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公開 2015年09月19日  

「親の躾のせい」と思ってしまう前に…知ってほしい発達障害のこと

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周りの子がじっとしていられるのに、うろうろと落ち着きがない。怒られてもまたすぐ同じことをしてしまう。知らない人はそんな子どもを見て、「親の躾がなってないからね」と思うかもしれません。でも、それは果たしてそうでしょうか?その子の親は、疲れた様子で我が子を必死に止めていませんか?まだまだ認知されていない『発達障害』について私の体験をお伝えします。


とにかくよく動く!鉄砲玉みたいな我が子

我が家の長男はただ今4歳。幼稚園の年中さんです。1歳半健診の時に言葉が出ていかなかったため要観察となり、3歳からは定期的に療育施設への診察、訓練に通っています。



うちの子は他の子と何だか違う……?そう感じ始めたのは、自分で歩いたり走ったり動き回れるようになったあたりから。公園に連れて行っても、何故だか遊具では遊ばず公園から飛び出していく。道路に飛び出しては危ないので、私はそんな息子を追いかけるのに必死でした。



そんな状態ですから、公園で会ったママさんと会話を楽しむことなんてもちろん出来ません。子どもが遊ぶのに付き添いながらママ同士はお喋り。そんな普通すぎるかもしれないことに憧れた時期もありました。

手を『繋ぐ』ではなく、手を『掴む』

もちろん、公園だけに限りません。買い物や、どこか出先では一瞬でも手を放せない。気になるものがあればそこに向かって一直線で行ってしまい、この頃はまだこちらの呼び掛けに足を止めてはくれませんでした。なので、手は絶対に放せませんでした。



普通ならきっと、子どもと手は繋ぐものだと思います。でも私の場合、どこかに行ってしまわぬよう、手首をしっかりと掴んでいました。



二人で外出することはとにかく大変でした。いつしか自分一人で長男を連れて出かけることを、無意識に避けるようになっていたと思います。

見た目は普通。だから理解されにくい

出先ではとにかくいつも追いかけ、人様に迷惑を掛けないようにしていました。「ダメ!」「やめなさい!」そんな言葉は当たり前で、注意することや怒ることばかり。そんな状態ですから、人の目もやはり気になりました。



“あの子、落ち着きない子だな”

“あの親、すごい怒鳴ってるな”



きっとそんな風に見られていることは間違いないと思います。事情を知らない人から見れば、“躾のなっていない子”、“行儀の悪い子”なのです。 発達障害の子どもは、普通の子どもと見分けがつきにくいものです。



もし周囲に、私たち親子のようなお子さんや親御さんを見かけたら、それはもしかしたらただ“お行儀が悪くて落ち着きがない”ではないかもしれないこと、頭の片隅にでも覚えていていただきたいです。

理解と、そして温かい見守りを

我が子が発達障害とわかったとき、とにかくショックと不安でいっぱいになりました。



これから幼稚園、小学校、中学校……学校生活のような集団生活はやっていけるのか。社会人になって、仕事にちゃんと就けるのか。友達付き合いや、将来結婚をしたりは?



心配は果てしなく、尽きることはありませんでした。もちろん、今でもそれは変わりません。



そんな後ろ向きな私に対し、当時から主人は前向きな考えを持っていました。まだ小さなうちにわかったから、家や療育施設で色々訓練していけること。もちろん心配や不安はあるけど、できる限りのことをしていくしかない。その前向きな考えは、当時の私にとって何よりの救いでした。

現在、4歳になる長男。幼稚園や療育センター、たくさんの人に理解をいただき、サポートしてもらいながら楽しく過ごしています。



特に通っている幼稚園では、特別に補助の先生についていただき、全職員で長男への対応を伝達し合い保育してもらっています。そしてありがたいことに、同じクラスのお友達やそのママたちが長男のことを温かく見守ってくれる環境にあり、私も安心して今の幼稚園に通わせることができています。



発達障害はまだまだ認知され始めたばかりです。私自身も我が子がそうだとわかるまで、ほとんどよく知りもしませんでした。一人でも多くの人に知ってもらい、理解と協力、そして温かく見守りをしていただきたいです。

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