赤ちゃんと犬が暮らすことについて、明確に言及するエビデンスはありません。
とはいえ生後3ヶ月頃までは、赤ちゃんの病気に対する防衛機能は未発達です。
そのため、犬との接触は極力控えて、生後3ヶ月以降に少しずつ触れ合わせるようにするのがおすすめです。
時間をかけて少しずつ赤ちゃんと犬を触れ合わせることで、愛犬にとっても環境の変化によるストレスを軽減できます。
赤ちゃんと犬は一緒に暮らせる?いつからOK?安全を守るための対策もご紹介
7,421 View犬のいる家に赤ちゃんがやってくる、または赤ちゃんがいる家に犬を迎えようとしている方は「赤ちゃんと犬が一緒に暮らしても大丈夫なのかな?」と気にしているのではないでしょうか。今回は、赤ちゃんと犬が一緒に暮らすメリットや注意点、安全を守るための対策などについてご紹介します。赤ちゃんと犬との暮らしを始めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
赤ちゃんと犬は、いつから一緒に暮らして大丈夫?
参考:東京都「0歳児から2歳児の発達過程」
赤ちゃんと犬が一緒に暮らすメリット
赤ちゃんは犬と一緒に過ごすことで、コミュニケーション能力を身につけたり、感情表現を豊かにしたりなど、精神面に良い影響があるといわれています。
兄弟姉妹のように一緒に成長し、親友のような関係を築くこともあるでしょう。
また赤ちゃんと犬が一緒に暮らすと、赤ちゃんがアレルギー疾患にかかる確率が下がるという研究結果もあります。
さらにワンちゃんの存在は、産後のママの癒やしにもなります。
育児で疲れたりイライラしたりしたときに、愛犬と触れ合うことで気持ちが落ち着いたり、ストレスが軽減したりする効果が期待できるのです。
引用:Wiley Online Library「Dog ownership at three months of age is associated with protection against food allergy」
赤ちゃんと犬が一緒に暮らす際の注意点
赤ちゃんと犬が一緒に暮らす際に、まず注意すべきは事故のリスクです。
犬が赤ちゃんを不意に噛んでしまうと、ケガをするだけでなく、最悪の場合は命にかかわる恐れもあります。
また赤ちゃんは免疫力が弱いため、動物由来感染症にも注意が必要です。
とくに過剰な接触による動物由来感染症については、厚生労働省が注意喚起しています。
赤ちゃんと犬が過剰に触れ合わないよう、パパママが気をつけましょう。
その他、赤ちゃんが泣くと犬が吠える、といった状況に困っているパパママもいるようです。
犬にとって、予想外な動きをする赤ちゃんと同居することは、ストレスになる可能性があります。
赤ちゃんと愛犬が快適な日々を送れるよう、お世話をどのように両立させるかを夫婦でしっかり話し合っておきましょう。
参考:厚生労働省「動物由来感染症ハンドブック2021」
参考:厚生労働省「動物由来感染症を知っていますか?」
参考:厚生労働省「動物由来感染症ハンドブック2022」
赤ちゃんと犬が安全に暮らすための対策
赤ちゃんと犬が一緒に暮らす際、病気や事故のリスクを回避するために押さえておきたいポイントがあります。
ここからは、赤ちゃんと犬が安全に暮らすための対策についてご紹介します。
部屋を清潔に保つ
アレルギーや感染症のリスクを軽減するために、赤ちゃんのいる部屋を清潔に保つことが重要です。
犬のフケや毛、唾液、糞尿などによって赤ちゃんがアレルギーを引き起こしたり、感染症にかかったりしないよう、定期的に掃除を行いましょう。
とくに糞尿の処理は速やかに行い、ワンちゃんが使う食器やおもちゃはこまめに洗ってください。
空気中に舞う犬の毛やダニの対策としては、空気清浄機を使用したり換気をしたりして、空気をきれいに保つのがおすすめです。
また低い位置の床には、犬の抜け毛やフケが落ちている可能性が高いです。
そのため、赤ちゃんを寝かせるときは直接床に寝転ばせるのではなく、できるだけベビーベッドなどを使用して床からの距離をとるようにしましょう。
赤ちゃんと犬の空間を分ける
赤ちゃんと犬との思いがけないトラブルを回避するため、基本的には赤ちゃん専用の空間と犬専用の空間をつくり分けるのがおすすめです。
