関東では「そば・うどん」、関西では「うどん・そば」と書かれている場合が多いそうです!
それぞれの地域の食文化、そして好みの違いが反映されているんですね。
詳しくは以下をどうぞ。
「うどん・そば」と「そば・うどん」、東西で順番が違うワケ
駅のホームには、移動の合間に手早く食べられる、立ち食いのそばとうどんの店があるところも多い。
忙しく働くビジネスマンにはおなじみのファストフードである。
その看板や暖簾を見てなにか気づくことはないだろうか。
関東では「そば・うどん」とそばが先に記されているのに対し、関西では「うどん・そば」と逆の並びで書かれている場合が多い。
これは、関東ではそば、関西ではうどんのほうが好まれる傾向があるため。
よく売れる人気商品が目立つように先に書かれているのだ。
この好みの違いは食文化の違いに起因している。
そもそも江戸時代前半、麺というと関東、関西ともにうどんが主流だった。
特に関西では、原料である小麦粉が豊富だったため、うどんはよく食べられた。
さらに、北前船の発達によって、出汁に必要な昆布が調達しやすく、薄味の好きな関西人の好みに合う出汁が出来上がり、うどん文化が深まったとされる。
一方、江戸時代前期に山梨県の大和村(現甲州市)、もしくは長野県の塩尻市で誕生したとされる麺状のそばは、それから数十年後に江戸に伝わり、発展していった。
そばが関西ではなく関東で発達したのは、そばの産地が近かったからだけではなく、農業生産性が低い土壌の関東では、悪条件でも育つ安価なそばが好まれたからだ。
さらに、濃口醤油が登場し、江戸っ子が好きな濃い味の醤油で食べられるようになったことが後押しとなり、そばは関東の庶民の定番食として定着した。
このように関東のそば好き、関西のうどん好きは、それぞれの風土から生まれた食文化であり、それが今も受け継がれているのである。
まさか、看板や暖簾にまでも、東西の食文化の違いが映し出されていたとは、驚きである。
出典:『関東と関西 ここまで違う! おもしろ雑学』(三笠書房/2019年刊行)
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