コノビー編集部の選りすぐり!何度でも読みたい、名作体験談。
今回は、コノビーで連載中の「ふくふくさん」の名作をご紹介いたします!保育園や幼稚園へ子どもを預ける際に、大泣きされて悩んでいるママやパパの心がすっと軽くなるようなエピソードです。
初回公開はこちらです。
https://mama.smt.docomo.ne.jp/conobie/article/27311
今息子は4歳で、幼稚園に通っています。
幼稚園に入るまでは、お昼までのたった数時間ですが、一時保育を時々利用していました。
そこでは、いつもベテランの保育士さんが笑顔で迎えてくださいました。
私の母親世代、息子にとってはおばあちゃん世代で、いつも笑みを絶やさず見守ってくださる感じの先生。
とても安心してお任せすることができました。
初めて預ける時、息子が泣いて離れなかったらどうしようかと不安でした。
しかし、息子は少し緊張した様子ではあるものの特に泣くわけではなく、先生に優しく手を引かれて部屋に入っていきました。
そんな息子の後ろ姿を見て、ほっとしたのを今でも覚えています。
一時保育なので、我が家も週に2回ほどの利用でしたし、毎日同じメンバーではありません。
しかし、我が家と同じように定期的に利用されている方とは、少しずつ話をするようになっていきました。
その中で1人、部屋に入る時にいつも大泣きしている女の子がいました。
年齢は2歳くらい。
見かけるたびに、お母さんにしがみつきながら泣き続けていました。
最終的には先生が優しく抱っこして、「いってらっしゃい」とお母さんに声をかけて部屋に入っていきますが、しばらく部屋の中から泣き声が聞こえてきています。
保育園からの帰り道、そのお母さんが
「どうしてうちの子だけいつまでも泣き続けるんだろう......」と少し困っていました。
今は小学生の娘が幼稚園のころ、毎朝大泣きしていた時期があったので、私もそのお母さんの気持ちが痛いほど良くわかりました。
「どうしてうちの子だけ、いつまでも泣くんだろう」
「他の子は笑顔でバイバイできて、えらいなぁ」
「また明日も泣くのかな」
など、考えれば考えるほど気持ちは暗くなってたのを思い出しました。
そのお母さんの話を聞きつつも
「絶対いつかは慣れるはずだよ」
としか声をかけれず、もっと何か安心できるような言葉をかけられないかなぁと、一人モヤモヤしてしまいました。
それから数日後、また息子を預ける時にあの女の子がやってきました。
いつも通り、女の子は部屋の前に来ると泣きじゃくり、お母さんに抱き着いて離れません。
お母さんは「毎回すみません、先生も大変ですよね。本当すみません」と何度も謝っておられました。
謝る必要はないと思うものの、お母さんの気持ちも痛いほどわかりました。
そんなお母さんに先生は穏やかな表情で
「全然いいのよ~。お母さんが大好きじゃないと困るわよ。これでいいのよ~」
と笑顔で話されていました。
その言葉を聞いて、私の心のモヤモヤがすっと晴れたような気がしました。
「泣いてしまうのはお母さんが大好きだから。これでいいのよ」
それはすごくすてきな言葉でした。
もちろん、泣かないで行ける子が、お母さんが大好きではないというわけではありません。
しかし、泣いてしまう事に対しても”お母さんが大好きだから”と、肯定的に捉える考え方に隣で聞いていて感動しました。
ちょうど数年前の今頃、幼稚園に行きたくないと娘は泣きじゃくっていました。
毎朝幼稚園に連れていくだけで疲れ果ててしまっていた私。
今タイムスリップして、当時悩んで疲れていた私に
「そんなに悩まなくて大丈夫!娘は、ママが大好きだから離れたくなくて泣いているんだよ」
と教えてあげたいです。
保育士さんの言葉に、数年前の疲れていた私が癒された気持ちになりました。
これから同じような場面に遭遇したら、「お母さんが大好きだから泣いてるんだよね~」と声をかけてあげられたらと思っています。