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公開 2022年05月08日  

待ちに待った園行事の中止に涙…だったのは大人。子ども達の反応は?

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新型ウイルスが流行した2年間、息子が通う幼稚園ではさまざまな行事が中止になりました。しょうがないとはわかっているものの、その度に落胆する大人達。でも、子ども達の反応は意外なものでした。


卒園目前の3月、急遽決まったバス遠足!


息子の卒園まで2週間を切った3月。

幼稚園で、久しぶりに楽しみな予定が入りました。


入園してからの2年間、新型ウイルスの影響で長期間の休園や行事の縮小など、さまざまな制約がある中での幼稚園生活でした。

「もうすぐ卒園する年長さんに、なんとか素敵な記憶を残してあげたい!」と、先生方が急遽バス遠足を企画してくださったのです。

その話を聞いて一番喜んだのは保護者だったかもしれません。

「始めてバス遠足に行かせてあげられる!」
「卒園の思い出になるね」
「ようやく行事らしいことができるねぇ」

と口々に喜び、先生方も「ようやく企画することができました…!」ととても感慨深げ。

子ども達も先生方も、そして私達保護者もとても楽しみにしていました。


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先生の涙と保護者の落胆


しかし、卒業遠足目前にまん延防止等重点措置の延長が決定。

遠足5日前に「中止」の通達が保護者宛のメールで流れてきました。


前日まで「遠足の日は晴れそうですよ!」「どんなお菓子を持って行くか楽しみだね」と先生方も一緒に話をしていたのに……

遠足中止の連絡に戸惑いつつ、息子のお迎えに向かいました。

マイクを持った園長先生がなんだかいつもより一回り小さく見え、悲しんでいらっしゃるのが手に取るように分かりました。

急遽中止にするよう連絡を受け、先生方も落胆を隠せない様子。

園長先生は「毎回こんな話をするのが悲しくて悔しくて…」と言いながら、保護者の前に立って事情を話してくれました。

「新型ウイルスの広がりを抑えるため」だとはわかっていても、心痛な表情で涙ながらに中止を伝える大好きな担任の先生の姿に、保護者も思わずもらい泣きしてしまうほどでした。


先生方が涙するほど落ち込んでいるので、子ども達はよほど悲しかっただろうと思っていると、意外な光景が広がっていました。


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子ども達の反応はいかに…!?


あんなに遠足を楽しみにしていた子ども達。

怒ったり泣いたり、いろいろな感情が溢れていると思っていたのですが

「遠足行けなくなっちゃったんだって~!でも、幼稚園全体でお別れパーティーをすることになったんだよ!」
「お別れパーティーでしたい事をみんなで決めたの!」
「あと何日でお別れパーティー?」

と、中止になったことをきちんと理解し残念な気持を持ちつつも、その代わりに急遽行う事になった卒園パーティーにもう夢中!


職員室では落胆のあまり涙していた先生方も、教室では子ども達に明るく伝えてくださったようでした。

しかも「代わりに、卒園パーティーをしようね!」と盛り上げてくださったとのこと。

卒園パーティーの内容を聞いてみると

・幼稚園全体を使って全園児と先生方のかくれんぼ対決
・全員に景品が当たる的あて
・キラキラ輝くスーパーボールすくい
・ジュースで乾杯
・「卒園おめでとう!」と言いながらクラッカーを鳴らす
・ピクニックのように園庭にシートを敷いてお弁当とおやつを食べる
・幼稚園の教室で行う宝探し

子ども達が「あれもやりたい!」「これもやりたい!」と口々に言ったアイデアを、先生方は全て叶えてくださることに!


準備期間はたった4日。

子どもが幼稚園に通っている間に、PTAメンバーで別室に集まって先生方と一緒に卒園パーティー準備に取り掛かりました。

もちろん保護者は卒園パーティーに参加できませんが、子ども達の笑顔を想像しながら準備を進めていきました。

「悲しんでいてもしょうがない、できることを最大限に楽しもう!」

と、先生方と保護者が一致団結したのでした。


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子どもは、楽しむプロ!


そして迎えたパーティー当日。

先生方と保護者の準備で、幼稚園はすっかり華やかなパーティー会場に!

その様子を見た子ども達の目は輝いていました。

お迎えに行くと、満面の笑顔でスキップをしながらこちらに走ってきた息子。

「今日のお別れパーティー、最高だったんだよ!!」とものすごい勢いで報告してくれました。

私も「思い出がたくさんつまった幼稚園で思いっきり遊べたのは素敵な思い出だね」と息子に言いながら、胸が熱くなりました。


その後、写真屋さんが撮影してくれた子ども達の写真を見ると、みんなはちきれんばかりの笑顔!

どの写真を見ても、当日の楽しかった様子が手に取るようにわかりました。

今回のことで、先生方・保護者の絆がより深まっただけではありません。

事実を受け入れ、すぐに前を向いて歩み出した子ども達を目の当たりにし、驚くと同時にとても助けられました。


「もし~だったら」「去年は開催できていたのに…」と頭の中だけで想像し、落ち込んでしまっていた大人たち。

目の前のことに常に一生懸命で、キラキラした瞳で走り回る子ども達を見て、見習わなくてはと強く思いました。

確かに、いろいろな制約があった幼稚園生活でした。

しかし、この2年間だからこそ平素はできない素敵な思い出が作れ、切り替える力を身に着けることができました。

幼稚園で培ったことを胸に、さらに力強く成長してほしいと思います。


※ この記事は2024年11月04日に再公開された記事です。

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