小学校1年生の夏休み。
計算ドリルや書きとり、貯金箱の工作など、学校からたくさんの宿題が出されました。
なかでも娘が興味を示したのは、全学年共通の課題、読書感想文のコンクール。
希望者のみの提出となっていましたが、本好きの娘はその宿題を見つけるや否や「書きたい!」と宣言しました。
お友だちに可愛いらしいお手紙を書くだけで精一杯の娘が、読書感想文なんて書けるのかしら。
心配だったものの、子どもの意思を尊重しようとチャレンジさせてみることにしました。
娘が大泣き!「1年生で読書感想文はムリ」と勝手に決めた、私の後悔。
16,733 View小学校1年生の夏休み。たくさんの宿題には工作やドリルなどにくわえて、定番の「読書感想文のコンクール」という課題がありました。私は、希望者だけの宿題だし、1年生の今年は提出しなくてもいいでしょと判断。結果、その私の判断が娘を傷つけてしまうことになったのです。
読書感想文書きたい!と宣言した娘
800文字なんてムリ!ママの判断で応募を断念
早速、図書館で推薦図書を借りてくることにしました。
娘が借りたのは「おおきな木がほしい」という、女の子が庭にツリーハウスを作って、そこでおやつを食べたり、小動物と遊んだりといった空想をするお話です。
キャンプやどんぐり、花など、自然が大好きな娘にとっては”好き”が詰まった絵本。
読み終えるとやる気マンマンで読書感想文にとりかかりました。
学校から配られた書き方マニュアルを参考に、200文字詰原稿用紙に書いていきました。
マニュアルには
1、本をえらんだわけ
2、あらすじ
3、心にのこったところ
4、自分だったらどうするか
の順序で書いていくとあります。
マニュアルに則って書いていったところ……原稿用紙1枚で終わってしまいました。
規定の800文字にはぜんぜん足りません。
アドバイスをして書き足させてみたものの、それでも300文字ちょっとがやっとといった感じ。
800文字には到底たどりつけそうもありませんでした。
娘の現在の実力を鑑みて
「多分、この宿題を提出するのは大きい子ばかりだと思うよ。残念だけど、1年生では800文字も書ける子はなかなかいないんじゃないかな」
と娘を説得し、あきらめさせたのです。
不服そうでしたが、せっかく書いた感想文は担任の先生に読んでもらおうということで納得させました。
お友達は応募してた!その事実に涙…
しかし、夏休み明けの初日。
放課後に隣のクラスのお友だちと遊んでいると、その子が読書感想文コンクールに応募したと言ったのです。
「800文字書けたんだ!?すごいねー」
私は、娘の様子を気にすることもなく、お友達のママと夏休みの宿題の話題で盛り上がりはじめました。
夕方帰宅しお風呂に入っていると、娘が急に泣き出したのです。
「1年生なのにお友だちは読書感想文コンクールに応募したよ!どうして私はダメなの!」
そう言われてはじめて、娘の想いの強さを知った私。
あきらめさせたことを後悔しました。
でも、締め切りは翌日で、そのときすでに午後6時。
800文字書き上げるなんて、どう考えても無理。
そう思って
「また2年生になってから再挑戦しよう。ごめんね」
と娘に言いました。
けれど、娘はお風呂から上がっても、夕飯を食べてる最中も泣き続けていました。
こうなったら!
腹をくくった私は
「じゃあ書けるところまで書いてみよう」
と、娘を学習机の前に座らせました。
締め切りは明日!どうやって書き上げる?
こうなったら質より量!と、マニュアルはそっちのけで思い付いたままに書かせることにしました。
でもやっぱり400文字ほどでストップ。
夜も更けていくなかで、私も必死でした。
「たとえば、あなたのお家にも大きな木が育ったら何がしたい?」
「想像の世界だから、なにしてもいいんだよ」
といった具合に娘の想像力をかきたてるよう、声かけを続けました。
それがヒントとなったようで途中からいっきに筆がすすみだした娘。
そして午後10時頃、なんとか800文字近くまで書き上げたのです!
やったー!と親子でバンザイ。
いつもなら寝ているはずの時間なのに、娘は眠たそうにすることもなく爽快感にあふれた表情をしていました。
「私、800文字書けた!すごい!めっちゃ頑張った!」
と自画自賛。
正直なところ、内容は四方八方にすっとんでいるし、文法もむちゃくちゃでした。
けれど、目標を達成した喜びを感じているような、そんな表情をしていました。
娘の頼もしい言葉に感激
読書感想文は翌日無事提出。
その後、学年の選考にもれてしまい本選にはすすめなかったようです。
娘は少しがっかりしていましたが、すぐに気持ちを切り替えていました。
「私、800文字書いてみたかっただけだから。結果はどっちでもいいの」
数ヶ月が経った最近でも時々
「あのとき私すごかったよね。すごく頑張ったよね」
と読書感想文と格闘した日のことを武勇伝のように語ります。
今回は私の判断で、いったんチャレンジを見送ってしまいました。
でも、やってみたら意外にできたし、娘の自信にもなりました。
親の先入観で子どもの可能性を決めつけてはいけないな、と反省したのでした。
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