赤ちゃんが飲む「湯冷まし」とは?基本の作り方や注意点を徹底解説【パパママ向け】
9,088 View湯冷ましとは、赤ちゃんが飲むミルクつくるときなどに必要なものです。育児に必要とはいえ、作り方やどの時期に飲むものか、疑問をもつ人もいるでしょう。この記事では、湯冷ましとはどういったものかはもちろん、作り方や知っておきたい注意点をご紹介します。よくある質問についてもお答えしているので、子育て中のパパママはぜひご参考にしてください。
湯冷ましとは?
湯冷ましとは、水を一度沸騰させてから、人肌程度の温度まで冷ましたものです。
赤ちゃんの育児をする際に水分補給として用いたり、ミルクを作ったりするときなど、さまざまな場面で活用できます。
一度沸騰させるのは、赤ちゃんにとって有害な水道水特有のカルキ臭や、微量に含まれる有害物質のトリハロメタンなどを減少させるためです。
【湯冷ましの用途】
・赤ちゃんの水分補給用
・赤ちゃんのミルクを作る用
赤ちゃんの水分補給におすすめ!「ストロートレーニング」についてはこちら
参考:レファレンス協同データベース「家庭で、浄水器を使わずに、水道水のカルキ臭を消す方法を知りたい」
参考:千葉県 千葉県営水道「トリハロメタンについて」
湯冷ましが必要な理由
・水分補給の際、赤ちゃんへの負担を減らすため
赤ちゃんが飲むものとして重宝される湯冷まし。
ここでは、赤ちゃんにとって湯冷ましが必要な理由を詳しく解説します。
水道水のカルキ臭などを除去するため
日本の水道水は適正に管理されていて、そのまま飲んでも安全で、重大な問題はないといわれています。
そのため、赤ちゃんに飲ませても大きな問題はありません。
しかし、水道水には消毒のための塩素が含まれ、その独特のカルキ臭のために風味が損なわれているのが実情です。
沸騰させ、湯冷ましにすることで、気になるカルキ臭を減少させることができるので、赤ちゃんも抵抗なく飲みやすいでしょう。
また、微量ながら含まれるトリハロメタンなどの減少にもつながるため、より安全に飲めます。
参考:レファレンス協同データベース
「家庭で、浄水器を使わずに、水道水のカルキ臭を消す方法を知りたい」
参考:千葉県 千葉県営水道「トリハロメタンについて」
水分補給の際、赤ちゃんへの負担を減らすため
赤ちゃんの水分補給時に水道水を避けたい場合、ミネラルウォーターも選択肢としてあります。
ただし、軟水を選びましょう。ミネラルウォーターは保存がしやすく、キャップを開けるだけで飲める手軽さがあり、水分補給時に便利です。
しかし、ミネラル分を多く含む硬水の場合、赤ちゃんの腎臓への負担や、消化不良などにつながる可能性があります。
ミネラルの少ない軟水を一度沸騰させ、湯冷ましにすることで、より赤ちゃんへの負担を軽減し、安心できるでしょう。
参考:厚生労働省 「授乳・離乳の支援ガイド」改定に関する研究会
「授乳・離乳の支援ガイド」
【パパママ必見!】湯冷ましの作り方
2.沸騰後、5〜15分ほどさらに煮沸する
3.火を止め、人肌程度の温度まで冷ます
湯冷ましの一般的な作り方は上記の通りです。
使用するのは水道水で問題ありません。
沸騰後も数分間煮沸を続けることで、水道水特有のカルキ臭や、わずかながら含まれている「トリハロメタン」などを減少できます。
火を止めたら、35〜37℃の人肌程度になるまで冷ましましょう。
作った湯冷ましは、洗浄・滅菌をした魔法瓶などの清潔な容器に入れておくと、必要な時にすぐに使えます。
参考:レファレンス協同データベース
「家庭で、浄水器を使わずに、水道水のカルキ臭を消す方法を知りたい」
参考:千葉県 千葉県営水道「トリハロメタンについて」
湯冷ましを使った赤ちゃん用ミルクの作り方
2.沸騰させて冷ました70℃以上のお湯で粉ミルクを溶かす
3.湯冷ましを加えて人肌程度の温度に調整する
ミルクを作るときには、必ず清潔な哺乳瓶を使いましょう。
粉ミルクは、先に沸騰後冷ました70℃以上の熱湯で溶かしてから、湯冷ましで温度を調整します。
このとき覚えておきたいのは、粉ミルクは無菌ではないということです。
粉ミルクには、「Enterobacter sakazakii(エンテロバクター サカザキ)」という細菌が含まれているため、正しい知識をもって扱わないと、感染症や髄膜炎を発症する可能性があります。
粉ミルクの作り方については、世界保健機関および国連食糧農業機関が作成したガイドラインで定められているため、下記のポイントを知り、正しく扱いましょう。
【赤ちゃん用ミルクを作るときのポイント】
・粉ミルクは清潔なスプーンですくう
・製品ごとの規定の分量で作る
・2時間以上の保存はせず、授乳のたびに作る
※参考:世界保健機関/国連食糧農業機関共同作成(厚生労働省ホームページ掲載)
