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公開 2015年10月16日  

夜更かしの子どもが増えている?助産師がすすめるお日様リズムの生活

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助産師としてママのお話を聞いていると、夜更かししているお子さんが多いように感じます。健診でも、21時には寝かせつけたいのに、なかなか眠ってくれないという相談があります。便利な世の中になっている反面、自然から遠ざかっている面は多くなっています。自然に産みたい、自然に育てたい、自然ってなんでしょう?


お日様のリズムで生活してみる

昔、電気も水道もガスもなかった頃の時代、自然の陽の光がある時間に活動し、暗くなったら眠っていました。夜には光も音もありません。海から聞こえる波の音や、夜行性の動物が出す鳴き声などが聞こえるだけ。それが『自然』だったのです。自然の中での生活で、自然とホルモンバランスが取れていたのでしょう。理屈や根拠などなくとも、それが自然でそのバランスが正しかったのだと思います。

現代は、常に明るくすることもできますし、常に音もあります。ヒトの感覚が休まる時がとても少なくなっています。自分の家の中だけ、夜に光や音を遮断しても、隣近所からも聞こえてきますので、100%は難しい。それでも、日の出と日没を意識して、夏と冬とで生活リズムを少し変えて、家の中の光と音を遠ざけてみると、夜の間に身体を整えることができるかもしれませんね。

赤ちゃんのリズムは、ママのリズム

赤ちゃんは夜行性と言われることが多いでしょう。そうなんです。赤ちゃんは夜のほうが起きたり泣いたりすることが多いです。それもまた、ヒトにとっては自然なんです。

赤ちゃんを妊娠中、ママが寝ようとすると胎動が激しくなって活発に動いている感じがあると思います。1日の活動が終わって、ホッと一息、さて寝ようというときに蹴りが入ると、ちょっと待ってよ~となるかもしれません。でも赤ちゃんにしてみれば、ずっとこの時を待っていたんです。ママがホッと一息ついて、眠たいな~ってなってくると、ようやく赤ちゃんへの血液の流れが増して、元気に動けるようになるんです。ママの副交感神経が優位になってリラックスしている状態が、赤ちゃんにとって元気に動ける時間なんですね。

また、生まれてからも、夜中のほうが母乳が出やすいんです。ママがうとうと眠りたいとき、母乳が出やすい状態になるんです。ですから、赤ちゃんが夜中にたくさんおっぱいを吸うのは、生きるための理にかなっているんです。

赤ちゃんの生活リズムを昼にシフトするには

産まれてしばらくは、昼も夜も眠った生活。夜のほうがおっぱいは吸うけれど、基本的にはおっぱい以外眠って過ごします。生後1ヶ月を過ぎたころから、少しずつニコニコで起きている時間ができる子もいるでしょう。本格的にリズムを付けていくには、補完食(※)が始まったころを目安に、朝決まった時間に起こすということをしていきましょう。

ただし、ここが大切です。妊娠中にも早寝早起きをしていてほしいんです。前の章でも書きましたが、胎児の頃、母親が眠るころに活発になります。22時に眠る方と0時に眠る方では、赤ちゃんが活発になる時間に2時間の開きがあります。それを修正していくのは大変です。今更、妊娠中のことを言われても…と思いますよね。ですから身近な妊婦さんには早寝早起きを勧めてください。ご自身も次の妊娠のためには早寝早起きをしてくださいね。

※補完食:通常、離乳食といいますが、乳離れのための食事ではなく、おっぱいの不足分を補うという意味でこの言葉を使います

自然とともにする生活リズム

日の出と日没のリズムにするのは、かなり難しいかもしれません。ですから、少し光と音の工夫をしてみませんか?夜の時間を間接照明やろうそくの灯りで過ごしてみる。スマホやテレビは消してみる。テレビやラジオを消して、待機音がするような機械類は電源をオフにするなど部屋の機械音を極力減らす。そうすることで、自分自身の視覚や聴覚の状態をオフモードにできることでしょう。完全に自然な生活はできないからとあきらめず、できることから始めてみませんか。

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