関西人はゴミとしてリサイクルに出してしまうのさえ、もったいないと考える人が多いのだとか!
ゴミに出すくらいなら自ら売って、リサイクルするスタイルが合っているようです。
最近ではゴミの分別は当たり前のマナーで、ペットボトルや新聞紙などのリサイクル率も高まっている。
「環境にやさしい生活をしよう!」という呼びかけの成果が出たのだろう。
では、関東と関西ではどちらの地域がリサイクルに対する意識が高いのだろうか。
環境省の「一般廃棄物処理実態調査」(2015(平成27)年度)によると、人口の多い東京都はゴミの排出量が全国都道府県で少ないほうから数えて33位。
つまりゴミの排出量は多いが、リサイクル率は14位とまずまずだ。
一方、関西では、京都府はゴミの排出量が全国で一番少なく、大阪府も4番目に少ない。
ところが、リサイクル率は京都府39位、大阪府に至っては46位と極端に悪い。
これだけ見れば、関西では関東に比べてリサイクルの意識が低く、使い捨てが多いのではと思うかもしれないが、それは早合点かもしれない。
関西人はゴミとしてリサイクルに出してしまうのさえ、もったいないと考えるらしい。
ゴミに出すくらいなら自ら売ってリサイクルしてしまうのである。
大阪のリサイクル情報誌には、本やお茶わん、湯飲みなど、ありとあらゆる日用品が掲載されている。
関東の人は使い途がないと捨ててしまうような物でさえ、大阪では売り買いされて使い続けられるのだ。
手間暇かけて自らリサイクルするのかというと、ゴミとして出せばなんのお金にもならないが、売れば多少なりともお金が入るからにほかならない。
今ではWEBサイトやスマホアプリを利用すれば、個人間の物の売買や交換も便利になったが、大阪ではネットのない時代から情報誌を使って不用品を売買してきた歴史がある。
不要品を売り買いする文化の下地は、40年以上前にできていたといえる。
日本で初めてフリーマーケットが催されたのはそもそも大阪だ。
1975(昭和50)年から翌年にかけて開催された「アメリカ建国200年祭」キャンペーンの中で、当時アメリカで流行していたフリーマーケットが紹介された。
これをきっかけに、日本でも1979年に初めて大阪市西成区のフロンティアランドで「第1回フリーマーケット」が開かれた。
市民が不要になった物を持ち寄って売り買いするスタイルは、商人の町・大阪の人々の気性に合っていたようだ。
フリーマーケットはたちまち大阪を中心に広まり、その賑わいを見て全国にも広まっていったのである。
つまり、関西のほうがゴミのリサイクル率が悪いという結果は、そもそもゴミと見なされる物が少ないからと考えられなくもない。
出典:『関東と関西 ここまで違う! おもしろ雑学』(三笠書房/2019年刊行)