「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインについて」
湯冷ましの作り方に関する注意点
・容器は熱湯OKのものを選ぶ
・保存は作ったその日までにする
湯冷ましは、赤ちゃんの水分補給のために重要な役割をもち、作るときにも注意が必要です。
ここでは、湯冷ましの作り方に関する3つの注意点についてご紹介します。
電気ポットはなるべく使わない
一般的に、電気ポットや電気ケトルなどは、沸騰後に煮沸し続けるのが難しい設定のものが多く、湯冷ましを作るには不向きといえます。
十分に煮沸ができないと、カルキ臭やトリハロメタンなどの物質が除去されにくく、安全性が確保しづらいです。
やかんでお湯を沸かすように、継続的に煮沸ができるものであればよいですが、そのような電気ポットでなければ、使用は控えた方がよいでしょう。
容器は熱湯OKのものを選ぶ
湯冷ましを入れる保存容器は、熱湯を入れてもよい耐熱性のものを選びましょう。
洗浄や滅菌などのお手入れがしやすく、衛生的に使いやすいタイプがおすすめです。
無色透明の容器であれば、水垢や汚れに気付きやすく、忙しいパパママでも安心して使えるでしょう。
また、パッキンがついている容器は、菌や汚れがつきやすく、こまめなお手入れが必要です。
お手入れが不十分だと、赤ちゃんの健康状態に関わる可能性もあるため、不安な場合は避けるのが無難でしょう。
保存は作ったその日までにする
湯冷ましの保存は、作ったその日までとし、1日以内を目安に使い切りましょう。
湯冷ましにすると、水道水に含まれる消毒用塩素が抜けます。
このとき、気になるカルキ臭は消えますが、同時に殺菌作用もなくなるため、長く保存すると雑菌が繁殖しやすくなるので注意が必要です。
保存環境によっては、1日も経たないうちに菌が繁殖する可能性も考えられるため、なるべく半日に1回、もしくは必要なときに毎回作ると安心でしょう。
湯冷ましに関するよくあるQ&A
・湯冷ましは生後何ヶ月頃の赤ちゃんにおすすめ?
・湯冷ましは1回にどのくらい飲むのがいい?
・湯冷ましは赤ちゃんが便秘のときにもいい?
赤ちゃんを育てるうえで必要な湯冷ましですが、いざ作るとなったらわからないこともあるでしょう。
ここでは、湯冷ましに関するよくある質問についてお答えします。
Q.水道水以外で湯冷ましを作ってもいい?
水道水以外であっても、軟水のミネラルウォーターや、浄水器を通した水なども湯冷ましを作る際に使用可能です。
ただし、ミネラル分が多く含まれている硬水は、赤ちゃんの体に負担がかかるので選ばないよう注意しましょう。
また、ウォーターサーバーの水を使う場合は、注ぎ口や機械自体が清潔に保たれているかが重要です。
使用する予定がある場合、普段からお手入れをしておきましょう。
Q.湯冷ましは生後何ヶ月頃の赤ちゃんにおすすめ?
一般的に、生後6ヶ月頃までの赤ちゃんは、湯冷ましを与える必要はありません。
この期間は、母乳やミルクで栄養や水分を補給できるためです。
6ヶ月を過ぎてから1歳前くらいまでに湯冷ましを取り入れてみるとよいでしょう。
しかし、湯冷ましは絶対ではありません。赤ちゃんが湯冷ましを飲みたがらない場合は、無理に与えなくてOKです。
Q.湯冷ましは1回にどのくらい飲むのがいい?
湯冷ましは、あまり多く与えないようにしましょう。
母乳やミルクのように栄養が含まれているわけではないので、湯冷ましだけでお腹いっぱいにならないように注意が必要です。
また、赤ちゃんが湯冷ましを飲みたがらない時には、無理に飲ませる必要はありません。離乳食とのバランスや、スープがある時は減らすなど調整しましょう。
Q.湯冷ましは赤ちゃんが便秘のときにもいい?
湯冷ましを飲んだからといって、必ず便秘が解消するわけではないですが、便が水分を含み、お通じがスムーズになる可能性はあります。
そのため、便秘の時に飲ませてあげるのもひとつの手でしょう。
しかし、あくまでも湯冷ましは水分補給が目的です。もし便秘が続く場合は、医療機関への受診をおすすめします。
上手に湯冷ましを活用しましょう!
湯冷ましは、主に赤ちゃんの水分補給やミルクを作る際に使います。
気になる水道水のカルキ臭を除去し、微量ながら含まれるトリハロメタンなどを減少させられるので、安心して育児に取り入れられるでしょう。
ここでは、湯冷ましの作り方や保存方法、赤ちゃん用ミルクの作り方もご紹介しました。
赤ちゃんが嫌がるのであれば、無理に飲ませる必要はありませんが、水分補給やミルク作りに上手に活用するとよいでしょう。
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