ボーイスカウトは青少年のための教育運動として、公益財団法人「ボーイスカウト日本連盟」が運営しています。
入団年齢に達している男女であれば、基本的に誰でも入団可能です。
ボーイスカウトというと、おそろいの制服を着てキャンプやハイキングなど野外活動を行うイメージを持つ方もいるでしょう。
子どもの習い事候補に挙がることも多いですが、中には「習い事として避けたい」といった意見や、「やばい」という噂も。
そう思われる理由は主に下記の2つです。
理由①:親の負担が大きい?
理由②:特定の思想感が強い?
このように思われるのが事実であるのか、それぞれの理由から詳しく解説していきます。
ボーイスカウトは、親にかかる時間や費用面の負担が大きいイメージもあり、「やばい」といわれる理由につながっています。
なぜこのように思われるのか、理由を詳しく解説します。
ボーイスカウトは、キャンプやイベントなどの活動や遠方に行く際の送迎で、親に手伝いを求められることが多いです。
時間的な負担が大きく、「やばい」と思われてしまう原因につながっていることが考えられます。
ボーイスカウトは年齢によって部門が分かれており、もっとも年齢の低いビーバースカウト(小学1~2年)の活動には親の同伴が必要です。
カブスカウト(小学3~5年)、ボーイスカウト(小6~中3)では、活動内容によって親が手伝います。
基本的に、年齢が上がるほど親の負担時間が減ると考えられるでしょう。
また、活動内容は所属している団によって異なるため、親の時間的な負担もこれに比例して変わります。
一般的には、学校が休みの土日祝日をメインに、月に2~3回ペースで活動することが多いです。
なるべく自宅から近い団を選ぶことで、送迎の負担を減らすことができるでしょう。
ボーイスカウトに参加するには、以下のような費用がかかります。
入団費:5,000~10,000円程度
年間登録費:4,000~7,000円程度
年間育成会費(1家族):2,000~3,000円程度
活動費:2,000円程度
イベント費:15,000~25,000円程度
※費用相場:東京・神奈川・大阪・兵庫・名古屋にある団体でそれぞれかかる費用をもとに算出
上記に加えて、キャンプや遠方地での活動費(実費)や制服代などが必要です。
表の費用はあくまで相場であり、所属する団や活動内容によって費用が異なります。
余裕を持って準備しておくと安心でしょう。
ただし、ボーイスカウトは基本的にボランティアで運営されています。
他の習い事に比べると、必要な費用は低めと考えられるでしょう。
ボーイスカウトには、「信仰奨励章」や「宗教章」と呼ばれるプログラムがあります。
進級するために、教育規程に基づいて自身が信仰する宗教を学ぶものです。
学ぶ宗教は、日本で一般的な神道や仏教、キリスト教などから選べます。
このプログラムは、信仰心を養い高めるために設置されたものです。
しかし、日本では特定の宗教を信仰していない人も多いため、違和感を覚えることもあるかもしれません。
なお、このプログラムは、一般的に上級のボーイスカウトや青年部門のベンチャースカウトが最上級に進級するためのものです。
最上級への進級にこだわらなければ、受ける必要はないでしょう。
【主な活動内容例】
・キャンプ
・ハイキング
・募金活動
・清掃ボランティア
・工作
・演劇
・海外派遣 など
ボーイスカウトの活動というと、キャンプやハイキングなどの野外活動を思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、実際には街頭募金や地域の清掃作業などのボランティア活動や、工作、演劇、合唱などの創造的な活動も行なっています。
ボーイスカウトの活動は、子どもの協調性やリーダーシップ、個性を伸ばすために行うものです。
さまざまな活動に参加することで、子どもの得意分野を見つけるきっかけになるかもしれません。
また、海外派遣行事に参加すると、海外の人々と触れ合う機会を持てます。
早い時期から子どもの目線を海外へ向けるよいきっかけになるでしょう。
ボーイスカウトの活動は、特に以下のような能力や気持ちを養うことにつながるでしょう。
・技能や工夫する力
・自立性
・協調性やリーダーシップなどの社会性
・博愛精神
・他者への感謝の気持ち
・高い自己肯定感
ボーイスカウトでは、「そなえよつねに」をモットーに、五感を研ぎ澄ませながら技能や知識を身につけることを推奨しています。
野外活動では、いつでも手元に必要な道具が揃っているわけではありません。
限られた道具を工夫して使う学びを通して、いざというときに生きるための知恵や工夫を身につけられるでしょう。
また、異年齢の子ども同士で行う班活動では、協調性やリーダーシップを養えます。
集団で1つの目標を持ち、助け合い、他者への感謝の気持ちや思いやりを学べるでしょう。
募金運動や清掃などのボランティアを通して、博愛精神を理解する活動も行います。
このような社会貢献活動の経験は、高校や大学の推薦受験でアピールできる場合も。
なお、ボーイスカウトでは、技能を学ぶと進級できる「進歩制度(バッジジシステム)」があります。
努力すれば「できる」という気持ちを育てられるため、自己肯定感を養うことにもつながるでしょう。
ボーイスカウトの県連盟事務局は全国にあります。
見学や体験を設けている団も多いため、興味のある方は子どもと一緒に行ってみるのがおすすめです。
住んでいる地域に近い団は、公益財団法人 ボーイスカウト日本連盟のホームページから検索できます。
ボーイスカウトには、基本的に学区のような決まりがないため、雰囲気や活動内容が気に入ったところに入団可能です。
ただ、男の子のみ入隊可能な団や、対象年齢の隊が休隊中の団もあるため、事前に確認しましょう。
なお、子どもの年齢や活動内容によって親の参加や協力が必要なケースもあります。
親がどの程度参加するのか、負担がどのくらいなのか気になる場合は、見学や体験の際に聞いてみましょう。
ボーイスカウトは、「時間・費用面の負担が大きい」「特定の思想感が強い」などのイメージから、一部で「やばい」と噂されています。
しかし、子どもの年齢が上がるにつれて、親が一緒に活動参加する機会は減ります。
また、遠方に行くための送迎や実費は必要ですが、他の習い事に比べると費用も低めです。
特定の宗教信仰を強制されることもありません。
ボーイスカウト活動では、子ども自主性や協調性、助け合いの精神など養えます。
子どもの習い事のひとつとして、ボーイスカウトを検討している方は、まずは見学や体験から参加してみましょう。