「森のようちえん」は、1日を自然の中で過ごす子どもたちの育ちの場。子どもが持つ感覚や感性を信じ、引き出すことを大切にしています。
1950年代にデンマークで始まった「森のようちえん」。日本では2005年、宮城県で第一回目「森のようちえん全国フォーラム」が開催、2008年には「森のようちえん全国ネットワーク」が立ち上がり、現在では全国で100以上の団体が運営するほどの広がりをみせています。
「森のようちえん」といってもフィールドは森に限らず、海や里山、公園など、地域にある自然。その形も保育園、幼稚園、自主保育など様々です。そして東京といった都会から、北海道、沖縄と全国で活動を広げる「森のようちえん」に対して、自治体も注目をします。2014年には、長野県が「信州型自然保育認定制度」という自然保育に重点を置いた活動団体を認定する制度を始め、そのほか島根県や三重県も取り組みを始めるなど、「森のようちえん」の認知度はますます高まっています。
幼稚園・保育園の新しいカタチ、自然の中で泥んこになって遊ぶ、育ちの場「森のようちえん」とは?
7,759 View砂場や滑り台といった遊具がなく、1日を自然の中で過ごす「森のようちえん」。子どもたちは自然の中で心も身体も解放して、ありのままでいられます。今回は幼稚園・保育園として「森のようちえん」という保育のカタチをご紹介します。
森のようちえんとは?
自然の中で育まれるものとは?
「森のようちえん」には砂場や滑り台といった遊具はなく、自然が遊び道具。時間ごとの決められたプログラムもありません。小雨の降る日にはカッパを、寒い日には厚着をして、子どもたちは自然の中で、心も身体も解放して遊びます。泥遊びや川遊び、花摘み、木のブランコ・・・と遊びは尽きません。
誕生日の友達には、森の中で探してきた草花をろうそくの回りに飾り付けてお祝いをするアイディアも。自然の中で過ごすからこそ、できることですよね。
とはいっても、自然が相手だと自分の思い通りにいかないことも。自然の中には、子どもたちが創造力を膨らまして得られる楽しさがある一方で、寒い日もあったり雨の降る日もあったりと、自分の力ではどうしても変えられないこともあります。
子どもたちは自然に触れ、感じ、考え、そして行動しながら色々なことを身につけます。落ち葉一つをとってもまったく同じものがなく多様だったり、なっていた木の実が次の日には落ちていたりと、毎日が同じ自然環境ではないこと、そしてたくさんの命で溢れていること。自然がフィールドの保育だからこそ、育まれる感性だと思います。
田畑もフィールドの一つ
子どもにとって食は大切なこと。「森のようちえん」では、食事の準備をするだけでなく、田植えや稲刈り、畑で作物を育てるなど、田畑をフィールドの一つにしているところもあります。
畑では種蒔きや水やりをしながら野菜を育て、田んぼでは田植えや稲刈りをしながら、子どもたちは野菜やお米ができる過程を体感します。火をおこしてかまどでご飯を炊くこと、野菜の皮を剥き、煮るといった調理する過程にも関わりながら、自然と「食べること」に興味を持ってくれるといいですよね。
全国の「森のようちえん」は、「森のようちえん全国ネットワーク」からチェックすることができます。幼稚園や保育園だけでなく、月に数回活動する「森のようちえん」もあるなど、その形はさまざま。まずは足を運び、子どもと一緒に自然の中で心も身体も解放してみませんか?
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