「子ども関連の書類をなくしてしまう」「ママ友とうまくかかわれない」「片づけるのが苦手」「メッセージを返すのが面倒」。
そんな困りごとはありませんか?
「発達障害ママの子育てハック(綾瀬ゆうこ著/飛鳥新社)」は、発達障がい当事者である著者が女性の発達障害に詳しい産業医とともに試行錯誤して見つけた解決法を85個紹介しています。
その一部をコノビーでご紹介します。
もしかして私って発達障害?こんなことが苦手なんです!
皆さんは発達障害と聞くと、どんな印象をおもちですか?
「目線が合わない」「落ち着きがなく、うろうろしている」など見た目から判断できるものだと思う方もいますが、実は大人の発達障害は隠れていることが多いものです。
とくに女性は社会に適応する能力が高いと言われており、自分でも気づかないケースが多いようです。
私がまさに、そうでした。
昔から「私ってほかの人よりも苦手なことが多いかも?」と思いつつ、働き、子どもを育ててきました。
「忘れっぽい」「おっちょこちょい」「思ったことをすぐに口に出してしまう」。
そんな自己分析はできていたものの、それが発達障害だとは思っていなかったのです。
でも、今挙げた特性がある人は、実は発達障害やグレーゾーンの場合もあります。
まずは、「親の発達障害」がどのようなものかイメージをもっていただくためにも、私の苦手なことを残念なエピソードとともにご紹介します。
子どもは 「忘れ物クイーン」
私の弱点にはまず、「忘れやすい」というのがあります。
そのことが、母親としての役割を果たす上で、対策をしないとまずいレベルと感じるようになりました。
私には2人の子どもがいます。
長女が小学校に入学すると、さまざまなプリントを学校に提出する機会が増えました。
「締め切りの日までになんとしてでも出さなければ!」と思いつつ、目の前のことに追われるとついついあと回しにして忘れてしまいます。
覚えていても「明後日までにやるぞ!」と決めたのに、なかなか行動に移せなかったりもします。
何度もそんなことをくり返していると、学校側は「子どもが忘れっぽい」と誤解してしまいます。
私のせいなのに、子どもが「忘れ物クイーン」になってしまいました。
ママ、 明日の靴下がない
忘れっぽいだけではなく、ためこむクセもあります。
皆さんは洗濯物をどのタイミングで洗いますか?
私は限界までためてしまいます。
その結果、子どもたちの明日着る服すらなくなってしまうなんてことも…。
さらに整理整頓ができないから、すべての靴下が「かたっぽちゃん」になってしまいがちです。
そんなつもりじゃないのに…。 ママ友と微妙な雰囲気に
子どもがいると「○○くんママ」「●●ちゃんママ」とママ友との輪が広がると思います。
子ども以外に共通点が少ない友だちは距離感が難しいものです。
私は思ったことをついつい口に出してしまいます。
他人に話すべきではないプライベートな話をママ友に話してしまい、ドン引きされることがあります。
「言わなきゃよかった」「言いすぎた…」と後悔することもしばしば。
一緒にお出かけをした夜や翌日の「ありがとうメッセージ」を送ることをうっかり忘れて、「無礼な人」と思われてしまうことも…。
親子で超偏食!外食は3パターンのみ
小学生の頃、給食を完食できずに残って食べている生徒を見たことがあるかと思います。
私もそのひとりで、給食を完食できず昼休みも掃除の時間もひとりで嫌いなメニューと格闘していました。
わが家の長女も私も発達障害の特性からか、好き嫌いがとても多いんです。
2人して「火が入った葉物の野菜」や「ぐにゅっとした感触のフルーツ」「少しでも辛みを感じる味つけ」など、苦手なもののオンパレード。
家族で外食するときは、ラーメン、お寿司、ハンバーグの3択のみ!
ママ友グループとお出かけをするときは申し訳ない気持ちでいっぱいです。
後先考えずに&うっかり定期購入した食材で冷蔵庫がパンク
夜中の通販番組を見ると、なぜか買いたくなるなんてことはありませんか?
もちろん、在宅ワークが増えておうち時間を大切にするようになった方もいらっしゃると思います。
私は「よさそう!」と思ったら深く考えずに買ってしまうタイプです。
食材の管理でもよく失敗してしまいます。
「牛乳が毎日届くってすてきかも!」と思い、牛乳の定期購入を契約。
しかし、「玄関の外に牛乳を取りに行くこと」と「牛乳の瓶を洗うこと」が面倒になって、あっという間に冷蔵庫が大量の牛乳でパンパンに。
ほかにも「卵は毎日食べるから大丈夫」と定期購入の注文を出したところ、うっかり必要量の2倍の卵を発注してしまい、毎週6パックの卵が届くように…。
ひどいときは12パックの卵が冷蔵庫に入っていました。
ここまでなら「あるある」だと思うのですが、事務手続きの苦手さによって不要な牛乳や卵が延々と届き続けるところが、私の困りごとです。
電話を一本かけるだけ、書類を1枚書くだけで、牛乳や卵の注文を止められるのに、面倒くささから先延ばしにしてしまうのです。
スケジュールの転記ミスで習い事をドタキャン!先生ごめんなさい!
