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公開 2024年05月29日  

テレワーク勤務や副業・兼業経験者ほど「健康」を重視!働く人の実態調査

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人生100年時代とも言われる現代の日本。定年が延長され、テレワークや副業・兼業など、多様な働き方をする方が増える一方、突然の病気などによって、働くことが難しくなる方もいます。今回は多くのパパやママが気になるであろう「健康管理」についての調査を紹介。社会全体の変化に応じるように起きている健康への意識の変化とは?


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人生100年時代とも言われる現代の日本。

2025年4月からは「65歳までの雇用確保」が義務付けられるなど、定年延長の流れの中で、以前よりも長い期間、働き続ける必要があることを実感している方も多いでしょう。

一方、突然の病気などによって、働くことが難しくなったり、働き方を変えざるをえなかったりする恐れも。そのためその中で、どのように今の健康を維持していけばよいのかという「健康管理」は、多くの人が気になる話題だと思います。

毎年、パパママ世代を含む20~60歳代の働く人を対象に「健康とセルフケアの実態調査」を実施している医薬品メーカー、第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区)はこのほど、今年の調査結果を発表。

結果からは、コロナの5類移行や副業・兼業の増加など、社会全体の変化に応じて、働く人の健康や「セルフケア」への意識・行動にも変化がみられることがわかってきました。ここからは調査結果を詳しくチェックしていきましょう。

■調査概要「健康とセルフケアの実態調査 2024」
【調査期間】2024年1月19日(金)~22日(月)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,000人
【調査対象】全国の20~60代の働く男女
【調査委託先】楽天インサイト株式会社

働く人の健康とセルフケアの実態は?

75.8%が「セルフケア」を認知するも、実践率は過去4年間で10ポイント近く低下

調査ではまず、自分自身で健康を守り対処する「セルフケア」という言葉について知っているかを質問。

「意味、内容まで知っている」が25.9%、「言葉だけは知っている・聞いたことがある」が49.9%と、全体の4分の3にあたる75.8%が「知っている」と回答する結果になりました。

次に「セルフケアとは、自分自身でも健康を守り対処すること」と提示した上で、セルフケアの実践率についても質問しました。

最も多くセルフケアを実践しているのは60代で、135人中4.4%が「できている」、46.7%が「どちらかといえばできている」と回答。合計51.1%と60代の半数以上がセルフケアを実践していることがわかりました。

続いて20代が「できている」と「どちらかといえばできている」の合計が49.5%という結果に。一方、小学生や中学生のパパやママが多くいそうな40代は「できている」が4.5%、「どちらかといえばできている」が35.0%と、全体を通じて最も少ない結果になりました。

なお、2020~2024年の調査を見てみると、全体のセルフケアの実践率は年々減少。

昨年よりも2.5ポイント減っているほか、4年前の2020年に比べて実践率は9.9ポイントもダウン。各年代別にみると、微増する年もあるものの、基本的には減少傾向にあると言えそうです。

セルフケアの内容は「十分な睡眠をとる」がトップ!続いて食事を意識する人も多数

次に、セルフケアとして行っていることを具体的に尋ねたところ「十分な睡眠をとる」が44.5%と最も多い結果に。続いて「1日3食きちんと食べる」が40.9%、「朝食をきちんと食べる」が39.3%、「野菜を多く摂取する」が39.0%と、食事の回数や内容などについて、気にしている方が多くいました。

また、項目別にみてみると、50代や60代は「定期的に健康診断を受ける」がほかの年代に比べて多い結果に。60代は「日常的に血圧を測定・チェックする」も28.9%と全体の9.0%を大きく上回りました。

一方、20代は「サウナなどで『整える』」が全体より5ポイント高い10.0%、30代は「筋トレ・ストレッチなどで体を動かす」が全体より6.4ポイント高い29.5%の回答を集める結果に。

