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公開 2015年09月05日  

「憧れは、孫正義」14歳にして3社のベンチャーを経験した天才中学生プログラマー・山内そうと氏独占取材

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中高生国際Rubyビジネスプランコンテスト2012の15歳以下の部において、最優秀賞を受賞した山内そうとくんに独占インタビューを行いました。現在中学3年生にして、ベンチャー企業にコミットしている彼が、プログラミングを始めた理由は?そして親の教育について思うことは何か?について迫りました。子どもの視点からみる親の関わり方について、重要なヒントが・・・!


最年少でプログラミングコンテスト優勝!山内そうとくんってどんな人?

名前:山内奏人(やまうち そうと)



経歴:小学校6年生の時に「中高生国際Rubyプログラミングコンテスト2012(15歳以下の部)」で最優秀賞を受賞。10歳の時、図書館でプログラミング関連の本を見つけ興味を持つ。さっそく本を借り、C++を独学で学び始める。その後、月に一度Rubyを教えてくれるワークショップに参加するようになり、「思い描いたものを形にすることができる」プログラミングに、ますます興味を持つようになる。

中学時代に「It is IT」という団体を設立し、プログラミングを友達にも楽しんでもらう取り組みを開始。プログラミングワークショップ開催するなど、活動の場を広げている。



中学二年生の時、軽井沢の全寮制インターナショナルスクール「ISAKサマースクール」で学びたいと思い試験を受けたが、奨学金の選考にはもれてしまったため、自らクラウドファンディングを通じて資金を集めるプロジェクトを開始し、サマースクールに見事参加を果たす。

中学3年生のエンジニア!「ベンチャーは3社目。今は金融×ITベンチャーにコミットしています」

編集部:現在中学3年生のそうとくん。今の活動を教えてください。



そうとくん:Fin Techという、金融×ITのサービスを作っているベンチャー企業に、エンジニアとしてコミットしています。



編集部:コミットし始めたきっかけは何だったのでしょう?



そうとくん:中学1年生の時にビジネスプランコンテストに出場し、そこで入賞したのがきっかけです。

内容は教育系のwebサービスだったのですが、コンテストで優勝したあと、実際に教育系のベンチャーにコミットしました。そこで自分のエンジニアスキルを活かしながらサービスを作ってみたら、楽しかったんです。



さらに、別のベンチャー企業に誘われジョイン。今年に入り、別の知り合いの方から起業するタイミングで声をかけてもらい、3社目となる現在のベンチャー企業にジョインすることにしました。



編集部:中学生にして、すごい経歴ですね。中学生ながら仕事をしているって稀だと思うのですが、学校の友達からは何て言われる?



そうとくん:普通、ですかね(笑)

学校の友達も、僕の活動のことは知っていて、それに慣れています。他の人が部活をやっている間に、僕は別のことをしている。ただそれだけ、という感覚。

僕が好きなこと、やりたいことに打ち込んでいるだけです。

プログラミングを始めたきっかけは、自宅にあった古びたパソコン

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編集部:プログラミングを始めたきっかけは?



そうとくん:部屋の片隅にあった、古びたパソコンがきっかけです。

最初はWordとExcelで遊んでいただけでしたが、パソコンに触れているうちに、どんどんハマっていきました。



10歳のとき、もっと勉強したいな~と思って、図書館に行ったんです。

そこでプログラミングの本に出会い、本格的に始めることにしました。



といっても、周りに教えてくれる人なんていませんから、図書館で本を借りて、自分でコードを書いてみて・・・・すべて独学でやりました。



編集部:本を読んでいるだけだと、つまづいたりしない?



そうとくん:もちろん、つまづきます!(笑)

でも、誰かに聞いて解決する、ということはしなかったですね。聞ける人がいなかったので。自分で打破するか、もしくはある程度で諦めて全く違うことをするようにしていました。



勉強をはじめてからしばらくして、月に1度Rubyを教えてくれる中高生用の講座に出会いました。

それからはプログラミングコンテストで優勝する!ということを目標にして毎日頑張っていました。



編集部:ご両親に、コンテストに出ることは相談していましたか?



そうとくん:いえ、まったく。

コンテストに応募してから、親に「コンテストに出るよ」と事後報告をしました。



とにかくプログラミングが楽しかったんです。

プログラミングよりも楽しいことは無かったので、熱中していました。



編集部:同年代の友達に、プログラミングをしていると話をしても、通じないのでは?(笑)



そうとくん:はい、通じないですね(笑)もっと子どもらしいことをやれば?とよく言われます(笑)

友だちとはプログラミングと関係のない話しをしたりして、仲良くしています。

昆虫が大好きな幼少期。家の中で50匹の青虫を飼っていた

編集部:何かにハマってとことん突き詰める、というのは一種の才能だと思うのですが、その性格は小さい時からですか?



そうとくん:そうですね~。(悩むそうとくん)

あ、そういえば、小学生ぐらいの時は、ずっと昆虫を育てていました。



青虫を段ボールに入れて、家の中で50匹ぐらい育てていました。



編集部:え、50匹!?それは、よく親御さんが許してくれましたね!普通嫌がりそうだけど(笑)



そうとくん:たしかに。今思うと、そうかもしれません。

でも、純粋に僕が好きだから、ハマっているから、そういう環境を許容してくれたんだと思います。



あと、家の近くにある昆虫館に毎日通っていたのも覚えています。

幼稚園から帰ったら、荷物を置いて、母が自転車に乗せて連れてってくれて。毎日毎日、通いつめていました。



編集部:子どもって小さい頃は、みんな何か「ハマっているもの」はありますよね。電車、アニメ、ゲーム、昆虫・・・などなど。

でも、それを突き詰められる環境がなかなか無いのかもしれません。

逆に、子どものハマっているものをとことん深められる環境があると、そうとくんみたいに熱中できるのかもしれないですね。

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昆虫以外にも、熱中したことはありますか?



