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公開 2023年07月25日  

異次元の少子化対策とは?いつから?具体的な方針「こども未来戦略方針」の内容をご紹介

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2023年6月に政府が打ち出した、異次元の少子化対策。ニュースなどで名前を聞いたことはあっても、具体的な内容についてよくわからないという方は多いのではないでしょうか。今回の記事では、異次元の少子化対策の開始時期や、具体的な方針である「こども未来戦略方針」の内容についてご紹介します。異次元の少子化対策について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。


異次元の少子化対策(こども未来戦略方針)とは

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異次元の少子化対策とは、深刻化する少子化に対応するために、政府が打ち出した対策のことです。

異次元の少子化対策の具体的な方針として、内閣府は2023年6月13日に「こども未来戦略方針」を発表しました。

こども未来戦略方針では、以下のような3つの基本理念が掲げられています。

1.若い世代の所得を増やす
2.社会全体の構造・意識を変える
3.全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する

上記の理念を基盤とし、少子化対策を根本的な部分から強化するため、2024年度からの3年間で、年間3兆円台半ばの予算を確保して集中的に取り組むとされています。

参考:自民党「子育てにやさしい住まいの拡充へ「こども未来戦略方針」」

なぜ、異次元の少子化対策(こども未来戦略方針)が発表されたのか


異次元の少子化対策が発表された背景には、深刻に加速する少子化があります。

2016年に出生数が初めて100万人を割り込み、2022年には80万人を割り込みました。

このままのスピードで少子化が進めば、2060年近くには50万人を割り込んでしまう見込みです。

少子化に伴う人口減少に歯止めをかけなければ、日本の経済システムを維持するのは困難となり、「世界第3位の経済大国」という立ち位置にも影響を及ぼします。

少子化による経済衰退への危機感により、今回の少子化対策は打ち出されたのです。

異次元の少子化対策(こども未来戦略方針)はいつから?

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異次元の少子化対策の具体的な内容が動き出す時期は、政策の種類によって異なります。

政府は、若年人口が急激に減少する2030年に入るまでが、少子化の状況を反転できるかどうかの大事な分岐点であり、「ラストチャンス」としています。

そのため、2030年までには、多くの政策が動き出すと予想されるでしょう。

さらに、重要であると判断した内容については「こども・子育て支援加速化プラン」(以下「加速化プラン」という。)とし、2026年までの集中取組期間において、できる限り前倒しして実施すると説明しています。

異次元の少子化対策(こども未来戦略方針)の主な政策


異次元の少子化対策の中には、さまざまな政策が含まれています。

ここからは、2026年までの「加速化プラン」を中心に、異次元の少子化対策の主な政策についてご紹介します。

児童手当の拡充


児童手当については、2024年度中に拡充が行われる予定です。

これまでは児童手当の条件として所得制限がありましたが、今後は所得制限が撤廃されます。

また、中学生までだった対象期間が、高校生卒業まで延長されます。

そのほか、第3子以降への支給が一律3万円まで引き上げられるのも特徴です。

出産等の経済的負担の軽減

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支援が行き届いていない、妊娠・出産時期から2歳までの、経済的負担の軽減を目指します。

令和4年度第二次補正予算で創設された「出産・子育て応援交付金」(10 万円)の制度化や、正常分娩による出産費用の保険適用について検討を進めていく予定です。

医療費等の負担軽減


子どもの医療費に関する負担の軽減も、異次元の少子化対策のポイントです。

地方自治体で実施されているこども医療費助成について、国民健康保険の国庫負担減額調整措置を廃止します。

また専門家の意見を踏まえながら、子どもにとってより良い医療のあり方について、国と地方で協議していきます。

高等教育費の負担軽減


高等教育費の負担を軽減するため、貸与型奨学金の、減額返還制度の利用可能年収に関する上限を引き上げ、授業料等減免および給付型奨学金の対象を拡大します。

また2024年度から修士段階の学生を対象とし、授業料後払い制度の導入にも取り組む予定です。

子育て世帯に対する住宅支援の強化


子育てしやすい環境づくりのため、子育て世帯に対する住宅支援を強化します。

具体的には、子育て環境に適した公営住宅などを対象に、立地や間取りなどの面で子育て世帯が優先的に入居しやすい仕組みをつくり、今後10年間で約20万戸を確保する予定です。

