赤ちゃんは、泣くのが仕事とよくいわれます。
まだ言葉を話せない赤ちゃんは、ギャン泣きすることによってパパママに「こっちを向いて」と訴えているのです。
生まれたばかりの赤ちゃんにとって、ギャン泣きは大切なコミュニケーション手段といえます。
「自分が悪いのかな……」と思ってしまうママパパは多いかもしれませんが、どこの家庭も同じなので、そこまで思い詰める必要はありませんよ。
ここからはギャン泣きする赤ちゃんの特徴について、成長に沿ってご紹介します。
厚生労働省の資料によると、赤ちゃんへの接し方にかかわらず、生まれて1~2ヶ月の時期は「泣きのピーク」とされています。
この時期は、あれこれ対応策を試しても赤ちゃんが泣き止んでくれず、悲観的になってしまう方も多いでしょう。
しかし泣きのピークは、生後3ヶ月ほどで次第に落ち着きます。
ずっと続くものではないと思うだけでも、少し気持ちが楽になりますね。
赤ちゃんは成長に合わせて、たそがれ泣きや夜泣きをするようになります。
たそがれ泣きとは、毎日夕方の決まった時間帯にギャン泣きする現象です。
生後3ヶ月頃から始まり、生後5~6ヶ月頃には収まってくるといわれています。
たそがれ泣きの要因については諸説あるものの、はっきりとしたことはいまだ解明されていません。
また、生後5~6ヶ月頃になると、夜泣きが始まります。
夜泣きとは、夜中に赤ちゃんがわけもわからずギャン泣きすることです。
夜泣きのピークは生後7~8ヶ月頃といわれており、1歳になる頃には落ち着くでしょう。
ただし、赤ちゃんの成長には個人差があるので、たそがれ泣きや夜泣きの時期が上記と違っていても、気にしすぎる必要はありません。
赤ちゃんがギャン泣きを続けていると、パパママはうんざりしてしまうかもしれませんが、たそがれ泣きや夜泣きは赤ちゃんが立派に成長している証なので、悲観的にならず上手に付き合いましょう。
上述したように、赤ちゃんは成長段階ごとにギャン泣きするものです。
とはいえ、赤ちゃんが目の前でギャン泣きしていたら、その理由が気になってしまいますよね。
赤ちゃんがギャン泣きで伝えようとしていることはさまざまですが、ここでは代表的なものをご紹介します。
赤ちゃんがギャン泣きする要因として、まずは空腹が考えられます。
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ一度に母乳やミルクをたくさん飲めません。
そのため、基本的には昼夜を問わず、数時間ごとのこまめな授乳が必要です。
ギャン泣きの理由が空腹の場合、母乳やミルクを飲んでお腹が満たされれば、気持ちよく眠ってくれるでしょう。
赤ちゃんがギャン泣きする要因として、おむつが汚れていて気持ち悪いと感じていることも考えられます。
おむつがうんちやおしっこで汚れていないか、こまめに確認しましょう。
おしっこを知らせるサインがあるおむつなら、便利です。
夜間で照明を暗くしているときなら、おむつの側面から静かに指を入れ、汚れたり濡れたりしていないか確認してください。
もし汚れていたら、清潔なおむつを付け替えてあげましょう。
赤ちゃんがママに抱っこしてほしくて、ギャン泣きしている可能性があります。
抱っこしてもらわないと泣き止まなかったり、眠れなかったりする様子のことを一般的には「抱き癖」といい、多くのママを悩ませる要因です。
抱くことの大切さをわかってはいても、ママが常に抱っこしていないといけない状況は大変ですよね。
しかし抱き癖は、ママに抱っこされると安心することを赤ちゃんが覚えていて、ママのことが大好きな証拠といえます。
抱き癖のある赤ちゃんに対しては、たくさん抱っこして話しかけて、しばらく対応してあげてください。
ママが抱き癖をつらいと感じている場合は、パパが抱っこを代わったり、家事をサポートしたりして、ママを助けてあげましょう。
