「虫歯予防に何が大切か?」と尋ねると「歯みがき」と答える人が多いようです。もちろん歯みがきは大切。しかし、歯みがきの目的は「虫歯予防のため」ではなくエチケットとしての清潔習慣。「皮膚病にならないように入浴」してる人はいないように、清潔にすると気持ちがいいから入浴するのと同じ考え方だと私は思っています。
マイナス1歳からできる虫歯予防とは?生まれてくる子どものためにできること
1,600 View「虫歯のないきれいな歯になってほしい」一生健康な歯でいてほしいのは世界中の親の願いではないでしょうか。「虫歯予防のためにできること」として、まず思いつくのは歯みがき。実は、歯みがき以外にも虫歯予防のためにできることがあるのです。そして、お子さんが生まれる前や歯がはえる前からはじめられる虫歯予防をご紹介させていただきます。
出典:https://instagram.com/p/5GOGRciAk9/歯みがきは何のため?
まずは「虫歯菌をうつさない」という予防から
赤ちゃんが生まれた時にはお口の中に虫歯菌がいません。パパママなど周りの大人の口の中にいる虫歯菌が赤ちゃんにうつって虫歯が増えるのです。
虫歯菌がうつりやすい時期は1歳半~2歳7か月。「感染の窓」ともいわれるこの時期で、なんと70%の虫歯菌がうつることがわかっています。虫歯菌はキスでもうつるので、赤ちゃんと距離をとって生活しなくてはいけなくなります。でも、かわいい赤ちゃんに愛情表現のキスができないなんてさみしい!たくさんスキンシップしたい!
そのために「虫歯菌うつさない予防」ではなく「パパママのお口の中の虫歯菌を減らす」予防法が大切なのです。それのためには、パパママのお口のケアをすることが大切です。
虫歯があれば治しておくのはもちろんのこと、虫歯がなくても歯科でお口のクリーニングを受けることをおすすめします。歯科医院によって料金は様々ですが、約2000~3000円でお口のクリーニングが受けられるようです。かわいいわが子が一生おいしく食べるための虫歯予防と考えたら、決して高くはないのではないでしょうか。
虫歯菌が増えない生活を
子どものお口に虫歯菌が増えないようにするため、一番大切なのは飲み物や食べ物です。「甘い飲み物は喜んで飲むから」と、1歳未満の時期にイオン飲料やジュースを飲ませているママに多く出会います。特に夏場は脱水症が心配で「何でもいいから飲んでもらいたい」というパパママも多いようです。しかし、甘いもののおいしさを教えてしまうと、なかなか元に戻すのは難しくなるのが現状です。
そして、飴やグミ、キャラメル、ハイチュー等のソフトキャンディも、お口の中にとどまる時間が長いので要注意。「3歳まで、少なくとも1歳半までは、飲み物やお茶と水だけ。そして甘いおやつを教えない」くらいの覚悟でおやつや飲み物を選んで与えることが、将来的な虫歯予防にとても大切なようです。
そして「だらだら食べをしないようにする」ことも虫歯予防には重要。お水かお茶以外何も口にいれていない状態が2時間以上あれば、唾液がお口をきれいにしてくれますよ。
お口に歯ブラシが入ることを嫌がらない子にするために
歯ブラシがお口に入ることにびっくりしていやがる子もいるようです。覗き込むママのお顔が真剣だと、ますます怖がってしまうことも…。
お口に歯ブラシが入るのを嫌がらないように、歯がはえる前から「お口の中のマッサージ」を続けることがおすすめ。大人の手がきれいな時に、お顔のマッサージの延長でお口の中もマッサージ…。歯茎、下顎、舌の近くと、ママが楽しそうにマッサージを続けていると、お口に何かが入ることへの不安が減り、歯みがきに抵抗感がなくなります。
また、歯みがきされるお子さんの気持ちを知るために「パパとママの歯みがきし合いっこ」もおすすめ。上から覗き込まれる気持ちや、ほほを引っ張られる不快感、歯ブラシの力加減。歯みがきされる気持ちを体験することで、より怖くなくて痛くない、楽しい歯みがきを模索することができますよ。
まとめ
歯がはえる前から虫歯予防にできることがあり、虫歯予防は歯磨きだけではありません。
①虫歯菌を移さないように、家族のお口の中をクリーニング!
②虫歯菌が増えない環境づくりのために、赤ちゃんのうちから甘いものを教えない!
③歯ブラシをお口に入れることを嫌がらないように、赤ちゃんのうちからお口の中もマッサージ!
④パパとママもマッサージされる気持ちを知るために、マッサージを受ける体験を!
きれいで虫歯のないお子さんになるように、楽しく生活に取り入れてくださいね。
※「マイナス1歳の虫歯予防」情報は、「特定非営利活動法人歯ぐくみ」代表今村由紀先生から、ご指導・監修いただきました。
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