双子出産に、安定期はないと言われています。通常、1人入るだけでいっぱいいっぱいのお腹に、2人入っているわけですから、当たり前ですね。お腹が大きくなるのも、他の妊婦よりも早く、早産リスクが高いため、双子だとわかった瞬間から、医師より安静をすすめられ、妊婦検診も、通常よりも多い頻度で行われます。
特に、我が家の双子は一卵性で1つの胎盤を二人で共有しているタイプの双子だった為、双胎間輸血症候群になる可能性を危惧し、2人の成長度合いが同じであるか、確認の為に検診が行われていました。
双子の出産はリスクがたくさん!切迫早産で1ヶ月入院からの母子同室育児フラフラ・・・
61,778 View一人の子どもを産むのも命がけですが、双子の出産は、母体にもお腹の中の子ども達にもリスクがたくさんあります。そんな双子出産の体験談です。
双子出産に安定期はない
TTTSは一絨毛膜双胎に起こる特殊な病気です。共有している胎盤でつながっている血管(吻合血管)を通じて、互いの血液が両方の胎児の間を行ったり来たり流れており、通常はバランスがとれているため問題がありませんが、このバランスが崩れたときTTTSが発症します。血液を余分にもらっている方の胎児(受血児)は全身がむくんできて、心不全、胎児水腫という状態になります。また、胎児の尿量が増えることにより羊水過多となります。一方、血液を送り出している胎児(供血児)は、発育不全で小さくなり、尿量が少なくなるため腎不全や羊水過少となります。この病気は一絨毛膜双胎の約1割におこり、無治療では児の救命が困難です。TTTSはどちらか一人の児の病気ではなく、どちらの児も状態が悪くなることが特徴です。
切迫早産で緊急入院。
既に妊娠7ヶ月目で臨月のようなお腹になっていました。妊娠28週目あたりで管理入院を勧められていましたので、里帰り先で分娩予約をしました。27週目ではじめて里帰り先の病院で検診をおこなったところ、「子宮頚管15ミリ。緊急入院だよ!」とのお達し。
いつ生まれてもおかしくない。安全に生まれるといわれる37週目までもたないと言われました。その場ですぐ、歩いてはいけないと言われ、車椅子で病室へ運ばれるのでした。
1ヶ月半に渡る入院生活
子宮頚管が15ミリしかない状態の私は、絶対安静を言い渡されました。歩くのはトイレに行くときのみ、それ以外はベットにいました。ひどい人はトイレにも車椅子でなければならないので、私の場合はまだましな方だったと思います。
お風呂は入ってはいけないので、体はタオルで拭くのみでした。そして24時間、張り止めの点滴をするという生活。ただ寝転がるだけ毎日ですが、何もすることがないと、反対にいろいろ考えてしまい、後ろ向きになり落ち込む毎日でした。
そして特に辛かったのが点滴です。私はどうやら針を刺しにくい血管らしく、何度も何度も刺され、失敗されました。ひどい時には、3人の看護婦さんが代わる代わる挑戦し、失敗し、去っていくという魔の血管だったのです。
おかげで、それまでなんとも思っていなかったのですが、注射が大の苦手になってしまいました。
予定帝王切開で出産
切迫早産で入院した私ですが、その後の入院生活が功を奏したのか、正期産にあたる37週目まで持たせることができました。この時点での私の体重は妊娠前に比べて11キロ増えていました。双子妊娠によって食欲がなくなり、私自身は痩せましたが、お腹だけは臨月の人以上の大きさになっていました。
双子はあまり大きくなりすぎると、母体に負担がかかります。子どもの容態が急変するなどのリスクがある為、37週と0日目の時点で、予定帝王切開にて出産することになりました。わが子達は幸いにも2400g越えの体重で誕生しました。
部分麻酔でしたので、誕生した瞬間のわが子を見ることができたときには、感動のあまり涙があふれました。
そこで医師の一言。「出血が多い。輸血になるかもしれない!」
双子は胎盤が大きい為、それがはがれる時に大量の出血があります。私の場合は、2637mlありました。そのまま処置の為全身麻酔に移りつつ、私が「輸血はいやだなぁ」と呟いたからなのか、なんとか輸血をせずに済んだのですが、その後、私は重い貧血に悩まされることになります。
フラフラで母子同室
出産後のハイな気持ちで夜はよく眠れず、また大量出血もあってか、私の貧血はかなりひどかったです。また、後陣痛や、帝王切開による傷口の痛みもかなりありました。
私の場合は、貧血がひどかったのもあり、母子同室になったのが、出産後2日後でした。子ども達の授乳の際は授乳室へ行って、授乳をするのですが、私は双子のコットを2つ押しつつフラフラで歩いていきました。1ヶ月以上の安静生活で筋肉が衰えていたこともあり、2つのコットを引きずって、病室から授乳室へ行くというのは結構なきつさがありました。
母子同室後の初日、私はコットを押しながら授乳室へ行くと、猛烈な立ちくらみに襲われました。コットがなければ倒れてしまうところでした。
そのまま授乳室へ行くと、他の授乳しているお母さんが私の顔を見て、ギョッとした表情をしました。そして、助産師さんにミルクをお願いしようと声をかけると、助産師さんもギョッと驚いた顔で「どうしたの!」と声をかけてきました。
どうやら、私の顔は貧血によって真っ白を通り越した顔をしていたようで、そのまま子どもは取り上げられ、また車椅子で病室に送られてしまうのでした。
その後、私の貧血が治らず2日退院が延びるものの、双子たちはNICU(新生児特定集中治療室)にお世話になることなく無事退院することができました。
正直なところ、双子の妊娠は心配ごとが多く、赤ちゃんが生まれてくるのが楽しみという気持ちになかなか浸ることができませんでした。生まれたあとの方が細切れ睡眠で体力も削られ、体力的に大変ではありますが、妊婦時期の自分ではどうすることもできない不安を抱えていた時と比べれば、気持ち的には楽です。
何よりも双子の成長を見ることが今はとても楽しいです。
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