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公開 2015年10月09日  

「褒める」と「叱る」のバランスは◯:◯がちょうどいい!?いつも怒ってばかり・・という人は要チェック!

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子どもの才能を伸ばしたい、個性をのばしたい!と思う親御さんも多いのでは?そんな親御さんに向けて、「子どもの可能性が伸びていくために、親が意識すべきコツ」を5つのポイントに分けてご紹介。今回は4つ目のポイントをお伝えします。


「子どもの可能性が伸びていくために、親が意識すべきコツ」を5つを、数回のコラムに分けてご紹介。前回の記事では、3つ目のコツ、「子どもの可能性を信じること」についてお伝えしました。

いつも「怒っている」親になっていませんか?「叱る」と「怒る」の意味は違うんです!

子育てで大切な5つのポイント。4つめは、「誉めると叱るのバランスをとるようにすること」です。


この話をする前に、まず前提条件となる「褒める」と「叱る」の言葉の意味と解釈についてお話しておかなければなりません。


日本語の意味において、子育てにおける「誉める」と「叱る」は対極の位置にあるものだと思っている人がいると思いますが、私は「誉める」の対極にあるのは「怒る」だと解釈しています。


「叱る」と「怒る」は、どことなく同じようなニュアンスに捉えられがちですが、コミュニケーション学ではまったく意味合いが違うものとみなされています。

どういう違いかといいますと

「叱る」のは“相手”に対してであり、「怒る」のは“自分”自身です。


「叱る」という行為は、
“感情的にならずに相手を指導する”
という意味合いになりますが、

「怒る」という行為は、
“自分の感情を相手にぶつける”
という意味合いを持ちます。

似たようなニュアンスを持つ二つの言葉ですが、まったく違う意味を持つのです。



「怒る」という感情の前には必ず、「自分が思っている通りにできない」や「言うことを聞かない」という思いやイラ立ちがあります。
そのため、子どものすることを見て、イライラしたり、カリカリしたりするのです。

つまり「怒る」という行為は、「私はあなたのせいでものすごく頭にきているよ。だから私の気持ちをもっと察してよ!」という心理の表出でもあるのです。


「叱る」と「怒る」の違いをご理解いただけたでしょうか。
この二つの言葉の違いをしっかり理解していただいたところで話を次に進めたいと思います。

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「褒める」と「叱る」の比率は、◯:◯がちょうどいい!?

一般に親が子どもを「誉める」比率と「叱る」比率は、2:1くらいが良いとか、5:1が良いなどの説がありますが、個人的な経験では10歳くらいまでは、3:1くらいが、ちょうど良いのではないかと思っています。

ビジネスにおける人材教育の中にも「三つ誉めて、一つ叱る」という教えがありますから、バランス的にも3:1くらいが良いのかも知れません。

もちろん、時と場合によったり、個人差(子どもによって物分かりがよい・悪いなど)も考慮したりしなくてはいけませんので、絶対的な基準値を設けることはできません。しかし、怒るのではなく、「叱る」のであれば、あとはその子に合わせて親の裁量で判断していけば良いと思っています。

気になる「叱る」時のポイントは、原因を明確にすること

子育てをしているお母さんの中には「叱っているつもりがつい怒ってしまう」や「叱ると怒るの塩梅がよく分からない」などの不安や迷いを抱えている方もいらっしゃるかと思いますが、「叱る」と「怒る」の意味の違いをよく理解できていれば、きっとうまく「叱れる」ようになると思います。

叱るときのポイントとして、「なぜ叱られたのか」「その原因になったことは何なのか」を明確にしてあげることが大切です。
その子自身を否定したり、「ダメな子ども」だというような印象を与える発言をするのではなく、叱ることになった原因、つまり、その子がやった「事象」について言及するようにしましょう。


そして、叱る時は子どもを追い詰めないようにしてください。

子どもはもちろんのこと、人は追い詰められると心に大きなダメージを受けます。ですから逃げ場を作ってあげながら叱ることが大切です。逃げ場というと抽象的になりますが、「心から安心できる場、心の安定を取り戻す場、平常心を取り戻せる場」と理解していただければと思います。

迷いがちな「褒める」ポイントは、結果ではなくプロセスや努力を褒めてあげること

子育て中のお母さんから、「子どものどこをどのように誉めてよいのか分からない・・・」というご相談を受けることがよくあります。

こうした場合、私は「結果だけでなく、プロセスや努力したことを誉めるようにして下さい」ということをアドバイスしています。

なぜ結果だけでなく、プロセスや努力したことを誉めるのかと申しますと、結果だけを誉めると、その子は結果ばかりを気にするようになって、失敗することを怖れるようになってしまうからです。また、思うような結果が出なかった場合、言い訳をしたり、親に嘘をついたりするようになるからです。

結果の良し悪しだけを見て誉めるのは、誉めるという行為の中で一番簡単で分かりやすい基準になりますが、親としては、結果よりもプロセスや努力に目を向けるようにしたいものです。

例えば、「今まで一生懸命頑張った成果だね」とか、「コツコツと努力したのが実ったね」など、プロセスや努力に対しての評価を心がけてあげることが大切です。

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もし感情的に怒ってしまったら、あとからフォローすれば大丈夫!

親も子育てを通じて子どもと一緒に成長している最中ですから、つねに自分の感情をコントロールすることは難しいと思います。ついつい感情のコントールがきかなくなってしまうこともあるはずです。

私も今振り返ってみると反省することばかりですが、感情的に怒ってしまった時は、後で必ずフォローするようにしていました。具体的には、子どもの考えを聴いてあげたり、なぜそう思うのかを質問したりして、こちらからコミュニケーションをとるように心がけてあげたのです。

大切なのは、やって良いことと悪いことの基準を親子で話し合ったり、成長過程にある子どものことを理解してあげたりすることだと思います。

子どもの持つ可能性を伸ばしてあげられる親になるためには、「誉めると叱るのバランスをとること」を日頃から心がけるようにしましょう。

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