命名式とは、赤ちゃんの名前を親族や親戚に発表する儀式のことです。生後7日目に行う「お七夜」の中で行われることが多く、赤ちゃんの名前を書いた命名書を披露します。
名前を発表した後は皆で食事をしたり、記念撮影をしたりすることが多いです。
赤ちゃんの命名式は、一般的にお七夜のメインイベントとして行われます。
しかし、いつまでにという厳格な期限はなく、赤ちゃんやママの体調を見ながら、ご家庭に合ったそれぞれのタイミングで行っても問題ありません。
ただし国内で出産した場合、出生届の提出は生後14日以内と定められています。
そのため、生後14日以内に名前を決めて、提出する必要がある点には注意しましょう。
なお、お七夜については以下の記事でも詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。
赤ちゃんの命名式に先がけて、いくつかの準備が必要です。
ここからは、当日までに準備すべき事柄をご紹介します。
命名式に先がけて、参加する親族や親戚、友人などに日程を連絡しておきましょう。
古くからのしきたりでは、父方の祖父が中心となり、親族を招待する形式が一般的でした。
しかし現在では、そのような伝統にこだわる家庭は減っています。
命名式の時期はまだ出産から時間が経っていないので、ママや赤ちゃんの体力は回復しきっていないでしょう。
ママや赤ちゃんへの負担を考慮して、パパママのみで命名式を行うケースもあります。
両家のご両親とも相談しながら、無理のない範囲で参加者を決めていきましょう。
命名式をするために、命名書や三方(さんぼう)を用意しましょう。
命名書とは、赤ちゃんの名前と生年月日、パパママの名前などが書かれた用紙のことです。
用紙には、奉書紙(和紙)や半紙、専用の命名紙などが使われます。
古くからのしきたりでは、命名書を書く人は赤ちゃんの名付け親や、親族の中で字が上手な人とされていましたが、現在では誰が書いても問題ありません。
また、命名書を飾るときに使用する三方も必要です。
三方とは、神棚にお供え物をする際に使用する台を指します。
完成した命名書は、三方に乗せて神棚に飾るのが通例です。
しかし神棚がない場合は、リビングなど家族の目に留まりやすい場所に置きます。
現在では、部屋に飾ることを想定して、三方の代わりにインテリアになじむおしゃれなアイテムを選ぶ方も多いです。
命名書の種類も豊富に展開されているため、好みのデザインをオーダーするのも楽しいでしょう。
命名式が行われるお七夜では、食事会を開くご家族が多いです。
古くからのしきたりでは、祝い膳として尾頭付きの鯛やブリ、お赤飯や蛤のお吸い物など縁起物を取り入れた料理を振る舞います。
自分で作るのが大変な場合は、ケータリングやデリバリーサービスを活用しましょう。
お七夜では、赤ちゃんの手形・足形をとるご家族も多いです。
生まれたばかりの小さな手足を形に残しておけば、数年後に見返したときに大きな成長を感じられます。
手形・足形をとるためのグッズには、インクや粘土があります。
インクは好みの色でポップな手形・足形をとれる点が魅力です。
一方で、粘土は赤ちゃんの手足をあまり汚さず、何度でもやり直せるメリットがあります。
また、赤ちゃんの手足の写真を送るだけで手形・足形を作ってくれるサービスを利用するのもおすすめです。
命名式が行われるお七夜全体の流れは、主に以下の通りです。
1.参加者に向けて挨拶をする
2.命名式を行う
3.お祝いの料理を食べる
4.記念撮影を行う
5.赤ちゃんの手形・足形をとる
6.締めの挨拶をする
以下では、命名式の流れに重点を置いてご紹介します。
命名式は伝統的な儀式ですが、やり方に厳格な決まりはありません。
一般的には、あらかじめ名前を書いた命名書を用意しておき、集まってくれた親族などに命名書を見せながら、赤ちゃんの名前を発表します。
赤ちゃんの名前を発表したら、その後は名前の由来を説明したり、名付け親を紹介したりします。
和やかな雰囲気の中で会食をし、赤ちゃんの健やかな成長をみんなで願うひとときです。
最後に、命名書を神棚に奉納しましょう。
その際、神棚にはお神酒(おみき)などを一緒にあげるのが一般的です。
神棚がない場合は、参加者の見える場所に命名書を飾ります。
命名書の書き方には、奉書紙に書く正式な方法と、色紙や半紙、専用の命名紙などに書く略式があります。
ここからは、それぞれの方法についてご紹介します。
正式な命名書は、厚手の和紙の一種である奉書紙に以下の手順で書きます。
1.奉書紙のつるつるした面が下になるように置き、横に二つ折り、さらに縦に三つ折りする
2.赤ちゃんの名前を真ん中に書く
3.右上に親の名前(名付け親の名前)と続柄、左下に赤ちゃんの生年月日を書く
4.左の面に名付けた日とパパママの名前を、右の面には「命名」の文字を書く
5.向かって右側が上に来るよう、折りたたむ
6.上袋はザラザラした面を上に向け、真ん中に命名書を置く
7.左、右の順番で命名書を包み込み、上、下の順に上袋を折りたたむ
8.正面に「命名」と書いて完成
略式で命名書を作る場合は、半紙や色紙に書くのが一般的です。
略式に決まった雛形はなく、書き方やデザインを自分好みにカスタマイズできます。
1.色紙や半紙の中央に「命名」と書いて、その下に赤ちゃんの名前を書く
2.右側にパパママの名前と続柄を書く
3.左側に赤ちゃんの生年月日を書く
基本的に赤ちゃんの名前と「命名」の文字があれば、そのほかは自由です。
横書きにしたり、赤ちゃんの写真を入れたりなど、さまざまなパターンがあります。
手書きに自信がない方や、自分で書く手間を省きたい方は、パソコンで命名書をデザインするのがおすすめです。
最近ではテンプレートを無料でダウンロードできるサイトも増えており、赤ちゃんの名前や生年月日を入力するだけで、簡単に命名書が作れます。
命名書をしまう時期については諸説あり、明確には決まっていません。
生後1ヶ月頃まで・お食い初めまで・1歳までなど、ご家庭によってさまざまです。
しまう場合は、へその緒と一緒に保管すると良いでしょう。
赤ちゃんの命名式は、必ずしなければならないものではありません。
生後1週間ほどしか経っていないこの時期は、赤ちゃんもママも体調が安定しておらず、無理に命名式やお七夜をしようとすると身体を壊してしまう可能性もあります。
何よりも大切なのは、赤ちゃんやママの体調です。
最近では命名式の時期をずらしたり、パパママのみで簡単に済ませたりするご家庭も増えています。
体調を見ながら、柔軟に対応しましょう。
今回は、命名式の準備や当日の流れ、命名書の書き方などについてご紹介しました。
赤ちゃんの名前は、パパママが赤ちゃんに贈る最初のプレゼントです。
生まれてきてくれたことへの感謝の気持ちを込めて、赤ちゃんの名前を発表しましょう。