まずは長期の視点で必要な「教育資金」を見積もりましょう。
注意すべきは、子供の教育費にはついかけ過ぎになりがちなことで、自分たちの老後資金に影響が出ない範囲にすることです。
教育費として貯めておきたい額は、一般的には子供の大学入学までに300万円から500万円といわれていますが、受けさせたい教育や子供の数、親の収入などにもよるでしょう。
また40代になると収入が増えているため、私立進学や留学など、教育にお金をかけたくなるかもしれませんが、教育費のかけすぎは、親の老後破たんのリスクが増します。
42歳で産んだ子が成人する(18歳)とき親は60歳であり、教育費だけを準備すればいいわけではないことを頭に入れておきましょう。
老後資金を残すことを前提に、教育資金の計画ができたら、早速、貯蓄や運用など、具体的な資金づくりを始めましょう。
できれば、子供が小学生のうちに教育資金の大部分をつくっておきたいところです。というのも、中学校では、公立でも小学校よりお金がかかり、家計に余裕がなくなりがちだからです。
児童手当が満額もらえる世帯は、全額を貯めると約200万円になります。教育資金として有効活用しましょう。
教育資金の目処が立つまでは老後資金は無理のない範囲で貯め、その後、老後資金に回すお金を増やしましょう。
ネット通販では、一定額以上の買い物をすると送料が無料になることが多く、必要ないものまで買ってしまうことがあります。
子供の誕生した後も、なるべく共働きを続けて、世帯の収入レベルを維持することも大切です。
さらに、定年後も働くことを視野に入れておきましょう。60歳以後も同じ勤務先で働き、その際に厚生年金に加入していれば65歳まではiDeCoにも加入できます。できれば厚生年金に加入して、受け取る年金も増やすとよいでしょう。
しかし、定年後に同じ職場で働き続けられるかどうか分かりませんし、収入は減ってしまうでしょう。事前に見積もる際は、定年後の給与収入は割り引いて考えたほうがよいでしょう。
40代の母親から生まれた子供の人数は、2000年に約1万5,000人でしたが、2021年には約5万人に増えています(厚生労働省、2021年「人口動態統計」)。全体の出生数が減っている中で、40代の出産の増加は目立っています。
子供が遅く生まれると、モデルケース的なライフプランでは対応しきれません。教育資金や老後資金それぞれに優先順位をつけながら、計画的に準備していきましょう。
文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
記事提供:dmenuマネー
元記事
https://money.smt.docomo.ne.jp/column-detail/738478.html
掲載日:2023/2/10