私と妻がアンガーマネジメントを学んでいなかった頃のことです。仕事から帰って晩酌するのが私の楽しみで、帰宅をしてから必ず缶ビールを飲みます。
妻が「飲んだビールの缶は忘れずに自分で洗って片付けてよ」と言うと、私は「わかってるって。やっておくから」と返答します。ここですぐに動いておけばいいのですが、しばらくすると私はもう夢の中。目が覚めたときには時すでに遅し。机の上にあったビールの缶が片付けられていました。ついついうたた寝をしてしまったのです。
妻は「だから言ったじゃない。すぐに片付けてって。まったくもう!」と、毎日のように飲んだ後うたた寝して飲みっぱなしの私に、イライラしています。しかし、仕事で疲れている私は「俺だって仕事で疲れてるんだ!」と思わず反射的に言ってしまいました。
これを言ってしまうと、妻も黙っていません。妻からは「私だって洗い物して洗濯干して、疲れているわよ!」と言われてしまいました。
アンガーマネジメントの約束である【腹が立っても『6秒』待つ】を知らなかった頃の私は、こうやって反射的に売り言葉に買い言葉をやってしまい、何度も後悔することがありました。
【体験談】毎日続く妻との口喧嘩。イライラの原因は●●だった!
8,212 Viewあなたのイライラの原因は、子どもですか?それとも夫?はたまた自分?実はもっと別のところにあるのです。怒りの正体を知れば、上手に対処することができます。
出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10186005549毎日のように妻と口喧嘩
怒らせるものの正体とは?
アンガーマネジメントを学んでからは、腹が立ってもまずは6秒待とうという気持ちを忘れず、怒りの程度を点数に表わし、見える化するための『怒りの温度計づけ』をしながら過ごせるようになってきました。
そしてさらに、私たちを怒らせるものの正体もわかったのです。それが『べき』という言葉です。『べき』とは「~であるべき」とか「~であるはず」といった、自分の信じる願望や理想を象徴する言葉です。
「夫はこうあるべき」「妻はこうあるはず」というように、その人にとっては正しいのです。ところが自分の信じている『べき』が目の前で裏切られるから、腹が立つわけです。
自分の『べき』と妻の『べき』
今回紹介させていただいた私と妻の出来事では、どのような『べき』があったのでしょうか?私の『べき』は「晩酌後はゆっくりさせてもらうべき」、妻の『べき』は「自分で飲んだビールの缶は自分で洗って片付けるべき」ということが考えられます。
このときに考えて欲しいことは、相手の『べき』を許容できるか?許容できないか?ということです。冷静に考えれば、妻の『べき』は許容できます。片付けることができなかったのならば、ひとこと謝っておけば済むことです。怒る必要はありません。
妻は私の『べき』を理解しているから、うたた寝をする私をそっとしておいてくれるわけです。すでに許容してくれています。こうやって自分と相手の『べき』を知り、許容できる『べき』ならば怒る必要はないですし、怒ってはいけません。
自分の『べき』を知っておきましょう
誰でも自分が正しいと思っている『べき』があります。それは「順番はまもるべき」というような、社会常識として正しいと言われる『べき』から、「目玉焼きには塩こしょうをかけるべき」というような、自分だけとか少数の人が正しいと思っていることまで様々です。
自分にはどのような『べき』があるのか?一度思いつくままに書き出してみることをオススメします。そして書き出した『べき』の中で、重要な『べき』をチェックしておきましょう。その重要な『べき』は自分のこだわりの強い部分ですから、それが裏切られると怒りの原因となるわけです。
相手の『べき』を受け入れる努力も大切
自分の『べき』を知り、どんな『べき』が裏切られると腹が立つのかを知っておけば、怒りを未然に防ぐことにつながります。
さらに妻だけでなく他人の『べき』を受け入れられるように、日頃から心がけておくことも大切です。下の絵は何に見えますか?おばあさん?それとも若い女性?おばあさんが見えると若い女性が見えなくなり、若い女性が見えるとおばあさんが見えなくなる。人はひとつの見方をすると、他の見方ができなくなります。
『べき』も同じで、自分の『べき』が正しいと強く信じすぎると他人の『べき』を許容できにくくなります。「私は違うけど、そんな考え方もあるんだね」というくらいの気持ちでいられることが、夫婦関係や人間関係をうまくやっていくコツなのです。
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