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公開 2023年11月14日  

0歳の大晦日に高熱ぅ!?そこから学んだ我が家の感染症対策

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ここ数年は、1年を通して感染症と闘う世の中ではありますが、感染症のハイシーズンと言えば冬、子どもってどうして常に鼻を垂らしているのか、すぐお腹を壊すのか、これから寒くなる季節に向けてまたこの戦いの記録に新しい1ページができないといいなと思う、私の感染症戦記です。


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何も知らなかった、子どもの病気

子どもの頃から、なんでも目先のことばかりに目が言ってちょっと面倒でフクザツそうなことを「い、今ちょっと忙しいから」なんて、ぜんぶ後回しにした挙句失念してしまうような性格だったもので、育児をスタートさせた頃の私というものは大変に悲惨だった。

直前まで赤ちゃんにまつわるアレコレにひとつも手を付けず、「あの…生まれますが?」くらいの状態になってからやっと生まれてくる我が子の必要なあれこれを

「ドレスオール?ツーウェイオール?カバーオール?なにがどう違うん?」

など育児用品の迷宮、某本舗の中で絶叫しながらなんとか必要最低限を購入するだけ購入し、それの開封も水通しもしていないという状態で正期産に入ってすぐに長男を産んだ朝、キレイに胎脂を拭き取られてガーゼの産着を着せられて、がらごろと透明の箱に入って病室にやってきた長男を目の前に

「これが紙おむつ…生まれて初めて触ったのやが」

それの使い方が皆目わからないと、ナースコールを鳴らしたのは身内では大変有名な話だ。

そんなことだから、子どもの病気については本当に無知で、自分自身が「この前風邪をひいたのが一体いつのことだか思い出せない…」という頑丈な人間だったことも手伝って

「子どもの病気?風邪と下痢くらいなんちゃうん」

今思えば(アホちゃうか自分…)と壁に向って猛省したくなるような状態ですべてをスタートさせたのだった。

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初・発熱は突然に

でも幸いなことに、そういう準備不測の母の元に生まれた長男はかなりの癇癪持ちではあったけれど、身体の方は大変頑健で、体はがっちりとした固太り、実際生後10ヶ月頃までは病気らしい病気をしなかった。

しかし当然のことながら病気をしない人間というのはいないし、最初の病気の日は必ずやって来る。

長男の病気の最初は生後9ヶ月の12月31日。

その日は夫の実家での年越し中で、親戚の皆さんが集まっていた。

そこで私はなんだか昼から妙にご機嫌の悪かった長男を背負ってウロウロしていたのだけれど、お義姉さんがちょっと心配そうな顔で

「ねえ…長男君の顔がすごく赤い気がするんだけど…」

なんて言うもので、寒いからって着せ過ぎたかと思いながらも体温計で測定するとそれは

「よ…40度?」

突然の高熱。

それはいわゆる『突発疹』と呼ばれるものだったのだけれど、なにしろその日は年の瀬大みそか、そして私はこれが子どもの発熱が全くの初めてということで

「えーこういう時、何がいるん?母子手帳?いや保険証とこども医療証か」

などと大変に慌ててしまい、その上その日は町のお医者さんの殆どがお休み中の大みそか、長男を診てくれる病院を探すのは本当に大変だったし、なんとか見つけた公立病院の救急外来だったか休日診療はなんだか怒っているおじいちゃん、ウチと同じように赤いお顔の乳児を抱えたママとパパ、あとは「なんで俺、31日に脱臼とかするん?」とひとり突っ込みを入れる作業着のお兄さんなどがおり割とカオスだった。

そして

「病気も怪我も、日を選んではくれへんもんなあ」
「せやな…」

など夫と語り合った突発疹の冬を越えた春ごろ、息子は頻繁に病気をもらってくるようになった。

原因はとても単純なことで、それは長男が1歳を迎えてすぐに歩き始めたためだ。

室内をよちよちと歩きまわるようになった長男は当時暮らしていた古い団地の襖を破り(障子じゃなくて襖)、絵本を齧り、ティッシュを箱から全て引っ張り出すことを日課にし始めた、当然お部屋の中は荒れ放題、それで私は

「もうさ、お外で暴れてくれよ…」

と毎日長男を連れてお外遊びに繰り出すようになった。そして外の世界を満喫するようになった長男は、私がちょっと目を離したスキに道に突っ伏して大地を味見したり、公園の遊具をアムッと齧ったり、あちこち触ってすっかり汚れた手をべろべろとするなどするようになったのだった。
まじでやめて。

お外で遊ぶようになった子どもは風や空や水とすぐに仲良くなり、そしてそこにいる雑菌やウイルスともお友達になるのだということを、この頃の私はよく知らなかった。

お陰様で、幼児期の長男はとにかく頻繁に胃腸風邪を貰ってきた。それは大抵界隈では最も悪辣だと言われるノロウィルスというやつで、初めてノロに長男が罹患した1歳8ヶ月以降

