決定のバトンを渡していきたいな、と思っています。
(2)A,B,Cから1つを選ぶ力を磨く~多様な選択肢を見せる~
また多様な人と子どもが合える機会を作るのも重要だと思っています。なぜなら、人との出会いを通じて、多くの人の自己決定の様子を肌で感じることができるから。
私たちの周りには、多様な仕事につき、それぞれの人生を生きている人たちが多くいます。子どもは人と話すことで、それぞれの人が、人生の様々な場面でどのように考えて決定したのかを聞くことができます。
こうした経験が、将来自分で物事を決めるときに、きっとかけがえのないものになるのでしょう。色々な職業の人、考え方の人に会うこと、そして自分に合う人を見つけ、自分で考えるときの糧にする。
そのためにも、子どもには多くの人と関わる機会をプレゼントできたらな、と思っています。
親も一緒に「考える」子育てを
ここまで書いてきて思うのは、子どもだけでなく、親も子育てにおいて自分で考えることが大切なのだということ。
ただ本に書いてある子育ての方法を真似するだけでなく、私は親として自分たち親子にぴったりの方法をしっかりと考えたいと思うのです。
そして、子どもが大きくなったときに、お母さん、お父さんはこうやって考えていたよ、と伝えたい。そんな姿を見せていくことが、子どもの「考える力を伸ばす」最大の方法なのかもしれません。
時には力も抜くけれど、迷いながらも考えて、自分たちにぴったりの子育てを方法を見つけていけたらいいな、そんな風に思っています。
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