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公開 2015年09月06日  

【読み聞かせ】秋の夜長におすすめ♪「夜」にまつわる絵本3冊

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今回は、「夜」がテーマになっている絵本を3冊ご案内します。子どもだけではなくおとなも楽しめます。秋の夜長は親子で絵本を読んでみませんか?


夜、眠れない。トイレに行きたい。さあ、どうしよう…?『よるです』

おふとんに入って両親と川の字で寝ているすうちゃん。けれど眠れません。どうしよう、トイレに行きたくなってしまいました。「ひとりじゃ こわくて いけないよう」。すうちゃんは夜が大きらいなんです。



そのとき、むくりっ!突然、毛布がバクになります。怖がるすうちゃんに「ぼくが いっしょに トイレに ついていってあげる」。トイレに行くまでの長い道のり。そこへ次々と現れる泥棒や蜘蛛。バクはばくっ!ばくっ!ばくばくばくー!と食べてしまい、そのあとおしりから…あら、まあ、不思議。黒一色の画面にきれいな色が広がります。さあ、すうちゃんは無事トイレに行き着けるのでしょうか。



夜、時計の音が大きく響いて眠れない。トイレに行くのが怖い。そんな体験はありませんか?わたしも怖かったよなぁ…とはるか昔のことを思い出しました。見返しに描かれた森の中では、夜行性の生き物たちが活動する様子と音が描かれています。後ろ側の見返しでは変化していますよ。



カバー袖には夜、トイレに行くのが怖い時に持っていける「おまもり」があります。切り取って使えます。本のしおりにもなる、といううれしいおまけつきです。

季節ごとの夜の情景。賑やかさと静けさとが詩的な文で描かれる『よるのえほん』

こちらの夜は、黒ではなく青色が基調。夜の季節ごとの情景が詩的な文章で描かれています。夏の花火、秋のハロウィーン、待ち遠しい冬のクリスマス・イブの夜、そして街の明かり。こうした賑やかさと対照的な夜の動物たちの様子。そして眠りにつく子ども…。読んでいくうちに、鮮やかな色使いの絵を眺めてあたたかな気持ちになりつつ、眠りに誘われます。



作者のエド・エンバリーは「エンバリーおじさん」として親しまれ、アメリカでは100冊以上の作品があるそうです。このかわいらしい絵はどこかで目にした、という方もいるのでは?イラスト入りの食器やタオルなどのグッズも多数販売されています。

五感が研ぎ澄まされた子が感じた都会の夜の暮らしは…『よるのかえりみち』

遊び疲れてお母さんに抱っこされて歩く帰り道。子どもの視点で都会の夜の街の様子が描かれています。店じまいしている様子、マンションの中で電話で話す話し声、漂ってくるおいしそうな匂い。静かに過ごす人、集まってにぎやかに過ごしている大勢の人たち。眠い状態で、いつもと違う夜。



だからなおさら五感に響いてくるのかもしれませんね。窓から見えてくる光景は、この子が見たというよりも、画面が切り替わり読者に見せてくれている一場面です。



お父さんが迎えに来て、抱っこをバトンタッチ。家のベッドに寝かされます。先ほど見た光景から、想像が広がります。パーティーは終わったかな。寝る支度、お風呂に入ったり、きのうのつづきの本をソファーで読んだり。あっちの窓にあかりがついて、あっちの窓のあかりが消える。それぞれの1日の終わり…。



これは子どもの想像でもあり、実際に起きている情景を切り取って映しているようでもあり…とても幻想的です。じつは、出てくる人物はすべて擬人化された動物なんです。だからこそ、この雰囲気がよりいっそう際立っているのでしょう。静かな眠りを誘う絵本です。

おとなの夜にも絵本とゆっくりした時間を…

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「夜」をテーマにした絵本3冊、いかがでしたか?



子どもと寝る前に読むのがおすすめですが、子どもが眠ってから、ひと息ついて絵本をめくる、なんていうのも素敵です。ほんの数分でできる日常からの脱却。1日の終わり、秋の夜長にそんな時間を少しだけ持つと、肩の力が抜けてよく眠れそうです。

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