まいどおおきに!ヨーロッパのベルギーという国で海外育児をしている系オカン、さとえみです。
海外での育児には驚くことがいろいろありますが、「幼い頃の自分が救われたなぁ……」と感じる出来事がありました。
実はオカンは、とても厳しい家庭に育ちました。
ご飯は普通に与えてもらっていましたが 、甘いお菓子はほとんど買ってもらったことがなく、友達が食べているお菓子の話を聞いてはいつも羨ましいと思っていました。
そんなある日、クラスメイトの何人かに「絵の描き方を教えてほしい」と言われました。
私は絵を描くことが大好きで得意だったので、喜んでOKしました。
とある放課後、クラスメイトがおやつを持って私の家に集合。
私は裏が白いチラシや自由帳などを用意して、一生懸命に絵の描き方を教えました。
手や腕の描き方なんかも丁寧に説明したのですが、当時小学校低学年だったことを思うと、本当によくがんばったと思います。
そしてその時、友達が持ってきてくれたお菓子を少しだけもらえることになりました。
友達に絵を教えたことも、お菓子をもらったこともうれしくて、当時の私はホクホク顔。
でもその後、親から大目玉をくらうことになったのです。
家で禁止していたお菓子を、他の子を言いくるめてまで食べようとするいやしくてずるい子ども。
親の目にそう映った私は、大きな雷を落とされました。
「そうまでして食べたいのか」
「大して絵が上手くもないくせに」
「まだ子どものくせに」
「いやしい」
心ない言葉を10分以上もかけ続けられれば、小学生の心を折るのには十分です。
私はそれっきり、お絵かき教室は開きませんでした。
友達に絵を教えて、そのお礼としてお菓子をもらい、親にこっぴどく叱られた……。
あの時になぜ親が私を叱ったのかは、自分も親になった今、ある程度理解できる部分もあります。
でも、 海外での育児を通して思うのは、「親も、もっと違ったアプローチはなかったのか?」ということ。
ただ単に叱責するだけでは、「子どもが目標達成のために工夫しようとする気持ち」をつぶしてしまうと思うのです。
ベルギーの人であればきっと、我が子の行動を別の角度から受け止め、良いことは良い、悪いことは悪いと分けて伝えたのではないか……?
例えば、友達に絵をほめられたことに関しては、子どもの嬉しかった気持ちを認める。
今後同様のお絵描き教室は認めないにしても、終わってしまった出来事にはある程度の理解を示したり、お菓子も少しはOKとする。
お礼としてお菓子を受け取ることがなぜいけないのかを諭したり、家庭でお菓子を買い与えない理由を説明したりと、子どもと「会話」をする。
やり方はいろいろ考えられると思います。
価値観が全然違う場所で生活してみると、よく分かることがあります。
正解は、ひとつではない。
そう思うと、あの時親に叱責されて壊れた心のかけらが、すっと自分に戻ってくる感覚がして心が軽くなります。
ベルギーでの海外子育てには、ビックリするようなことももちろんありますが、このように今までにない気付きを得ることもあります。
そしてその経験を通して、幼い頃の自分を抱きしめてあげるキッカケになったりもするのです。
日本とベルギー、両方の価値観を持ったからこそ、片方の価値観で傷ついた自分をもう片方の自分が癒してあげられるのかもしれません。
何が自分の助けになるか、本当に分からないものですね。
ほなまたね!