赤ちゃん専用のスペースには、パパママの許可がない限り、ワンちゃんは入れないようにしつけておきましょう。
また、赤ちゃん専用スペースの入り口に、柵やペットゲートなどを設置しておくのも1つの手です。
赤ちゃんが生まれる前の段階で、そのスペースには入れないことを犬に認識させておくと、同居がスタートした際にトラブルが起きにくくなります。
一方で、犬専用のスペースを快適に整えてあげるのも重要です。
犬のハウスやクレートのなかにふかふかのクッションなどを入れたり、愛犬が大好きなおもちゃを与えたりしましょう。
愛犬が飼い主から離れてハウスでくつろいでいたら、褒めたりおやつを与えたりします。
そうすることで、犬専用スペースで過ごしてくれる時間が自然に増えるかもしれません。
犬に基本的なしつけを行っておく
赤ちゃんが生まれる前に、犬に基本的なしつけを行っておくことも重要です。
赤ちゃんは免疫力が弱いので、愛犬との触れ合いのなかで感染症にかかる恐れがあります。
このような事態を防ぐため、愛犬が人間の手や顔をなめたり噛んだりしないようにトレーニングしておきましょう。
また、犬が赤ちゃんやお世話をしている最中のパパママに飛びつく行動は、思わぬ事故やケガにつながる恐れがあります。
犬にとっては大好きな家族への愛情表現であっても、飛びつきはしないように教えてあげましょう。
犬を予防接種や、定期的な健康診断に連れていく
犬は、人間にうつると危険な菌をもっています。
免疫力が弱い赤ちゃんを感染症から守るためにも、犬を予防接種や定期的な健康診断に連れていきましょう。
また、ノミ・ダニの予防を徹底することも重要です。
犬を定期的に洗う
ワンちゃんの身体を定期的に洗って衛生管理することも重要です。
犬のブラッシングはできるだけ毎日行い、抜け毛が部屋に舞ってしまわないようにしましょう。
ブラッシングのときに蒸しタオルで身体を拭いてあげれば、抜け毛が空気中に舞い上がるのを防止できます。
ブラッシングをするタイミングとしては、散歩の後がおすすめです。
散歩の後にブラッシングをすることで、身体の汚れも落とせます。
また散歩から帰ってきた後は、足を洗って土などの汚れを落とすのも忘れないようにしましょう。
シャンプーは2週間に1回程度のペースで行い、愛犬の身体をきれいに保ってください。
赤ちゃんと犬を遊ばせる際は目を離さない
赤ちゃんと犬を同じ部屋で遊ばせる際には、絶対に目を離さないようにしましょう。
きちんとしつけを行っている犬であっても、赤ちゃんと2人きりで過ごしていると何が起こるかわかりません。
とくに大型犬の場合は、犬自身に悪気がなくても、思わぬ事故につながる恐れがあります。
もしもパパママが部屋を離れる場合は、愛犬をハウスに入れるか、別の部屋に連れていくかなどの対策が必要です。
また赤ちゃんと犬が遊んだ後は、清潔になるように手洗いを忘れずに行ってください。
自分で手洗いができない月齢の場合は、ウェットティッシュなどで拭き取りましょう。
犬にも愛情を注ぐことを忘れない
赤ちゃんと犬が一緒に暮らすようになったとき、ワンちゃんにも愛情を注ぐことを忘れないでください。
赤ちゃんが家族に加わることは、犬にとって大きな環境の変化です。
パパママの愛情が赤ちゃんだけに注がれると、愛犬は嫉妬してしまったり、寂しい思いをしたりします。
赤ちゃんが生まれてすぐの時期は、毎日の育児に追われて、愛犬にかまってあげる時間はどうしても減ってしまうでしょう。
しかしそんななかでも、できるだけ愛犬へのスキンシップを行ってあげてください。
赤ちゃんが寝ている間に抱っこしてあげたり、撫でてあげたりすることで、しっかり愛情が伝わります。
また毎日は難しくても、できるだけお散歩にも連れていってあげましょう。
愛犬がパパママの愛情を感じながら穏やかに過ごすことで、次第に赤ちゃんのいる暮らしにも慣れてくれるはずです。
まとめ
今回は、赤ちゃんと犬が一緒に暮らすメリットや注意点、安全を守るための対策などについてご紹介しました。
赤ちゃんと犬が一緒に暮らす際は、事故や病気のリスクを踏まえてしっかり対策する必要があります。
赤ちゃんと犬がかけがえのない良好な関係を築けるよう、快適に暮らせる環境を整えましょう。
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