ライフステージの変化や年齢に応じた体の変化などによって、セルフケアの内容も変わっていくようです。

セルフケアに最もお金をかけているのは20代!1カ月平均で5000円近くを費やす

1カ月あたりのセルフケアの費用は全体平均で4,173円でした。年代別にみると、20代が最も多く4,765円という結果に。続いて60代が4,340円。最も少ないのは50代で3,868円でした。

全体の7割以上が「今後日本では、セルフケアの重要性が増す」と認識

続いて、セルフケアに対する考え方を質問。「今後、日本ではセルフケアの重要性が増す」かについては、19.4%が「当てはまる」、53.1%が「やや当てはまる」と回答し、全体の72.5%がセルフケアの重要度が増していくと認識している結果に。

また「今後日本では、病院に行かずに市販薬を使う機会が増えると思う」かについては、11.6%が「当てはまる」、42.9%が「やや当てはまる」と回答しました。

コロナ5類移行後に起こった生活や健康への意識の変化は?

5類移行後は行動や働き方に変化がみられる結果に

2023年5月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが2類相当から「5類」に移行。規制が緩和されたことによって、私たちの生活にもさまざまな変化が起こっています。そこで、調査では5類移行後の生活変化についても質問。

「外食することが増えた」が36.9%、「旅行や外出が増えた」が35.3%と、それぞれ全体の3割を超える回答を集めました。さらに、「帰省も含め人に会うことが増えた」が29.5%と、コロナ禍では減少していた外食や人と直接会う機会が増えたことがわかりました。

また、コロナ禍で定着したと言われたテレワークですが、現在の働き方について尋ねたところ「テレワークあり」は合計で27.3%という結果に。

中でも「全てテレワーク」はわずか3.2%でした。その一方、全体の4分の3近くとなる72.7%が「全て出社して働いている」と回答しました。

続いて、「テレワークあり」「テレワークなし」それぞれの生活変化を調査したところ、テレワークありの人は、コロナ禍に比べて「出社が増えた」「対面での会議が増えた」「通勤の交通機関が混雑している」と感じている人が、テレワークなしの人よりも多い結果に。

また、コロナ禍以前の2019年ごろに比べると、テレワークありの人は「体力の低下を感じる」「疲れやすい・疲れを感じる」「自分の体調変化に敏感になった」と回答した人も、テレワークなしの人を上回りました。働き方の変化によって、自身の健康や体への影響を感じている人が一定数いると言えそうです。

「テレワークあり」の人の方がよりセルフケアの重要性を実感!

次に、コロナ禍以前の2019年ごろと比べた「自身のセルフケア意識の変化」も調査。

「テレワークあり」と「テレワークなし」の人で数値を比較したところ、「セルフケアの重要性が高くなった」「セルフケアに対する意識が高くなった」「セルフケア実践度が高くなった」のすべての項目で、「テレワークあり」の人が「テレワークなし」の人を上回りました。

特に、セルフケアの重要性については「テレワークあり」の人の4割以上が「高くなった」と回答しました。

「ニューノーマル」な衛生習慣の実施はいずれも減少

セルフケアの重要性を実感する人が一定数いる一方、コロナ禍では、感染症対策として実践されていた「マスク着用」「手洗い」「手指消毒」「うがい」といった「ニューノーマル」な衛生習慣については、実施した人が減少する結果に。

特にコロナ禍では当たり前だった「マスク着用」は2021年の97.6%から12.2ポイント減り、85.4%に。「手指消毒」も3年前に比べて16.4ポイント減の75.7%と、大きく減少しました。

セルフケアも「タイパ」や効率を意識?

