そう、もうおわかりですね!
「うなぎ」です。
では、関東では背中から、関西ではお腹からさばく理由は?
実は、「うなぎが開いて調理されるようになったのが江戸時代」ということが関係しているようです。
詳しくは、以下をどうぞ!
関東では背中から、関西では腹から捌かれる魚とは?
土用の丑の日といえば、夏の暑さに負けない精力をつけるためにうなぎを食べるのが日本の習慣になっている。
一説には、この習慣は、江戸時代に知人のうなぎ屋から「どうやったら夏にうなぎが売れるでしょうか」と相談された本草学者の平賀源内が、「今日は丑の日」と書いた張り紙を書いて宣伝しなさいとアドバイスしたことから始まったともいわれている。
この逸話が事実なら、それ以来、日本人は平賀源内のキャッチコピーにすっかり踊らされていることになる。
7月も半ばを過ぎると、街中には香ばしいタレの香りがただよい、丑の日当日にはうなぎ屋の前に行列ができ、スーパーにはうなぎの蒲焼がずらっと並べられる。
全国どこでも同じように思えるが、じつはうなぎの捌き方が関東と関西で異なるということをご存じだろうか。
関東のうなぎは背中から捌かれているのだが、関西のうなぎは腹から捌かれている。
同じうなぎなのに、関東と関西で捌き方が異なるのは、うなぎを開く調理が江戸時代に始まったことに理由がある。
うなぎは江戸時代よりも前から食べられていたが、開かずにぶつ切りにして、串に刺して丸焼きにしていた。
それが江戸時代になってからは開いて調理するようになった。
この際、武家社会だった関東では「切腹」を連想させることから腹開きは避けられ、背開きが一般的になった。
また、背中から捌いたほうが姿形が整ううえ、うなぎの脂肪は背中に多いので落ちにくいという利点もあった。
一方、商人が集まる関西では、自腹を切ってもてなす、腹を割って打ち解けるという意味を込めて腹開きが一般的になった。
背中から捌くより包丁が入れやすいという理由もあったようだ。
開いた後の調理の仕方も関東と関西では違いがある。
関東ではあまり煮詰められていないサラッとしたタレが使われるため、脂がタレをはじいてしまわないように一度蒸して脂を落としてからタレに付けて蒲焼にしている。
一方の関西はとろみのあるタレを使うので、蒸さずにそのまま焼くのが特徴だ。
タレの付け方も、関東ではタレの中にうなぎをくぐらせるが、関西ではひしゃくでタレをすくってうなぎにかけるのが一般的である。
また、関東では頭を切り落とすが、関西では頭をつけたまま焼くのがふつう。
これは、うなぎも魚だから尾頭付きが当たり前だという考え方からだという。
関東風と関西風のうなぎの調理法の分かれ目は、静岡県の浜名湖周辺にある。
浜名湖周辺では関東風が多く、それより西では関西風が多くなるようだ。
これは、1510(永正7)年に大津波が起きて、浜名湖畔にあった宿場が水没して渡船区間となったため、東西の交流が妨げられたからだと考えられている。
出典:『関東と関西 ここまで違う! おもしろ雑学』(三笠書房/2019年刊行)
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