「外から帰ったら手を洗いなさい」
「地面を舐めちゃだめ」
「その辺を触った手でおやつを食べないのッ!」

という親が呪文のように唱えて来た文言を聞けるようになった小学3~4年生位まで、一体何回ヤツと闘ってきたのかわからない。

そしていったん胃腸風邪にかかってしまえば、幼児は吐き気を我慢できないし、おトイレも残念ながらあんまり我慢しない。

更に長男は当時「なんだか胃がむかむかして気持ちが悪いな…」という吐き気や倦怠感などの不調を全部

「眠い」

という一言で片づけてしまっていたもので、まだ何もわかっていなかった頃の私は

「遊びすぎて疲れたのねウフフ」

なんてアホな勘違いをしてお布団を敷いてやってそこに寝かし、その後そこに盛大に…ということが何度も起きた。

そうして経験から私は悟ったのだった、元々相当寝つきの悪い系幼児である長男の突然の「眠い」は「眠い」ではないんだと。

以来私は、夕方もしくは朝ごはんのあとなどの「普段なら眠いとか言わんやろ」という時間に長男が「眠い」なんてことを言い出すと即、お布団の上に大判のペットシーツを敷き、枕は古いタオルで包み、いつ「ウッ」となってもいいようにビニール袋をかぶせたバケツを置いて

「じゃあ、ここでちょっと横になっておいてな」

と言うようになった。

そして多分ノロであろうそいつを迎え撃つ自分には感染予防のマスクに病院なんかでよく見る使い捨ての青いエプロンとビニール手袋、お風呂場には汚れ物を漬けておくために水でうんと薄めたハイター入りのバケツに、これは洗うより捨てないとダメだわと判断したものを捨てるためのビニール袋を設置。

あとはコトが起きればひたすら汚れ物をビニール袋に入れて捨て、使い捨てのシートを取り換え、洗えるものは消毒、あとは手洗いを手の油分がなくなってカッサカサになるまで繰り返す。

これを徹底的にやるようになってから、我が家では自宅内ドミノ感染率が各段に下がった。

私は大変だったが。

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病気を貰わないためには

その後、長男も長女もすっかり手洗いもうがいも「いわれなくともやりますが?」という年齢になり、胃腸風邪も家庭内ではすっかりナリをひそめた。

でもその代わりにちょっと発熱すると

「発熱だと!?神様―!」

なんて大慌てしなくてはならない時代がやってきて、ここ3年程はそれに本当に「お熱」に戦々恐々としている。

現在5歳の一番末っ子の次女は、もともとちょっとした持病があって病院だとか、看護師さんとかお医者さん、そういう方々にとても親しみがあるお影か、長男が現在の次女の年頃には全然実践してくれなかった手洗いとかうがいを先生のお言いつけに従って物凄くちゃんとする子になった、お外から帰宅した後の手洗いなんかもう

「きみ、今から手術室にでも行くんか?」

という程の丁寧さで、お陰様で体の脆弱さの割に、風邪とか下痢とかそういう一般的な病気にはあまりかからない子だったりする。

けれど、ついこの前のこと、次女とは6つ年の離れた長女が本当に久しぶりに風邪をひいた。

結構な高さの熱が出て、大慌てで近所の小児科医院につれてゆくと、それはインフルエンザでも例のあのウイルスでもなく

「喉真っ赤だねー、こら熱もでるわ、ハハハ」

なんて先生が笑うような普通(?)の風邪で、お薬を貰いアイスとかゼリーなんかも買って家に帰り、とにかく大人しく寝ておきなさいねと、帰宅後長女を自室のお布団に寝かしておいた。

するとしばらくしてそこには怪しい小さな影が、なんやねんなと思ってよく見るとそれは次女で、次女は熱を出して唸っている長女の検温をしていたのだった。

「風邪がうつるといけないからな、ねえねに今日近づいたらアカンよ」

私はそう言ったのだけれど、愛するねえねがお熱で唸っているなんて大変やわと、何度止めても次女は10分に1回は検温に行ってしまう、更にこの子は持病の関係で自前のパルスオキシメーターを持っているのだけれど、それでねえねの酸素飽和度まで計測する始末。

「風邪がうつるから、ねえねから離れて!」

という私の注意を全然、聞いてくれなかった。

その後、この次女の献身的(か?)な看護のお影で長女は翌日には解熱したけれど、代わりに今度は次女がなにやら不穏な咳をして、更に鼻水を垂らしていた。

感染症対策の初手は「病気のひとに近づかないこと」ちゃんと次女に教えなくては。




※ この記事は2024年11月14日に再公開された記事です。

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