「タイパ」意識は半数以下の一方、「スキマ時間」を活用したい人は約6割

続いて「セルフケアを行うときの意識」について質問。

日常生活では、短い時間で高い効果を得る「タイムパフォーマンス=タイパ」が浸透してきていますが、実際に「タイパを意識してセルフケアを行っているか」どうかは、「そう思う」が8.4%、「ややそう思う」が31.8%。合計でも40.2%と、半数以下にとどまりました。

一方「スキマ時間ができたらセルフケアを行いたいか」の質問には「そう思う」が13.0%、「ややそう思う」が46.4%で、合わせて59.4%が肯定的な回答に。

また「セルフケアはできるだけ効率的に行いたいか」の質問にも15.5%が「そう思う」、45.2%が「ややそう思う」と回答し、合わせて60.7%の回答を集めました。

セルフケアは「寝る前」や「昼休み」のスキマ時間に行いたい

調査では「セルフケアを行いたいスキマ時間」や「スキマ時間に行いたいセルフケア」についても複数回答可で質問。

セルフケアを行いたいスキマ時間については「寝る前」が33.2%と、最も多くの回答を集めました。続いて「昼休み」が20.4%、「帰宅直後」が19.5%でした。

また、「スキマ時間に行いたいセルフケア」については34.3%が「歩く」と回答。「ストレッチや体操」が27.8%、「筋トレ」が22.5%と続きました。

副業・兼業とセルフケアへの意識の関係は?

副業・兼業の経験者は26.4%!これから希望する人も半数という結果に

コロナ禍でテレワークの導入など働き方が多様化したこともあり、今後、働き方のひとつとして、増加すると予想されているのが、副業や兼業です。2023年7月に発表された総務省の「令和4年就業構造基本調査」では「非農林業従事者のうち副業がある人は305万人と5年前に比べ60万人増加」との報告もありました。

今回の調査では、副業や兼業の経験有無についても質問。「現在、副業・兼業をしている」が11.6%、「過去にしたが、現在はしていない」が14.8%と、副業・兼業の経験者は4分の1を占めました。

次に「今後の副業・兼業意向」についても調査したところ、全体の半数にあたる50.0%が「ある」または「ややある」と回答。「副業・兼業経験なし」の方であっても「ある」「ややある」の合計が41.4%と全体の半数近くを占めました。

このうち「現在、兼業・副業している」方だけをみると、92.2%が「ある」「ややある」と回答し、継続の意向を示す結果となりました。

副業・兼業を継続する人は「体調管理」に気を配る傾向が!

調査では「副業・兼業の経験がある」と回答した264人に対して、さらに健康に対しての意識を詳しく質問。「副業・兼業時に感じたこと」を複数回答で尋ねたところ「疲れを感じることが多かった」が27.7%、「自分の時間や余暇時間がとれなくなった」が25.8%、「ついつい働きすぎてしまった」が23.5%で上位になりました。

一方、副業・兼業を「現在継続中の人」と「現在はやめた人」に分けて比較すると「体調管理・健康管理に気を配った」人が、継続中は21.6%と、やめた人に比べて11.4ポイント高い結果に。

一方「疲れを感じることが多かった」「ストレスが増えた」については、やめた人のほうが継続中の人よりも総じて高い結果となり、健康や体調の管理が、副業・兼業の継続に影響を及ぼしていることがうかがえました。

副業・兼業中の7割以上が健康管理の大切さを実感

また、経験の有無に関係なく「副業・兼業のために大切なこと」を複数回答可で質問したところ、「お金の管理」や「時間の管理」を抑え、「健康管理」が66.6%と最も多い結果に。現在、副業・兼業している方に限ってみると71.6%と、7割以上が「健康管理」を重視していることがわかりました。

産業医の鄭理香先生に聞く、「働く人に最適!スキマ時間セルフケアのススメ」

■セルフケア実践率が減少しているのは、セルフケアが定着し日常化したことの表れでは?

 調査結果を見ると、セルフケアの実践率は年々減少していますが、新型コロナが5類になって実際はセルフケアを行う機会が減ったわけではなく、コロナ禍と比べるとそれほど意識はしていない、または必要以上のことはしないという状況ではないでしょうか。臨床の現場でも、セルフケアができていない人が増えたという印象はなく、コロナ禍を経て体調管理に対する意識はぐっと高まり、それが日常的な行動として定着してきたように感じます。とはいえ、時間とともに意識が薄れる懸念はあるので、しっかりと習慣化していただきたいです。

