コノビー編集部の選りすぐり!何度でも読みたい、名作体験談。
今回はコノビーで連載中の、「おぎさん」の名作をご紹介いたします!PTAの役員活動にチャレンジされた1年のなかで、印象的だったできごとについてのコラムです。
初回公開はこちらです。
https://mama.smt.docomo.ne.jp/conobie/article/27675
私は小学校5年生の双子の母です。
この春、双子たちは6年生になります。
今年のお正月、ふと来年の4月には双子は中学生になってしまうのか…!と気づき、ハッとしました。ついこの前、小学校に入学したような気持ちでいましたが、6年間はあっという間に過ぎていきそうです。
双子が小学校5年生の1年間、私はとある挑戦をしていました。
それは「PTA活動に参加してみる=PTA役員をやってみる」ということ。
改革真っ只中のPTA活動を、役員側で体感したこの1年。
色んなことがありました。
もちろん、大変なこともあり、一筋縄ではいかないこともありましたが、活動してみて特に印象的だったことを書いてみたいと思います。
学校には、PTAが使う部屋があります。
月1回、会議をしたり、ボランティアをしたりと立ち寄る場所なのですが、近くに低学年の教室があるため、休み時間中は子どもたちがチラチラとのぞきに来たりします。
元気の良い子は「何してるの?」「誰のお母さん?」「今日の給食はからあげだよ!」などなど話しかけて来ます。
誰のお母さん?と聞かれたところで、名前を答えても、「フーン」と去って行ってしまうのですが…笑
そう思いながらも、今や高学年の母となってしまった身としては、低学年の子供たちと接する機会が少ないので、なんとも微笑ましい時間でした。
ある日、役員会に参加していたときのこと。
子どもたちはその日、全学年で近くの公園に遠足に行っていました。
お昼が近づいてきて、だんだん子どもたちの声が聞こえてきました。
みんな帰ってきたんだな〜と思っていると、給食の準備が始まりました。
ガヤガヤと給食を準備している音が聞こえてきます。
毎日お昼にみんなで給食を運んで、準備をして、片付けて。
小さい1年生が、大きなお鍋を運んでいる姿を見ると、少し不安になるぐらいですが、それが学校の日常なんだな〜なんて思っていると、校内放送が始まりました。
放送委員の子どもたちが、「遠足お疲れさまでした〜!」というような内容を放送しています。
6年生は立派に遠足を振り返っていました。
こんなふうにアナウンスしているんだな〜と思っていたその時、
「今日は、保護者の方からジュースのプレゼントがあります!」と聞こえた瞬間…
学校全体から「ウワァーーーーーーー!!」という歓声が上がったのです。
ちょっとびっくりするぐらいの教室が揺れるような歓声でした。
それは、遠足の日のためにPTAからのプレゼントとして発注しておいたジュースでした。
そういえば、先月の会議で、何ジュースがいいか?と話し合いました。
アレルギーに配慮して、できるだけみんなが飲めるジュースがいいよね。と発注したものが、こんなにも喜んでもらえていたなんて。
小さな紙パックのジュース一つでこんなに大歓声が上がるとは!!
学校にはこんな日常があるのか〜。
この日、学校にいなければ見ることができないワンシーンだったので、とても記憶に残っています。
他にもこんなことがありました。
PTA役員になりたての頃、引き継ぎのために学校に行ったときのこと。
職員室で先生とお話をしていると、突然、体育館から大きな歓声と拍手の音が聞こえてきました。
春休み中で、本来学校に子どもたちはいないはず。
なにごとだろう?と見てみると、そこにはスーツを着て正装した少年の姿がありました。
どうやら卒業式に参加できなかった生徒さんの卒業式が行われている様子。
一人だけの卒業証書授与式です。
たくさんの先生たちに見送られながら、担任の先生とすこし恥ずかしそうな表情の少年が体育館から出てきました。すると、そこには、数日前に卒業したたくさんの同級生たちが駆けつけていたのです。
涙ぐんでいる子や、ニコニコ笑顔の子どもたちが少年を取り囲み、なんとも言えない、キラキラした光景でした。
新型コロナウィルスの影響もあって、入学式も卒業式も通常とは違う形で行われていた数年間を経て、こんな卒業式が行われていたなんて…。
まるでドラマのワンシーンのようで、たまたまその場に居合わせた私は、その光景を見ているだけで、ウワっと涙が溢れました。
学校にはこんな日常があるんだ…。
もちろん、非日常のワンシーンですがとても記憶に残る印象的な出来事でした。
「PTA役員になると学校に行く機会が増えて、学校のことを知れますよ。」
PTA役員募集説明会の日、前任の役員さんたちが言った言葉がよみがえります。
あぁ、こういうことを言っていたのかもしれない。
学校だよりでは伝えられない学校の1シーン。
まさにその日見た光景は、PTA役員にならなければ出会えなかった光景でした。
PTAについては、いろんな意見があり、学校によって活動も負担も違うので、一緒くたに語ることはできませんが、私は個人的にこの1年、挑戦してみて良かったな。そう思っています。