オーストリアに移住してびっくりしたのは、学校の夏休みが長いこと!7月の上旬から夏休み入りして、9月半ばまで、なんと9週間も夏休みがあるのです。
そしてさらに驚いたことに、学校(小学校はもちろん、中学も高校も)の宿題はゼロ!!塾なんてものもないですから、9週間の間、勉強のことを忘れる、正真正銘の「お休み」なのです。(大学入学資格試験を控える時期になると、家庭教師や塾もどきの教室に通う子たちもいるようです。)
こんなに長い間、子どもたちはいったいどうやって過ごしているの?
気になるオーストリアの子どもたちの「夏休みの過ごし方」をレポートします。
9週間、宿題ゼロ!オーストリアの夏休みを子どもたちはどう過ごす?!
3,600 Viewオーストリアの学校の夏休みはなんと9週間!しかも宿題ゼロ!ヨーロッパの周辺諸国と比べても、ダントツに長いオーストリアの夏休み。こんなに長ーい休みの間、子どもたちはどんな風に過ごしてるの?オーストリアに住む、我が家の子どもたちの夏休みの様子をレポートします。
出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28144042146えっ?9週間?!しかも宿題なしー?!
共働き家庭には悩みのタネ?
さて、9週間も休みの間、子どもたちはどう過ごすのでしょうか?
働くパパママにとっては、毎年悩みのタネでもあります。
共働き家庭の場合、朝7時から18時までオープンしている夏休み学童クラブに入って、同世代の子どもたちといろんなアクティビティを楽しむという手もあるでしょう。でも保守的な土地柄のここチロル地方では、「子どもを長い時間、学童クラブに通わせるのはかわいそう!」といった空気があるため、夏休みのほとんどを学童クラブで過ごすという子はめったにいないようです。
ママやパパが働いていないファミリーだって、子どもたちに楽しく有意義な夏休みを送らせたい、と毎年知恵をしぼっています。
家族旅行はどこに行こうか?どんなキャンプに参加させようか?スポーツの合宿がいいかしら?冬が終わるくらいから、あれこれ企画しはじめる人は少なくありません。
少々気が早いようですが、人気の旅行地もキャンプも早めに予約した方がお得だし、満席になる前に確実に押さえたいところなのです。
アクティビティがいっぱい!悩める親たちの救世主、イベントカタログ
そんな親たちの救世主は、自治体がサポートする夏休みイベントカタログ、その名も「Ferienzug」(休暇特急)!
夏休みに入る前に送られてくる1冊のFerienzugカレンダーカタログには、魅力的なイベントやキャンプ、ワークショップが盛りだくさんです。
夏休み初日から終了する日まで、毎日たくさんの種類のイベントがあります。気になるイベントをチェックして、主催者に電話して申し込むだけのお手軽さ。しかも自治体が補助しているので、参加費がリーズナブルなのが魅力です。
例えば、去年娘が参加したキャンプはアートキャンプ!山の中のハットに泊まって、ペイントや木彫り、草木染、アクセサリーづくりなどいろいろなアートが体験できるキャンプです。1週間3食付 180ユーロ(24,000円くらい)でした。
そのほかにもテニスキャンプ、スイミングキャンプ、英語キャンプ、ミュージカルキャンプ、ファームステイ等々バラエティにとんだキャンプがあるし、単発(通い)で参加できるイベント、お城ツアーやクッキングクラス、科学ワークショップ、乗馬、ダンスレッスン、アートコース、などなど魅力的でリーズナブルなわくわくイベントが、夏の間中毎日どこかで開催されているのです。
こうして普段できないような体験ができるのも夏休みの大きな楽しみのひとつですよね。
我が家の夏休みの過ごし方
ちなみに我が家のムスメ(10歳)、ムスコ(7歳)の夏休みは、というと・・・。
3週間、家族で日本へ里帰り帰国してきました。久しぶりに帰る日本で、家族や親せきとの時間や旧友との再会を楽しみます。この期間は子どもたちの日本語強化期間でもあるので、ドイツ語はなるべく使わず、日本語でたくさん会話して、日本語の本をたくさん読むようにしていました。
日本から戻った後は、ムスメは1週間の乗馬キャンプに、ムスコは1週間のサッカーキャンプに参加。スポーツキャンプは、どこでも大盛況!
8月は北イタリア(南チロル)の知り合いの農家でファームステイの予定です。牛、馬、ひつじ、ウサギや猫に囲まれて過ごす1週間は我が子たちにとって、夢のような時間。干し草を束ねたり、乳しぼりを手伝ったり、チーズやパンを作ったり、農家のお仕事が体験できるのも、いい経験になるでしょう。
パパママとも仕事で忙しい時期は、庭仕事を手伝ったり、お掃除やお料理を手伝ったりと、買い物に行ってくれたりと、しっかりおうちの仕事もこなします。なかなか頼りになりますよ。
思いきり充電!大切にしているのは「ヒマ」を楽しむこと♪
通常、オーストリア人のほとんどは、2週間から3週間ほどの休暇をとって、家族でバカンスに出かけます。
人気のバカンス先は、スペインやイタリアのビーチ。トルコやギリシャ、クロアチア等のリゾート地も人気です。キッチン付のアパートメントを借りて、暮らすようにのんびりと過ごすのがヨーロッパ流。キャンピングカーで旅をして、家族で大自然を満喫するのも人気があるようです。
バカンスの過ごし方で共通しているのは、「のんびり、ゆったり過ごす」ということ。「何もしない時間を楽しむ」と言ってもいいかもしれません。子どもたちは、テレビやゲーム、タブレットのない環境で、ひたすら自然と戯れて遊び、親と子ども(またはおじいちゃん、おばあちゃんと子どもたち)が向き合って過ごす時間をなにより大切にします。
テレビやビデオ、コンピューターゲームに慣れている子どもたちは、はじめこそ「ひま~!」とぶうたら不平を言うようですが、しばらく「ヒマ」時間を過ごすうちに、兄弟姉妹で新しい遊びを考え出して熱中したり、同世代の地元の子どもと友達になったりと、「ヒマ」を持て余すことなく、自分から楽しみを見つけて過ごせるようになるそうです。
与えられる娯楽がなければないほど、子どもたちはクリエイティブになれるのです。我が家が夏休みで大切にしているのも、この「ヒマ」を楽しむこと。
テレビやビデオ、iPad、ゲームは全面禁止、なわけではないけれど、これらの機器もほぼ夏休み。
旅行やキャンプ以外の日々、子どもたちは持て余すぐらい長い夏休みの「ヒマ」時間を、思い思いに過ごし(お手伝いでお料理ができるようになるのもよし、本の世界にひたるのもよし、サッカーに熱中するのもよし)、身体も心もたっぷり充電するのです。
まとめ
いかがでしたか?
海外と日本では夏休みの期間も過ごし方も全然違うようです。
「こんな過ごし方も悪くないな」という風に読んで貰えれば嬉しいです。
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