■テレワークという働き方の選択肢が、セルフケアを高めるきっかけに

 調査結果から、「テレワークあり」の人は、なしの人と比べると、セルフケアを重要だと考える傾向が強く見られました。テレワークという働き方を選択する機会があることで、毎日の体調に注意を払い、気になるときは出社から在宅に切り替えるなど、自分の体調変化に目を向けて健康意識がより醸成されることも、セルフケアの重要性を感じる一因だと考えます。テレワークという働き方の選択肢が、セルフケア意識を高めた結果といえるでしょう。

■体調がすぐれないときのセルフケアに役立つ「OTC医薬品」

 とはいえ、テレワークができないお仕事の方も大勢います。テレワークはできないし体調はすぐれない、そのようなとき、役に立つのがOTC医薬品です。OTC医薬品は市販薬ともいわれ、医師に処方してもらう「医療用医薬品」ではなく、薬局やドラッグストアなどで自分で選んで買える医薬品のことです。病院に行くほどでもないが調子がすぐれないときは、OTC医薬品をうまく活用することも有効です。

 OTC医薬品を使い自分の体調管理がスムーズにできるようになると、日々のメンテナンスも続けやすくなります。今まで経験したことのない症状には医師の診療が必要ですが、OTC医薬品を活用できる場面があれば、自分自身で健康を守り対処する術として上手に活用していただきたいですね。

■セルフケアは続けることが大事。わざわざ時間をつくるのではなくスキマ時間を使うことが継続のコツ

 調査結果によると、スキマ時間ができたらセルフケアを行いたいと約6割の人が考えています。セルフケアは「日々継続」がポイントですから、毎日のちょっとしたスキマ時間にセルフケアを行うことは、わざわざ時間をつくる必要がないので、継続するためのコツと言えます。寝る前にストレッチをしてリラックスしたり、昼休みに軽く筋トレして気分を切り替えたり、今あるスキマ時間で自分がやってみたいセルフケアを無理せずに行ってみてください。今日はできてよかったと思えることが達成感となり、継続の好循環が生まれます。

 例えば「笑う」という行為には、ストレス緩和や免疫力アップなどさまざまな効果があるといわれています。仕事の休み時間に面白い動画を見て笑ったり、好きな写真をスマホの画面に設定してほっこりしてみたり、ちょっとした時間にできるプチ気晴らしを取り入れていくのも効果的です。昼休みに空を眺めるだけでも、気持ちが楽になりますよね。

 スキマ時間をうまく使って、セルフケアを楽しみながら続けてみてください。

忙しい人こそ、スキマ時間を活用しよう!

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今回の「健康とセルフケアの実態調査」からは、コロナの5類移行や副業・兼業を行う人の増加など、さまざまな社会情勢に応じて、20~60歳代の働く世代の健康への意識がどのように変化しているのかが、見えてきました。

調査では「スキマ時間にセルフケアを行いたい」と考える人が約6割に上り、その内容として「歩く」「ストレッチや体操」「筋トレ」などが挙げられていましたが、調査結果同様、毎日のちょっとした時間をうまく活用して、上記のようなセルフケアを行いたい、という思いは、日々忙しいパパやママにも共通するのではないでしょうか?

また、副業・兼業経験者の7割が、副業・兼業のためにはお金や時間よりも「健康管理」を重視しているという結果は、多忙な人こそ「健康管理を意識することが大切」という見方もできると思います。

子どもが小さく、毎日ランニングやウォーキングする時間を取るのは難しい、というパパやママは多いとは思いますが、たとえ短い時間であっても、ストレッチや軽い筋トレを行うことは、健康維持だけでなく、心や体のリフレッシュにつながることが期待できるとも言われています。

心身の健康を保ち、毎日を快適に過ごすためにも、まずは仕事や育児、家事の合間などにあるちょっとした時間をうまく活用して、できる範囲のセルフケアを始めてみるのがよいのかもしれませんね。

参考:
第一三共ヘルスケア株式会社「健康とセルフケアの実態調査 2024」
https://kyodonewsprwire.jp/release/202403137946

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コノビー子育てニュース #186
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