また空き家の活用を促進し、既存の民間住宅を改修するなどして、子育て世帯向けに今後10年間で約10万戸を確保します。

すべての子育て世帯を対象とした保育の拡充


子育て家庭の育児負担を減らし、育児における孤立を防ぐために、すべての子育て世帯を対象とした保育の拡充に取り組みます。

親が働いているか否かによらず、誰でも保育所を利用できるようにする「こども誰でも通園制度(仮称)」を創設する予定です。

男性育休の取得促進

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男性(パパ)の育休取得を促進するため、制度面では2025年3月末に失効する「次世代育成支援対策推進法」を改正し、数値目標や具体的なPDCAサイクル(※1)の確立を位置づけます。

また経済面で育休中の男性をサポートするために、給付率を今の67%(手取りで8割相当)から80%程度(手取りで 10 割相当)まで引き上げます。

(※1)Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字をとったもので、業務改善におけるフレームワークのこと。

子育てと仕事の両立支援


パパママが育児と家事を分担し、希望に応じて仕事のキャリア形成も実現できるよう、子育てと仕事の両立支援に取り組みます。

現在、子どもが3歳になるまでは短時間勤務を促進するよう事業主に義務付けられていますが、今後は新たにテレワークという選択肢も取得しやすいよう、環境づくりを行う予定です。

そのほか、子どもが2歳未満のときにパパママが短時間勤務を選択した場合、もともとの手取りと変わらない水準で育児と家事を分担できるよう「育児時短就業給付(仮称)」を創設します。

この政策は、2025年度からの実施を目指しています。

また、雇用保険が適用されない週所定労働時間20時間未満の労働者についても、失業給付や育児休業給付などが受給できるよう、雇用保険の適用拡大に向けた検討を進めています。

自営業やフリーランスなどの経済的支援も強化し、保険料免除措置などを創設する予定です。

子育て世帯の多様な支援ニーズへの対応


障害のある子どもや医療的ケア児(※2)、異なる文化的背景をもつ子どもなど、多様な支援ニーズをもつ子どもの健やかな成長を支える取り組みも進めます。

誰一人として取り残さない社会を実現するためには、それぞれの地域で、包括的な支援を提供する体制の整備が必要です。

また、ひとり親家庭への支援の強化にも取り組みます。

ひとり親を雇い入れ、賃上げや人材育成に向けた取り組みを行う企業に対しては、積極的な支援を強化。

さらに、介護福祉士や看護師などの資格取得を目指すひとり親家庭のパパママに対しては、給付金制度の拡大を目指します。

(※2)NICU(新生児特定集中治療室)などに長期入院したあと、引き続き人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のこと。

学び直しへの直接支援


パパママが自身のキャリアアップのために、主体的に学び直しができる環境を整えます。

これまで企業が中心に行っていた学び直しの支援策を、個人が主体的に選べるような仕組みに変更するための支援です。

また、新たな融資制度や給付を創設し、学び直し期間中の生活費などにかかる負担の軽減を目指します。

年収の壁(106万円/130万円)への対応


いわゆる「年収の壁(106万円/130万円)」を意識せずに働けるよう、短時間労働者への被用者保険の適用を拡大、最低賃金の引き上げを進めます。

また、106万の壁を超えても手取り収入が逆転しないように、労働時間の延長や賃上げに努める会社に対しては、必要な費用を補助するなどの支援を強化する予定です。

まとめ


今回は、異次元の少子化対策の開始時期や、具体的な方針である「こども未来戦略方針」の内容についてご紹介しました。

少子化・人口減少に伴う経済衰退を防ぐため、2030年をラストチャンスとした異次元の少子化対策が実施される予定です。

少しでも子育ての負担を軽減できるよう、対象となる政策を知り、上手に活用していきましょう。

※ この記事は2024年11月24日に再公開された記事です。

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