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公開 2023年08月16日  

豊作な家庭菜園、カブトムシ29匹、その上メダカも?夏って私以外が生命力に溢れてる

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いろんなお世話に追われる夏を送っています。


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春の終わりの頃、末っ子が近所のおじいさんからかぼちゃの種をもらってきた。

我が家のまわりには近所の人たちの畑がいくつもあって、末っ子はよく畑を眺めにうろうろしてはお喋りを楽しんでいる。

ある日、顔見知りのおじいさんが、「植えてみるかい?」となにやら外国の珍しいかぼちゃの種をくださったのだ。

せっかくだから、と庭の隅を開墾して苗を植えて、ほのぼのしたのもつかの間、末っ子がその日を境にどんどん苗をもらってくる。

さつまいも、ひまわり、チンゲン菜、マリーゴールド、コスモス、ケイトウ、と末っ子によってどんどん苗が搬入されていく。

それに伴って庭を開墾していく必要があり、せっせと夫が庭を耕した。

幸い田舎なので庭だけはうんと広い。

耕しても耕してもまだまだ地面はある。


その開墾した地面をひと掘りするごとに出てくるものがあった。

カブトムシの幼虫である。

息子を呼び寄せて見せると、息子は嬉々として飼育ケースに入れた。

地面を掘るごとに幼虫が掘り起こされる。

掘り返して死なせてしまうのも忍びないのでたくさんある飼育ケースにどんどん放り込んでいった。


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大規模に開墾された庭の畑にはいつの間にか夫によってキュウリやトマト、ゴーヤなども仲間に加えられ、実りの時期を迎えている。

おじいさんに頂いた外国のかぼちゃもとめどなく実っている。

キュウリは言わずもがな。

毎日、せかされるように実がなるので、食べるのに忙しい。

水をやり、収穫をして、ありがたく頂戴しているけれど、なんせせわしない。

この小さな畑で、こんなに実っていいのだろうか、と思うほど実っている。

また、少し目を離すと巨大化するので油断ならない。

巨大化すると当然、食べるのにも根気がいる。


そして、カブトムシ。彼らのほとんどが見事に羽化してしまった。

命の誕生を、「してしまった」と言うのはよろしくないのだが、なんせ量がとんでもない。

毎日どんどん羽化し、29匹を迎えたところで数えるのをやめた。

完全に規格外。

カブトムシの食欲は体育会系の勢いがある。

ゼリーを入れたそばからカブトムシがのそのそと集まってきてゼリーに食らいついている。

いくら与えてもすぐに跡形もなくなる。

また、一度に大量のゼリーを開封しなければならないので、餌やりもなかなか骨が折れる。

玄関から、たびたび息子の「手伝って……」と弱気な声が聞こえてくるので、一緒にゼリーを開封しては飼育ケースに入れている。

餌をやったあとの玄関はゼリー汁が滴っているし、空のゼリーカップが山ほど出るし、始末も少し面倒だ。

「逃がしてやったら?」とも話すのだけど、どの子にも彼なりの愛着があるらしく、首を縦に振らない。

一部はお友達に譲ったが、まだまだカブトムシはひしめき合って暮らしており、まだまだ世話が続きそうだ。

玄関に充満するカブトムシ臭を「夏って感じだね」と口に出してどうにか受け止めている。


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そんなふうにいろんな世話に追われる夏を送っている私への極めつけはメダカだった。

7月の半ばだったか。

息子がどこかから聞きつけて、近所の田んぼでメダカを獲ってきた。

2~3回の漁で10匹ちょっとのメダカが獲れた。

では、とタライで飼い始めたら、なんだかとても感じがよい。

水草を浮かべてやると、大変雰囲気が良く、優雅な感じがする。

見た目にも涼やかで、心が潤う。

家族みんなで気分よく、10数匹のメダカと快適に暮らしていた。


メダカはメダカを呼ぶらしい。

長年通っているガソリンスタンドで大量のメダカを飼育していると、なぜこのタイミングで知るのだろう。

聞きつけた息子はぜひ欲しいと懇願し、ガソリンスタンドのおばちゃんも「いっくらでも持って行って~!」と気前のいいことを言って、私は夏休みで疲れ果てて、思考回路に蜘蛛の巣が張っていて、気が付けば大量のメダカが我が家に搬入されていた。

また、「卵もあるよ~!観察してね!」と卵までいただいてしまい、もちろん、きちんと孵化して、ちょっと理解が追い付かない量のメダカが今、我が家にいる。

少し前、「いーちにーい」と数えていたのが懐かしい。

もう今や、数えることなんて考えもしないほどの稚魚がたらいの中にいる。

彼らが大きくなったらいったいどうしたらいいんだろう。

バスタブくらいのたらいが必要なのでは。

というか、池を作るしかないのでは。

今、ガレージにはでかいメダカ鉢が2つ、小ぶりなたらいが1つ並んでいる。

当然こちらも世話がいるわけだけど、メダカに関しては家族みんな一様に餌をあげたがるので厄介だ。

たびたび餌のあげすぎで水が濁るのでこちらもまた、油断がならない。


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我が家には小学生が3人いて、夏休み中はずっと家にいる。

少々込み入った事情があって学童にも入っていないので、まあずっといる。

四六時中けんかをしては誰がなにしたとか、誰がどうしたとか、こっちを見たとか、変な顔したとか、もう、よくもまあそんなに喧嘩ができるものだと感心する。

朝食を片づけたと思ったらすぐに昼食がやってくるし、昼食を片づけたらあっという間におやつの時間だと誰かしらが騒ぎだす。

液体を飲めばこぼすし、煎餅を食べれば煎餅カスをこぼす。

彼らも彼らでまた、まだまだ世話が焼ける。


なんだか世話ばっかりしてるような気持にならないでもないけれど、どうやら今年の夏はそんな役回りらしい。

今年は自治会の盆踊りのお世話係も回ってきているし。

星回りだとか天命だとか、なんだか抗えない大きななにかに巻き込まれているのかもしれない。


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採れたての野菜を調理して、メダカを眺めて、カブトムシに餌をやって子どもたちと騒がしく暮らしている。もうすぐ盆踊り大会もある。

文字で見ると、田舎の夏を満喫している生命力ある暮らしそのものという感じがして悪くないのだけど、ここのところ少々暑さが過ぎるせいかなんだかべっとり張り付いた疲れが取れなくて生命力とは程遠い。

そして当然、夏を開放的に楽しみたい気持ちもどこかにあって、疲れた私は家族をそそのかして珍しく旅行の計画を立てている。

疲れ果てた先でないと貧乏性で出不精の私は旅行になんて行こうと思わないのだ。

ともなれば、この星回りだか天命だかにもちょっとは意味があったのかもしれない。

引き続きお世話の夏に尽力しようと思う。


※ この記事は2024年08月16日に再公開された記事です。

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