まだ言葉で話せない赤ちゃんは、泣いてさまざまなことを伝えようとします。
つまり、赤ちゃんが泣くのは当たり前のことなのです。
赤ちゃんは成長段階ごとに、さまざまな理由で泣きます。
ここからは、月齢ごとの特徴についてご紹介します。
生後1~2ヶ月は泣きのピークと呼ばれており、何をしても赤ちゃんが泣き止まないことが多い時期です。
しかし実はその前にも、一般的に「魔の3週目」と呼ばれる時期があります。
魔の3週目とは、生後3週間ほどの赤ちゃんが突然大声で泣くようになったり、寝つきが悪くなったりする現象のことです。
魔の3週目に赤ちゃんが泣き止まなくなる原因は、はっきりと明らかになっていません。
しかし一説では、生まれて少し時間の経った赤ちゃんが成長し、視覚や触覚などが発達したことで、外部からの刺激に敏感になっているのが原因といわれています。
生後3ヶ月頃の時期には、黄昏泣き(たそがれなき)をする赤ちゃんが出てきます。
黄昏泣きとは、赤ちゃんが夕方ごろに決まって泣くようになる現象のことです。
赤ちゃんによっては、泣くタイミングが明け方や夜の場合もあります。
黄昏泣きが起こる原因は、いまだ明らかになっていません。
一般的に生後5~6ヶ月頃になれば、黄昏泣きは収まっていくケースが多いです。
生後6~8ヶ月頃になると、歯ぐずりをする子もいます。
歯ぐずりとは、歯が生え始める時期に赤ちゃんがぐずる現象のことです。
早い子だと生後6ヶ月頃から歯が生え始めますが、生え始めは歯茎の部分がムズムズしたり、かゆくなったりして赤ちゃんは不快に感じます。
このように歯の周りに不快感があることによって、泣き止まなかったり、不機嫌になったりするのです。
また歯ぐずりの時期には、ヨダレの量が増えたり、何でも口に入れようとしたりもします。
歯ぐずりの対処法としては、おもちゃなどを活用して、とにかく赤ちゃんの気を逸らすのがおすすめです。
一般的に、生後7~9ヶ月は夜泣きが多い時期です。
夜泣きとは、赤ちゃんが夜間に理由もなく、泣き止まなくなる現象を指します。
夜泣きの原因は解明されていませんが、以下のような要素が関連していると考えられています。
・まだ生活リズムが整いきっていない
・日中の記憶を処理しきれない
月齢を重ねるにつれて、次第に昼夜の区別がつくようになり、生活リズムができてきます。
しかし、この時期はまだまだリズムが崩れやすいです。
昼夜逆転をしたり、寝つきが悪かったりして、夜中に泣いてしまうことがあります。
また生後7~9ヶ月頃の赤ちゃんは脳の発達が目覚ましく、日中にあったできごとの記憶を睡眠中に処理しようとします。
しかしまだまだ未成熟の脳では処理しきれず、怖い夢を見るなどして目が覚めてしまうのです。
このような原因により、この時期の赤ちゃんは夜泣きをします。
夜泣きは成長とともに落ち着いていくものなので、心配しすぎず上手に向き合いましょう。
赤ちゃんは、泣くことによって何らかの要望や感情をパパママに伝えようとしています。
ここからは、赤ちゃんが泣き止まない原因として考えられることをご紹介します。
赤ちゃんが泣き止まない原因として、お腹がすいていることが考えられます。
月齢が低いほど1回の授乳で飲める量が少ないので、こまめな頻度で母乳やミルクを与える必要があります。
また、お腹がすいたときだけでなく、お腹がいっぱいなときでも泣き止まない可能性があるのです。
生まれたばかりの赤ちゃんは食欲中枢が未発達で、満腹の感覚が鈍いため、たっぷり授乳した後でもママの手から離れたとたんに泣き止まなくなることがあります。
赤ちゃんが泣き止まないのは、おむつを替えてほしいサインかもしれません。
おむつが汚れて不快に感じたり、おしっこが出て目覚めたりしたときに、赤ちゃんはよく泣き止まなくなります。
赤ちゃんはまだ尿を我慢できず反射的に出しているので、こまめにおむつを替えてあげましょう。
赤ちゃんの体温調節機能は未熟であるため、真夏や真冬の気温には適応しにくいです。