それでもしんどい場合は、周りの信頼できる人や専門家に相談してみてください。
赤ちゃんがギャン泣きする要因として、暑いもしくは寒いと感じていることも考えられます。
赤ちゃんの顔や唇の色が悪い場合は、室内が寒くなっている可能性があるため、上掛けを1枚重ねて身体を暖めてあげましょう。
反対に、背中が汗ばんでいたり、顔が火照っていたりする場合は、室内が暑すぎる可能性があります。
その場合は暖房の温度設定を下げたり、上掛けを1枚減らしたりしてください。
授乳やおむつ交換などの基本的なお世話をしても、赤ちゃんのギャン泣きが止まらないことがあります。
ここからは、赤ちゃんがギャン泣きしているときに試してほしい対応策をご紹介します。
赤ちゃんがギャン泣きしているときは、おくるみでくるんでみる方法をおすすめします。
おくるみとは、その名の通り赤ちゃんをくるむための布のことです。
おくるみにくるまれて手足が安定した状態は、赤ちゃんがお腹の中にいた環境に近いといわれています。
お腹の中と近い状態にすることで、赤ちゃんが安心してギャン泣きが収まる可能性があります。
おくるみでくるんで泣き止ませる方法は、生後3~4ヶ月頃まで活躍するでしょう。
この時期を過ぎると、寝返りなど動きが活発になって運動量が増えていくので、おくるみは卒業になります。
ギャン泣きする赤ちゃんに対して、「シー」とささやいてみるのも効果的です。
この「シー」という音は、お腹の中にいたときに聞こえる血管の音に似ているといわれています。
不思議なことに、「シー」の音を聞いたら安心して、静かになる子が多いのです。
「シー」という音と同様に、ビニールなどの音を聞かせるのも良いでしょう。
ビニールをクシャクシャするときに出る音は、お腹の中で聞こえる音に近いといいます。
ただし、ビニールを赤ちゃんに手渡してしまうと、頭から被って口をふさいでしまう恐れがあるので注意しましょう。
赤ちゃんのギャン泣きがなかなか収まらず、つらいと感じる場合はいったんその場を離れるのも1つの手です。
その際は、赤ちゃんを安全な場所で寝かせてから離れましょう。
ときには赤ちゃんから離れて、リラックスしたり趣味を楽しんだりする時間はとても大切です。
少ししたら部屋に戻って、赤ちゃんの様子を確認してくださいね。
反対に、赤ちゃんをなんとか静かにさせようとして、決して赤ちゃんを揺さぶったり、口をふさいだりしてはいけません。
赤ちゃんを大きく揺さぶると、脳の血管や神経にダメージを与えるリスクがあると厚生労働省が注意喚起しています。
また泣き声を響かせないようにと口をふさぐのも、危険な行為です。
先述したように、赤ちゃんが泣くのは当然のことです。
ご近所迷惑などを気にして、無理やり泣き止ませようとするのは控えましょう。
「ギャン泣きしている赤ちゃんをずっと放置していいのかな……」と心配になるママも多いです。
あまりにも長時間放置されていると、赤ちゃんは不安や不満を感じ、ますます激しくギャン泣きしたり、反対に泣かなくなったりしてしまいます。
赤ちゃんの時期は、パパママが赤ちゃんにたくさん話しかけたり、抱きしめたり、目を見つめたりするコミュニケーションがとても大切です。
ギャン泣きしている赤ちゃんを放置し続けるのではなく、パパママの無理のない範囲で積極的にスキンシップの時間をもちましょう。
また厚生労働省は、もしも赤ちゃんに発熱や嘔吐などの症状が出ていたり、心配だったりする場合には、医療機関を受診するようすすめています。
日頃から赤ちゃんの様子を観察して、異常がないか確認してください。
今回は、赤ちゃんがギャン泣きする理由や対応策などについてご紹介しました。
赤ちゃんがギャン泣きするのは、成長の過程で当然のことです。
「自分が悪いのではないか」と悲観的にならず、ギャン泣きする赤ちゃんと上手に向き合いましょう。