「7、8年前にフリーランス(自営業)を始めて、2年前の10月に会社を立ち上げました。最初は夫と一緒に会社をつくるつもりはなかったのですが、今では良きパートナーになっています」
そう語るのは、『日本最大級!ちょっとグローバル志向なママ&キッズのための情報サイトGlolea![グローリア]』を運営している株式会社タイドハーツ代表の内海裕子さん。
「夫と一緒に立ち上げることになったきっかけは、事業にシステムが必要で、その見積もりに行った時のことでした。夫はシステムエンジニアだったこともあり、一緒に来てもらったんです。提案される内容と金額が折り合わなくて悩んでいたところ、『わかった、ぼくがやる!!』と机を叩いて立ち上がってくれたんです(笑)」
なんて男気溢れる決断なんでしょう!旦那さまの敬介さんは、以下のように続けます。
「フルコミットするつもりはなかったし、僕は別の事業があったんだけれど、気づいたら一緒にやることになっていました(笑)」
このような経緯で一緒に起業されることになったお二人。ご家庭でも、子育てや家事を一緒にされているのでしょうか?
[第4回]プチ親子留学を通してみる、子どもの”生きる力”を育むために大切なこと
265 View様々な家族のあり方をお伝えする連載企画、「家族のなか、みせちゃいます!」今回は、起業家夫婦でもあり、6歳の息子さんを持つ内海裕子さん、井山敬介さん夫婦にお話を伺いました。自宅内での家事育児、プチ親子留学のご自身の体験や、英語力よりも大事なものとは?について伺いました。
夫婦で起業し、仕事でも家庭でも良きパートナーに
家事育児は“半々”で
「家事は”半分半分”ですね。私が海外出張の時はやってもらっていますが、基本的にはご飯は私が、他の家事は半々でやるようにしています。自分が経営者で、夫も一緒に事業をやっていることもあり、お互いの時間が見えやすいというのもあって、半分ずつになっています」
それは結婚当初からできたものなのでしょうか?
「いいえ、最初からではありません。やっぱり子どもって最初は母親とおっぱいが全てじゃないですか。それに、私が夫の実家に住み、二世帯住宅で暮らしていたということもあって。私が働いていない状態で、他の家族はみんな働いていたので、夜ご飯は私が全部作るということをしていましたね」
そのような状態から家事育児の分担が半々になったのは、何かきっかけがあったのでしょうか。旦那さまの敬介さんは答えます。
「妻がいつ海外出張に行ってもいいように、僕も料理も家事もできないといけないなぁと思ったんです。それにやっぱり子どもがいると、出来合いのものではなく、手で作ったものをあげたいと思うようになりました。最近はクックパッドを見ながらレパートリーを増やしています。
それに、自分で料理を作り始めたら、気づきがあって。例えば『いただきますって絶対言おう』とか『おいしいって絶対言おう』とか『スマホ見ながら食べない』とか『麺が伸びる前に食べよう』とか(笑)
今まではできなかったけれど、自分が料理をする立場になって初めて気づいたことが増えました」
夫婦で家事も楽しむ姿勢、素晴らしいですね。育児はどうやって楽しまれているのでしょうか。奥さまは続けます。
「息子が5歳になって、男の子らしい趣味を彼自身が見つけるようになって。ミニ四駆が大好きなんです。モーターとかシャーシ、パーツ・・・って。
私は言われても分からないけれど、夫と二人で楽しくやっているからいいなって思って見守っています。ミニ四駆のジャパンカップにファミリークラスで出ようっていう目標を二人で立ててやっていて、とても楽しそうにしています」
事業の柱は『プチ親子留学』という新しい家族の学び×旅スタイル
親子共に家事も育児も遊びも楽しむ、というお二人の姿勢は、プライベートだけではなく、事業でも活かされているとのこと。そんなお二人の事業では、『プチ親子留学』という、保護者とお子さんが一緒に参加できる留学プログラムを事業の一つの柱にされています。
親子留学とは、親が語学学校や趣味のレッスンなどに通い、子どもは現地の託児所・保育園・幼稚園・小学校・語学学校のいずれかに通学する、というプログラム。一週間から参加できるという手軽さもあり、参加を希望される方が増えているとのこと。
ただ旅行に行くのもいいけれど、暮らすように「旅×学び」を楽しむ「親子留学」という選択肢も増やしていきたい!そんな思いから、世界各国・・・様々なプチ親子留学プログラムの情報提供をされています。実際に昨年、内海さんが親子留学へ参加された際のお話しを伺いました。
息子の成長を感じた親子留学
「去年、夫と子どもと三人で、ハワイに約3週間、フィリピンに約2週間のプチ親子留学に行ってきました。