私は紙の手帳でスケジュールを管理しています。
ところが「確定したスケジュールを手帳に書くとき」に頭の中で誤った日程に書き換わる事故が発生しちゃうんです。
たとえば「11月1日午後5時~」を「11月7日午後3時~」と勘違いして書いてしまいます。
このうっかりミスは仕事だけでなく、子どもの習い事にも影響を与えてしまいます。
「すみません、今日はレッスンのはずなのですがどうされましたか?」と先生から電話がかかってきたときの申し訳なさといったら…。
「もしかして発達障害かも?」 と思ったら
いかがでしょうか。
本書を手に取ってくださった読者の皆さんなら、ここまで読んで、「あるある」と頷いたり、「私も同じだ」と思われたりした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「そこまではひどくない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、発達障害の困りごとには程度の差も大きいですし、人それぞれなので、当てはまらなかった人もどうかもう少し読み進めてみてください(2章では、もっとたくさんの具体例を出して対処法もお伝えします)。
では次に、発達障害のうち、どの特性に当てはまるのかをチェックしてみましょう。
発達障害にはさまざまな種類があるのですが、その中から主要な2つの特性(ADHDとASD)をピックアップしました。
「どんなことが苦手なのか」によって、このどちらの特性に近いのか、ある程度目星をつけることができます(ちなみに私はA DHDの事例の9割に当てはまります!)。
うっかり・ぼんやり・そわそわさん (ADHD) かも?
・子どもの頃、「忘れ物が多い」「落ち着きがない」と先生に注意されることが多かった
・流れ作業やシンプルな作業が苦手
・じっとしていることが苦手で授業参観ではすぐにそわそわしてしまう
・子ども関連の大切な書類の存在をうっかり忘れてしまう
・ママ友につい言いすぎてしまい、「あんなこと言うんじゃなかった…」と後悔する
・「いいかも!」と思うとすぐに買い物をしてしまう
・人の会話に割り込んで主役泥棒になってしまう
・集中できずに、いろいろな家事がやりっぱなしになる
・学校や役所関係の面倒な手続きを先延ばしにしてしまい、期限を守れない
・PTA総会や保護者会で聞いた話が頭に入らない
・母子手帳や健康保険証など重要なものを頻繁になくしてしまう
・気になることはすぐに検索してしまう
これらに当てはまる場合は「ADHD (注意欠如·多動性障害)」に近いかもしれません。
ADHDは落ち着きがなかったり、衝動的に行動してしまったりと、多動性や衝動性、不注意な言動などが特徴です。
ひとつの物事に集中し続けることも、あまり得意ではありません。
また「不注意の傾向が強い人」と「多動・衝動性が強い人」に分類できます。
不注意の傾向が強い人は、忘れ物やミスが多いなどの特徴があります。
多動・衝動性が強い人は思いついたら即行動することが多く、人の会話に割り込んだり、ひとりで話しすぎたりすることもあります。
一方、初めて会う人でも人見知りをせずに話ができるので、友だちを作りやすいと言えるでしょう。
また好きなことには驚くような集中力を発揮します。
好奇心旺盛なので、新しいことにどんどんチャレンジできるアグレッシブさももち合わせている方も多い傾向です。
私は多動・衝動性が強いタイプで、突然旅行に出かけたり、大きな買い物をしたりしがちです。
ついつい自分の話ばかりをしてしまって、独演会状態になっていることも…。
空気を読むのが苦手なこだわりさん(ASD)かも?
・毎日、朝ごはんに必ずこれを食べると決めていて、食べなければ気がすまないものがある
・ママ友とのグループ行動が苦手
・「空気が読めない」と言われることがある
・子どもが落ち込んでいても察してあげることができない
・仕事で「適当に」「多めに」「少しだけ」と言われると頭に「???」が浮かぶ
・社交辞令を真まに受けて、恥ずかしい思いをすることがある
・ルール通りに行動したがる
・洋服のタグや特定の材質、しめつけ感ががまんできない
・ドライヤーや掃除機、人混みの音など、特定の音が耐えられない
これらに当てはまる場合は「ASD(自閉スペクトラム症)」に近いかもしれません。
ASDは自分ならではのこだわりが強く、人とのコミュニケーションがあまり得意でない、場の空気を読めないといった特徴があります。
一方でコツコツとした作業が得意だったり、特定のことについては飛び抜けた知識をもっていたりといった得意なことがあることも!
わが家の長女もこの傾向があります。
学校で勉強したことはあまり覚えていないのに、好きなアニメの台詞は一言一句覚えられるという特技をもっています。
いつか勉強にもその記憶力を発揮してほしいものです。
ママ自身が感じている悩みなど、参考になりますね。
書籍には他にも「家事」「ママ友」「子育て」などの悩みに対し、専門家監修済みの具体的な対策法を示しています。
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