今の社会では、
女性が男性を、男性が女性を好きになることや、出生時の身体的・生物学的性別に、とくに違和感を抱くことなく生きていくことが《ふつう》だとされています。
しかし、その《ふつう》とされるアイデンティティに縛られることなく
男性が男性を、女性が女性を、あるいは両方を好きになる人や出生時の性別とは違った性別の人生を歩んでいく人、
だれにも恋愛感情を抱かない人や、好きにはなるけど性的接触を望まない人など、
様々なアイデンティティや、思いを持った人がいます。
そのような人たちを総称して《セクシュアルマイノリティ》と呼びます。
最近ではレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとって《LGBT》と呼ばれることも増えてきました。
「女の子に生まれたけど、スカートを履きたくなかった」当事者が語るLGBTの子どもの気持ち
6,700 View最近テレビやメディアなどで取り上げられるLGBT。「知ってほしい」「否定しないでほしい」
子育て中のお母さん、お父さんに向けた、当事者からのメッセージを込めて。
LGBTってなんだろう?
性同一性障害、《僕》の幼少期。
僕は、1991年に佐藤家の次女として生を受けました。
幼いころの記憶だと、
「スカートを履きたくない」「髪を結びたくない」など、
無意識のうちに女の子らしく扱われることを嫌がっていました。
幼馴染やよく遊びに行くお友達は男の子が多く、
川遊びや、虫取りなどアウトドアな遊びのほうが好きでした。
よく、けがをして母親に心配をかけたことを覚えています。
「男の子になりたい」と言ったことはないようですが、
幼少期の写真を見ると、男の子の遊び、おもちゃ、恰好を好んでいたんだと思います。
「・・・私のせいですか?」
LGBT当事者の団体を運営している中で、
いくつか親御さんからの相談もいただくようになりました。
「うちの子、男の子なのにスカートを履きたがるんです。」
「同性の先生を好きだというのですが・・・。」
と、幼稚園から小学生のお子様を持つ方からの相談も年々増えている状況です。
相談に乗っている中で、主にお母さんがよく思ってしまうのは
「私のせいなのでしょうか?」
ということ。
育て方が悪かった、妊娠中に〇〇したのがいけなかったのかなど、
ご自身に問題があると思ってしまうお母さんが圧倒的に多いです。
同性愛、性同一性障害になる原因はまだわかっていませんし、
LGBTであることが悪いことではありません。
なので、もしお子さんが、ほかの子と違っても
「私のせいですか?」とは、思わないでほしいなと思います。
当事者の僕から、お母さん・お父さんへ。
LGBTに限った話ではないですが、
「人と違うこと」に臆病になってしまうこと、
前記のように、自分を責めてしまうことも、少なくはないのかなと思います。
ですが、当事者として最も悲しいのは
「人と違うこと」ではなく「受け入れてもらえないこと」です。
特に、一番近くにいる親に受け入れてもらえないことは、とても悲しいです。
私自身、たくさん困ることもあります。
つらいなと思うこともたくさん経験してきました。
でも、今こうしていられるのは、家族がそばにいてくれて、いつも受け止めてくれたからです。
そして今、とても幸せに暮らしています。
もしかしたら、この記事を読んでくださっている方のお子さんの中にも、
同性を好きになることや、体の性とは違う人生を歩みたいと言うことがあるかもしれません。
その時「それがこの子の人生なんだ」と、受け止めてほしいなと思います。
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