日中息子現地のプリスクール(幼稚園)へ行き、私は一日何校もの学校を巡ったり現地のママにインタビューなどをして現地の教育・子育てを学びました。母親にとって、親子留学は自分自身スキルアップの時間や、日本ではできない興味の深堀や学びにもなるということもあって、おすすめしています」
息子さんは当時5歳。まだまだ英語も話すことが難しい中、どのように準備しケアされていたのでしょうか。
「やはり行く前の準備は大切で、3ヶ月ほど時間をかけて準備をしました。
たとえば生理的な要望(排泄したい、喉が渇いたなど)や簡単なコミュニケーション(物を借りる時など)は、英語で話せるようになっておけるよう教えておきました。大変ではありましたが、実際にやってみてコミュニケーションが通じると子どもも嬉しいようで、成長も感じられましたね。
また、留学中だけではなく、日本に戻ってからも息子の変化が感じられました。
例えば日本にいる外国人を見ると、『道案内してあげよう!』とか『困っていないかな?声をかけてあげよう』という風になったんですね。国内にいると気づかなかった視点で物事を見れるようになったのは、親子留学に行ってからですね」
隣の人と仲良くなることがもっと広がれば、それが世界平和につながる
1週間程度の短期間であっても、普通の子連れ旅行と比べると、子どもにも大人にも大きな変化と成長が見られる親子留学。その魅力について、奥さまはこう続けます。
「もともと私自身が大学卒業後にアメリカで日本文化の講師として働いており、世界20~30ヶ国の人たちと約6年間暮らしていた経験もあり、『人種、文化的背景、顔つき、言語など関係なく、隣の人と仲良くなることがもっと広がれば、それが世界平和につながる』と感じていました。
だから、先入観も固定概念も差別心もない幼少期から深く濃く色んな国の人と触れ合うことができる親子留学を通じて、現地におけるマイノリティーとして暮らし、学び、遊ぶことを経験します。そうすると、自分のいる世界が多様性をもっているということを当たり前に感じられるようになりますし、そういうことが最終的には小さな平和の種まきになると思っています」
子育ての秘訣は、子どもを子ども扱いしないこと
親子留学も経験し、頼もしい成長を見せてくれた息子さん。内海家では日ごろ、息子さんとどのように接しているのでしょうか。
「子どもって本当に柔軟なので、興味を持った時はすぐにその情報を深めるきっかけを与えるようにしています。
例えば息子がクラゲに興味を持った時に、クラゲ図鑑を図書館から何冊も借りて一緒にワクワクしながら読み聞かせてみたり、インターネットで検索して動画を見せて興味の世界をアカデミックに深めたりします。
また、大河ドラマを通じて歴史ブームが来た時には、戦国時代の武将と合わせて千利休と茶道の世界にハマり、本や動画で興味を深めると共に、実際に息子が主催する小さなお茶会を開いてみたり、興味のある茶碗を美術館に観に行ったり・・・とにかくその世界に一緒に深くもぐってみて、彼の興味を持つトピックスから、家族で新しい興味の世界を広げることを楽しんでいます」
子どものことを子ども扱いしない、という思いは、プチ親子留学での息子さんの成長を見てさらに強まったとのこと。一人の人間として尊重する、ということは大切なことですね。
「我が家の子育てのゴールは、世界どこに行ってもごきげんに過ごせて、ちゃんとご飯を食べていけるようになってほしいということなんです。そのために世界とつながっているという意識を持ってもらって、”共創”の力を培ってほしいですね。それこそが『生きる力』なのだと思っています」
インタビュアーまなしば的まとめ
グローバル、グローバルと言われている昨今、お子さんを英語教室に行かせている家庭も多いのではないでしょうか。
言語としての英語も大切ですが、そもそも”どこの国に行っても生きていける力”を養うことはとても重要なこと。そのために必要であろうコミュニケーション力や多様性を受け入れる度量を育てるため、親も意識してその環境をつくってあげたいところですね。子どもを子ども扱いせず、一人の人間として尊重することは、育てる親のマインドとして必要なものだと感じました。
個人的には、AirbnbなどのWEBサービスを使い、自宅を開放し外国人に宿泊してもらって子どもと触れ合う、というようなグローバル教育もありだと思っています。「生活の中にグローバルを入れていく」という流れは、今後もっと加速していくのではないでしょうか。
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