そうとくん:昆虫の次は、ストップモーションアニメーションにハマりました。ニャッキというTVアニメを観たのがきっかけです。あとピングーというアニメも大好きで。小麦粘土を使って、自分で製作していました。



編集部:親御さんが小麦粘土を買ってくれたりしたんですか?



そうとくん:いや、母に言っても買ってくれないので(笑)自分のお小遣いで買っていました。

アニメーションを作るソフトが欲しくなった時は、お小遣いだけでは足りないので、誕生日プレゼントを2年分前借りし、購入しました。



編集部:すごい熱意ですね!ちなみに、本当にプレゼントはもらえなかったんですか・・・?



そうとくん:はい。本当に、2年間誕生日プレゼントなしでした。約束通りです(笑)

「親も学校も、『自由』がいい。」教育について思うこと

編集部:今通っている中学校はバカロレア認定とのことだけれど、なぜそこに進学しようと思ったのですか?



そうとくん:学校見学に行った時、ここに行こう!と思ったんです。ピンときました。

校舎の雰囲気が良かったことと、そう、校舎の中が、上履きではなく、土足だったんです!



その時初めて、「なんで多くの学校は土足じゃないんだっけ?なんで上履きが必要なんだろう?」と考えました。考えてみると、上履きに変えるのって、すごく無駄なんじゃないかって。

そういう風に見ていくと、ああ、この学校は、無駄が少ない学校なんだなって気がついたんです。



編集部:バカロレアの特徴は?



そうとくん:とにかく自由ですね。先生と生徒の関係もフラットで、上下関係をあまり感じさせませんし、やりたいことをやれる環境だと思います。

編集部:学校や学びの場について、今後どういう場所になっていったらいいと思いますか?



そうとくん:学校は自由で良いと思うんです。危険なところだけ見守る、というぐらいで。



多くの人は部活=やりたいこと、だと思うのですが、僕みたいに部活の選択肢の中にやりたいことがない人もいると思うんです。

そういう人には、課外活動でやりたいことをやれる機会を増やしていけば良いかなと思います。



うちの学校だと、学校外でサッカークラブに入っている子がいたり、資格取得に向けてがんばっている子もいたりします。

そういう風にして、小学生でも中学生でも高校生でも、自分がやりたいこと、好きなことを、学校の枠を飛び越えてできるようになるといいなって思います。



編集部:親子関係についてはどうでしょうか?



そうとくん:親子関係も、基本的には自由が良いと思います。



自由というよりは「自治」ですかね。



子どもが自分でやったことには、自分で責任をとる。

親は、必要なときにブレーキをかける、ぐらいの存在で良いかなと思います。

リスペクトしているのは孫正義。将来の夢は・・・

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編集部:そうとくんは、尊敬している人はいらっしゃいますか?



そうとくん:孫正義さんです!

とにかくかっこいい。夢を語り、そして次々と実現している。

僕も孫さんのようになりたいです。



編集部:これからのやりたいことは?



そうとくん:色々ありますが、ひとつは社会の無駄をなくすことです。

例えば、銀行のATMって、無駄が多いと思うんです。お金を引き出すのに手数料がかかるのはおかしいですよね。

他にも、いろいろと「あれ?」と思うことに遭遇した時、その無駄を省く方法を考えてみたいです。



編集部:将来についてはどのように考えていますか?



そうとくん:僕は昔から、明日死んでも後悔しないように、一日一日を大切にして生きるようにしています。

今はまだやりたいことがたくさんあるので、死にたくないですが(笑)ですから、将来について考えるより、まず「今」やりたいことを全力でやるようにしています。

やりたいことがたくさんあるので、将来のことはまだ分かりません。

今、子育て中のConobie読者へのメッセージ

編集部:Conobieの親御さんに向けてメッセージはありますか?



そうとくん子どもって、親から強制されると、逆にしたくなくなるんですよね。

だから基本は自由に、子どもの意思を尊重してほしいなと思います。



危険なときだけ、ブレーキをかけてくれるのが良いですね。



あとは、大人になったら、親子ってそんなに関わらなくなりますよね。

だからこそ、今の日常を楽しんでほしいなと思います。



僕ももう中3なので、家族での行動が少なくなってきてはいますが、これからもいろんなところに行って、新しい世界をみて、思い出を作りたいなと思います。

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そうとくん:あと、親子関係ということで言うと、

そういえば先日母から、

「気付かなかったことを気付かせてくれてありがとう」

と言われて。それがすごく記憶に残っています。



なんでそういうことを言われたかというと、アメリカのMITメディアラボを訪問するチャンスを頂いて、今度アメリカに行くんです。

その際、子ども一人では入国できないので、母が仕事を休んでついてきてくれるんです。



そんなことがあって、母としては、

仕事も休んで、父と兄を家において海外に行くことなんて、考えてもいなかったようで。



「奏人(そうと)を見てると、『自分ができない』って思ってることって、自分がそう決めつけてるだけで、本当はその気になれば実現できることなんだなって、気づいた」とも、母は言っていました。



それがとても印象に残っていますね。

~編集後記~



中学3年生にしてベンチャーにジョインするそうとくん。しかも、すべて自分の意志で選択しています。

話しぶりもまさに「大人」で、まったく幼さが見えません。



「自分が好きなことをしているだけ」とそうとくんは何度も口にしていましたが、子どもが好きなことに熱中できる環境を、親や学校でも後押ししていきたいですね。



Conobieではこれからも、そうとくんの活動を追い続けます!

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