まいどおおきに!
ベルギーで“ハーフ”の子どもたちを育てて早十数年が経っている系オカン、さとえみです。
普段は別の言語も話す子どもたちに日本語を教えていると、その視点にハッとなることがあります。
例えば……
突然ですが、皆さんは「カ」をなんと読みますか?
文章の中にポツンとあると「チカラ」と読んでしまいませんか?
しかし、紙の中に1文字だけポツンと置いてある場合はどうでしょう。
カタカナの「カ」なのか、漢字の「力」なのか、見分けはつきますか?
似たようなものに、「口」と「ロ」があります。
こちらもカタカナの「ロ(ろ)」と漢字の「口(くち)」です。
普段ベルギーで生活する娘たちは、これらの区別ができないと言います。
「どこを見て『カ』なのか『力』なのかを区別するの?」と質問された時、「カ」にくっついている言葉が「込める」だから、これは「チカラ」なのだと説明しましたが……。
それは、そもそも「力を込める」というフレーズが頭にしっかり入っている場合に成り立つ説明なので、そういった予備知識なく文字単体で見ると読めないのでは?と気づきました。
「日本語」は、こんなにも読み手に知識があること前提で作られているのか……!
日本語は世界でも難しい言語であると言われますが、それを痛感しました。
この記事の漫画部分も、縦書きと横書きの両方を使って描いていますが……。
これを理解しているというのも、スゴいことなのでは?と改めて感じています。
日本の教科書で図が複数出てくる場合、「図1」「図2」のように漢字と数字が併記されますが、それが国語の教科書の場合は縦書きになります。
日本人なら、これは「図」と数字の「1」だと理解して「ずイチ」と読めますが、うちの子は縦書きに書かれたそれを見て、「図」に音を長くする「ー」が添えられていると思ったようなのです。
縦書きになった「1」と、音を長くする「ー」の区別がすぐにつく日本人……。
そして、それが分かることを前提にしている日本語……。
小さい頃からなんと高度なことをやっているのでしょうと、ビックリするのです。
さらに最近では、教科書にアルファベットも登場。
「AI」を「エーアイ」とは表記せずに、そのままアルファベットで書いてありました。もちろん縦書きです。
それもうちの娘たちは、「えー」とか「あー」とか読んでしまいそうだなと予想できます。
こんなに複雑な日本語を読める日本人はすごいなと思いつつ、普段ベルギーで暮らす我が子たちにここまで求めるのは酷やな……と思った次第です。
なんという言語、なんという国でしょう。
日本(語)ってスゴい!!
ほなまたね !