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公開 2024年06月24日  

ベルギーで海外子育てをしながら考えた、「子どもの教育や環境選び」で大切なこと

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ベルギーと日本の教育を比較しつつ、感じたことをまとめてみました。


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まいどおおきに!これが最後の記事になる系のオカン、さとえみです。

国際結婚によりベルギーに住んで三姉妹を育てながら、日本との違いに驚いたり感心したりしたことなどを漫画や文章でお届けしてきました。

今回は、その総まとめな記事をお届けしたいと思います。

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とはいえ、我が家の三姉妹はまだ高校に通っておりません。

ですので中学校までの経験をもとに、日本とベルギーを比較して感じたことなどをご紹介していきたいと思います。

あくまでも個人的な体験や感想ですので、その辺りをご理解いただけますと幸いです。

見た目も中身も“軽め”のベルギーと、少し“重い”日本。

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まず最初にオカンが思う印象は、ベルギーの教育はわりと“気軽”で、日本は手厚いけれどたまにその気持ちが重い時がある……というものです。

象徴的なのが教科書。

ベルギーは、勉強する間だけ借りて終わったら返すという貸与式ですが、日本は期待が込められた新品の教科書を一人ひとりに配布し、返す必要がないという贈与式。

新品の教科書をもらえて嬉しいという気持ちもあるけれど、その期待がプレッシャーになる児童もいるんやないかな……などと思ってしまうのです。

物理的にも重く、学校に置いておけない場合はもれなく「修行」になってしまう面も。

ランドセルも制服も、とてもしつらえがいいので丈夫な分、重量面がネックです。

その点、ベルギーは服やカバンを自由に選択できて、重い荷物があるときは臨機応変にキャスター付きのキャリーバッグで運べたりと、「手軽」の二文字と言えましょう。

でも、ピアスやネイル、派手な服装やメイクなども自由なため、この子は本当に小学生?と思うほどキメキメな子もいます。

手軽さが良いとは言え、空まで飛びそうな軽さもちょっとな……というのが正直な感想です。


また、「式」も手軽なのがベルギーです。

登校初日、校長先生がパチパチしながら出迎えるのがベルギーの「入学式」だったと分かった時のオカンの顔を、皆さんに見せたいです。

一方、立派な体育館で来賓や保護者、全教員が見守る中で新入生が登場し、在校生に歌を歌ってもらったりする日本の入学式は、「こ、ここまでしてもらって恐縮っす」という感じでした。

年齢を重視する日本と、理解度を重視するベルギー?

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ヨーロッパの教育が良いとされる理由のひとつとして、理解度に合わせて飛び級や留年があるという点がよく挙げられますよね。

オカンも最初は、手放しでこれを賞賛していたのですが、今はよくよく考えてちょっと待てよ……となっています。

というのも、そういう飛び級の制度を利用して、まだ小学生くらいの子が最年少記録で大学に進学した、という新聞記事を目にしたからです。

その子は確かに賢くて、同い年の子と同じ授業を受けたら退屈かもしれないし、本人も大学進学を望んだのかもしれない。

でも、それくらいの年齢の子どもが同年代の子どもと遊ぶ機会も作れないとしたら、それはそれで貴重な何がが失われるのでは……とも思います。

また、ベルギーでは長い夏休みにほとんど宿題やフォローアップがないので、親が家で勉強させる環境にない子は、結果的に学力面で追いつかなくなり「そんなつもりがなくても留年してしまう」というケースがあります。

そういう子の存在を知ってしまうと、前のように賞賛するのはちょっと難しいです。


一方で、年齢が上がれば自動的に進級できる日本は、飛び級などはないので確かに融通がきかない部分もあるとは思いますが、少なくとも皆ほとんど同じ年齢なので身体的な格差は生じにくいですよね。

先生方が口を酸っぱくして「宿題しなさ〜い!」と言ってくださったりもするので、学力的にもある程度フォローされているという面もあるのではないか……などと考えたりします。

「オフはオフである」ベルギーと、 「オフの時もオンであることを忘れない」ようにする日本

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オンとオフ。

学校がある時とない時をはっきり区別しているのがベルギーです。

そして、区別しているようでしていないんやない?と思うのが日本。

その代表例が「夏休み」です。


ベルギーの夏休みは年度を区切るためにあり、「勉強する期間の外」という位置付けです。

宿題のない学校がほとんどで、しっかりとオフをエンジョイするのが正しいとされています。

そのため、学業から完全に解放されたと思う児童が大半なのではないでしょうか。

一方、日本の夏休みは年度の真ん中にあり、この期間は一応休みということにはなっているけれど、規則正しい生活をするように促されます。

宿題もたくさんあるという学校が多く、「休みとはいえど、勉強する期間なのじゃぞ」と釘をさされている感じです。

「親は仕事と子育てを両立する・させる」という前提のベルギーと、そうとは限らない?日本。

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夫婦のほとんどが共働きであるベルギー。

日本も共働き家庭が増えたとはいえ、まだそうではないご家庭も多いので、比較するのはどうかな〜とも思ったのですが……

ひとつだけベルギーが圧倒的に良いな、と思う点がありまして。

それは、担任である教師も「教師という仕事と親業の両立」がなるべくできるようになっているという点です。

漫画では「三者面談や行事などは土日や夜に」と書いてあるではないか!

教師が土日や夜にかり出されるのは、その点と矛盾しているではないか?

……と思う方もいるかもしれません。

でも、「頻度は低く、参加も任意」というところに注目してください。

これは保護者だけでなく教師にとっても同じで、年に1〜2度という頻度ですし、参加できない場合は参加しなくても良いのです。

(例えば三者面談は、担任の先生が都合が悪い時は、副担任の先生にお願いできたりするそうです)

日本でもこれからますます共働きの家庭が増えていくと思うので、だんだんとベルギーのような考え方になっていくかもしれませんね。

教育にかかるお金の不安がないベルギー。 教育のためのコンテンツが豊富な日本。

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ここまでいろいろと、日本とベルギーを比較してみましたが……。

極論、ベルギーと日本の教育の特徴をオカンの感想として表現すると、

「安く、気軽に教育するならベルギーやな〜」

「基礎学力の構築や豊富な文化コンテンツを用意したいなら日本やな〜」

という感じです。

ベルギーは上記で書いたようなカジュアルさに加え、子ども手当も充実しており、さらに大学の費用などもほとんどかかりません。

これが子どもを産む前から確定しているので、教育について金銭面での不安が全くないというのが非常に大きいです。

一方で日本は、教育の土台になる基礎学力の高さには定評があると思います。

加えて、長く受け継がれている日本文化と歴史があり、それらを義務教育の中で学べるということの、なんと贅沢なことでしょうか。

高い基礎学力で豊かなコンテンツと共に成長できるというのは、子どもにとってとても大きなアドバンテージになると思います。


どちらも、それぞれ素晴らしいのです。

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大切なのは、「自分がどう感じ選び取っていくか」ということ。


「結局どちらの方が素晴らしいの?」と思った方、すみません。

両方とも素晴らしいです。

それらを私たちがどう感じ選び取っていくかが大事で、それはとても難しいですよね。

できたら子ども自身に、どんな教育を受けたいか決めてほしいところですが、小さいうちはまだ無理ですしね……。

我が家はこれからも、日本とベルギーを行ったり来たりしつつ、子どもに考えてもらったり、自分自身も考えたりして、悩み抜きたいと思います。


今まで記事を読んでくださった皆さん、編集部の皆さん、本当にありがとうございました。

ほなさいなら!

※ この記事は2024年10月24日に再公開された記事です。

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