暑すぎたり寒すぎたりすると、赤ちゃんは泣き止まなくなります。
赤ちゃんのいる部屋の温度は、こまめに確認して調整しましょう。
部屋が騒がしかったり、明るすぎたりすると、赤ちゃんはなかなか眠りにつけなくて泣き止まなくなる可能性があります。
赤ちゃんを寝かしつけるときは、部屋の照明を暗めにし、まぶしすぎないように調整してください。
またテレビの音量を下げたり、大声での会話を控えたりして、赤ちゃんの眠りを妨げないように配慮しましょう。
何をしても赤ちゃんが泣き止まないと、うんざりしてしまうときもありますよね。
そんなとき、赤ちゃんを放置してもいいのかどうかについて解説します。
赤ちゃんが泣き止まなくてつらいと感じる・イライラしてしまう場合は、赤ちゃんを安全な場所に寝かせてから、一度その場を離れても構いません。
ママも泣きたくなるときはあるのです。
好きな本を読んだり音楽を聴いたり、友人と談笑したりして、気分転換をしましょう。
気持ちをリフレッシュできたら、赤ちゃんの元に戻って様子を確認してあげてくださいね。
短時間赤ちゃんを放置して、気分転換するのは良いことですが、戻ったら赤ちゃんに声をかけたり、抱っこしたりしてしっかりコミュニケーションをとりましょう。
長時間赤ちゃんを放置しすぎると、赤ちゃんは不安が募ってますます泣き止まなくなったり、反対に感情を出さなくなったりする恐れがあります。
パパママが赤ちゃんに声をかけたり、触れ合ったりすることで、赤ちゃんの心身は健やかに発達します。
泣き止まない赤ちゃんに困り果てることもあるかもしれませんが、普段から無理のない範囲で、赤ちゃんとのスキンシップを大切にしてください。
ここからは、赤ちゃんが泣き止みやすいとされるいくつかの方法をご紹介します。
赤ちゃんが泣き止まないときに、ぜひ試してみてください。
赤ちゃんは何かしらの不安を感じて泣き止まなくなることが多いため、抱っこをして話しかけ、赤ちゃんに安心感を与えることが大切です。
パパママの心臓の音を聞くと安心できるとされているので、聞こえる距離まで近づけて抱っこしましょう。
また赤ちゃんによっては、ゆっくりとしたリズムで揺らしたり、お尻のあたりをやさしくなでたりすると喜ぶ子もいます。
その子が泣き止む抱っこの方法を探ってみてください。
赤ちゃんが泣き止まないときは、おくるみで身体全体をやさしく包んでみましょう。
おくるみで包まれると、赤ちゃんは胎内にいるような安心感を得られるといいます。
さまざまなサイズや形、素材のおくるみが販売されているので、赤ちゃんに合ったものを選んでみてください。
赤ちゃんが泣き止まないとき、赤ちゃんの耳元で「シー」という声を聞かせてみるのもおすすめです。
「シー」という声は、赤ちゃんが胎内で聞いていた血管の音に近いとされています。
胎内と似た環境にすることで、赤ちゃんが安心して泣き止む可能性があります。
赤ちゃんが泣き止まないとき、掃除機などの音を聞かせると泣き止むことがあります。
赤ちゃんが気に入る音には個人差があるため、掃除機だけでなく、ポリ袋の音やおもちゃの音、アニメのテーマソングなどさまざまな音を試してみましょう。
上述したように、赤ちゃんは泣くのが当たり前なので、泣き止まないこと自体を心配しすぎる必要はありません。
しかし、赤ちゃんが高熱を出していたり嘔吐をしていたり、何か心配なことがある場合は医療機関を受診しましょう。
また赤ちゃんを泣き止ませる方法や、子育てに関して不安なことがある場合は、身近な友人や行政、助産院などに気軽に相談してください。
育児をしていくためには、何事も1人で抱え込まず、周りに頼るのが大切です。
今回は、赤ちゃんが泣き止まない原因や対処法などについてご紹介しました。
赤ちゃんが泣き止まないときには、原因を探りながら落ち着いて対処することが大切です。
泣き止まない時期はいずれ過ぎると思って、自分を追い込みすぎずに気楽に赤ちゃんと向き合いましょう。