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公開 2015年09月05日  

【新生児】産まれてから24時間で赤ちゃんに起きる3つの急激な変化とは?

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ママにとって出産は大きなイベント。でも赤ちゃんにとっては、それと同じくらいのことが生まれてすぐの24時間に起こります。赤ちゃんにとって、もっとも急激な変化が起こる24時間。どんな変化が起こっているのか知ることで、生後すぐの時間をどう過ごしたら良いのか考えてみましょう。


生まれたばかりの赤ちゃんは3つの管を塞いで、血液の流れを変化させる!

赤ちゃんが生まれて、何より大きな変化が、血液の流れです。



胎児の時にも心臓は動いていましたし、血液は心臓を通っています。しかし、酸素や二酸化炭素などの交換は通常肺で行うところ、へその緒・胎盤に依存しています。栄養素は口から入って腸で吸収されますが、これもへその緒・胎盤に依存しています。



老廃物の排泄も、通常は肝臓や腎臓で行うところ、へその緒・胎盤に依存しています。つまり、人間が自分の力で行っている機能を、胎児の時にはすべて母親にゆだねていたのです。それを、産まれた瞬間に、自分の力で行っていかなければならないのです。これは大変な作業です。



こういう大きな変化が起こるにあたって、胎児の時に3つの管(一部、穴)があるんです。動脈管・静脈管・卵円孔と呼ばれるものです。胎児の時には必要だった3つの管を閉じることで、血液の流れを大きく変化させ、様々な機能を自分で行っていけるようになるのです。



どうやって閉じるのか。

それは、産まれたときの産声です。肺に溜まっていた水分を吐き出して、酸素を取り込むことで肺が膨らみ、その瞬間、血液の流れが変わり、圧が変化し、閉じることができるのです。たった一瞬の出来事ですが、少し時間がかかる子もいます。



特に、身体を満たしていた水分を吐き出すという作業には、時間がかかります。生後24時間くらいは、初期嘔吐といって、透明な羊水のような水分を吐くお子さんも少なくありません。

重力に逆らって動いてみる!

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子宮の中は、羊水の海にプカプカ浮いている状態です。自分で手足を動かすことはできますが、水中と陸上では重力のかかり方が違います。



おなかの中では、自由に手を動かしてへその緒をつかんだり、舐めたりできたのに、手を持ち上げることも大変。すぐ近くに子宮という壁があって守られていたのに、それも、ない。いつもと違う環境、大人でも不安ですよね。

その不安の中、違う環境に慣れようと頑張っています。

いつも聞こえていた音が聞こえない!

赤ちゃんが胎内でいつも聞いていたのは、母の心臓の音やしゃべる声、腸の中で空気が動く音。しかも、羊水という水を通しての音。どんな音か、わかりにくいかもしれませんが、プールに潜って聞こえてくる音を想像してみてください。そんな音を毎日24時間絶え間なく聞いていた環境から、全然違う物音が聞こえる環境に変わります。



赤ちゃんの誕生を喜ぶご家族の声、シャッター音。大人にとっては何てことない聞きなれた音ですが、赤ちゃんにとっては初めて感じる音。



だからこそ、産まれてすぐ、特に生後2時間は母の胸の上で、心臓の音が聞こえる環境で、静かに過ごせると安心できると思います。これがskin-to-skin-contactです。

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赤ちゃんにとっては、環境が大きく変わることでの不安だらけの人生のスタート。その時に、寄り添って、一緒に過ごしてくれる母親の存在って、なくてはならないものです。



できるだけ大きな変化を与えずに、頑張っている我が子を励ましながら、過ごせると良いですね。

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