社会の子連れ外出への風当たりが厳しい理由はなぜ?子連れ外出で必要なちょっとした配慮とは?のタイトル画像
公開 2015年09月12日  

社会の子連れ外出への風当たりが厳しい理由はなぜ?子連れ外出で必要なちょっとした配慮とは?

6,421 View

「お子様連れはご遠慮ください」と冷たく言われて切ない思いをしたことはありませんか?世間は子どもに優しいことばかりではないかもしれません。でも、私は「子連れだから」周りの目が厳しいのではなく、パパママ次第なのではないかなと感じることがあります。


子連れだからって肩身が狭い思いをすることはない…はず


赤ちゃんやお子さんのお世話をしているママはいつもベストコンディションではありません。

疲れているときや悩んでいるとき、体調の悪い時だってあると思うのです。

ふだんなら優しくできることでも、疲れていて体調が悪いときに激しく泣かれるとピリピリしてしまうかもしれません。

泣きわめく子どもに優しくできないパパママに出会うと「ああ、疲れているんだな」「この人は、ちゃんと誰かに優しくしてもらっているかな」…と、そんなことを思います。

私はいつもカバンの中に「ちょっとしたおもちゃ」などを忍ばせています。

激しく泣いているお子さんに出会った時、役立つのではないかと思うからです。

「あげて良いですか?」と聞くと、怒鳴っていてピリピリしていたママの表情が「ふと」和らぎ、子どもが落ち着くことがあります。

そんな時、わたしは心からホッとするのです。


子連れでの外出、まったく遠慮しなくてもよいの?


私は助産師・看護師という職業柄、赤ちゃんや子どもの泣き声に慣れている方だと思います。

ですが、パパママのモラルを疑うようなできごともありました。

中でも一番驚いたのは、とあるセミナーでのこと。

参加者は「幸せな家族とは」「あたたかい人間関係とは」について学びたいと集まった20~40代の男女が約50人。

受講費用を数千円払って、電車で1時間以上かけて参加していた人もいた講座です。

その会場内に、1~3歳の子どもが数人いました。

冒頭で講師が「子どもがいるからと遠慮することはありません。お母さんも楽しく参加していってくださいね」と案内しました。

しかし、この保護者達は「まったく遠慮をしていなかった」のです。

講座が始まってから、ずっと「ノンストップ」で子どもたちが騒ぎ続けました。

子どもたちのおしゃべりが気になって講師の話に集中できない騒々しさの中、母親たちは全く意に介さない様子。

耐えきれず、会場係りの人が「少し外に連れてあそんでいましょうか?」と提案しても、母親は「私から離したら心配だから」と何も対策を講じようとはしなかったのです。

そして「子どもがいるんだから、少しくらいうるさくしたって仕方ないじゃんね~」という言葉が聞こえてきました。

この講座は、講師の話に感極まって涙する参加者もいる内容でした。

皆がそれぞれの思いを抱きながら聴いていた、そのクライマックスの瞬間に子どもが叫びました。


子連れに「寛容か」「厳しいか」は保護者次第なのでは?


確かに「子どもは声を出したくなる」だろうし「動き回りたくなる」のはわかります。

しかし、親であれば「わが子がするであろう行動」の予測ができるはず。

その子が好きなおもちゃや本を持参する、飲み物や食べ物などちょっとした間食を用意しておく、会場に入る前に「大人のお話だから、静かにしていてね」としっかり伝える、それでもにぎやかになったら少し会場を出る…。

そのような工夫をするかどうか、が「親の腕の見せ所」つまりは「しつけ」「モラル」なのではないかと思うのです。

この場合、会場に集まった大人50人は「講師の話を聴く」ために参加費を払って集まっていたのに、このお子さんのために「集中して聴く」ということができませんでした。

それは「子どもだから仕方ない」とはいえないと思うのです。

私は、子どもだから、子連れだからと言って肩身の狭い思いをすることはないと思っています。

しかし騒いでいる子どもがいても、周りに配慮をせず、厚顔無恥に振る舞う親を見れば「静かにしてほしい」と思うし、「そんな目で見られている子どもがかわいそう」とも思います。

大多数のパパママたちは、まわりに配慮ができる「モラルある」保護者だと思います。

私は赤ちゃん参加OKのイベントをよく企画しますが「赤ちゃんが大勢いるのに静かですね」と驚かれることが多い。

そのため「赤ちゃんだからうるさい」「こどもだからうるさい」という意見を聴くと悔しく感じるのです。

そんな「ちょっとした配慮」「ちょっとした気配り」という丁寧に子どもと関わることができる親ばかりになれば、もっと社会は子連れや子どもに寛容になるように思えてなりません。

いや、そうなってほしいな~と願っています。

みなさんもぜひ一度このことについて考えてもらえたらいいなと思います。


Share!